あっと!ヴィーナス!! 第二章 part-3
あっと!ヴィーナス!!
第二章 part-3
突然としてそれはやってきた。
朝からどたばたしていたから、感じる暇もなかったんだ……。
目覚めれば誰しもが行きたくなる場所。
精神的に少し落ち着いてきたのと、いつのまにか我慢の限界に近づいていた。
「どうしたの?」
「お、おしっこがしたくなった……」
「まあ、早く行ってらっしゃい」
あわててトイレへ急ぐ。
途中兄さん達に会いませんように。
トイレに駆け込みバタンと扉を閉め鍵を掛ける。
以前なら鍵を掛けることなどしなかった。
しかし困ったぞ……。
便器の前で考え込んでいる弘美。
しかし……どうやっておしっこ……するんだ?
立ってすることはできない。
あたりまえだよ。今は女の子なんだから。
うんこ座りしてするんだよ。
ほら、えっちな本とかに載ってるあの格好すればいいんだよ。
まずはスカートを捲くってショーツを降ろしたら、おもむろに便器に腰掛けるん
だ。
それから……。
それからね……。
……
それからが判らないよー!
「弘美ちゃん。大丈夫?」
ドアの外で母が呼んでいる。
「弘美ちゃん。ちゃんとできた?」
女の子になって、心配して見にきてくれたようだ。
「なんだったら、お母さんがみてあげるわよ」
そ、そんないいよ、そこまでしなくても。
あれ?
いつのまにか出てる……?
尿道が短いから判らないんだ……。
「弘美ちゃん?」
「だ、だいじょうぶだよ」
「そう? もし具合が悪かったら言ってよ。終わったら、ちゃんと紙で拭わなくっ
ちゃだめよ」
拭う?
一瞬、何のことかと思ったが、股間を見て理解した。
おしっこが尿道から垂れて股間が濡れてしまっていた。
そうか……。女の子は後始末が必要なんだ……。
男だったら、ナニをつまんで数回振ればいいのだけど。
こんな時は、女の子は不便だ。だいたいからして立っておしっこができないじゃ
ない。外出中にしたくなったら、どうすりゃいいんだよ。

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