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2019年7月

2019年7月31日 (水)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 34

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 34 04/15 22:59 ナレ1「一同が村内を見渡すと、そここに猫がたくさんいるが、村人は人 っ子一人見当たらない」
04/15 23:01 ナタリー「村人全員が猫になっちゃったとか?」
04/15 23:02 リリア「まさか(改めて抱いている猫を見つめる)」
04/15 23:03 コンラッド「宿屋は後回しにして、村人がどこへ消えたか原因を突き止め ましょう」
04/15 23:05 ナタリー「そうね。とりあえず道具屋を訪ねてみましょう。そこに誰もい なければ……」
04/17 03:37 ナレ1「人っ子一人いない村の中を道具屋を探す一行。道具屋がどこにあ るか尋ねる村人がいないので難儀する」
04/17 03:38 ナレ2「やがて薬草らしき絵柄の看板が掲げてある店を見つけるリリア」
04/17 03:39 リリア「あれがそうじゃない。きっと道具屋だと思うわ」
04/17 03:39 ナタリー「そうみたいね。行ってみましょう」
04/17 03:40 コンラッド「主人が猫に変えられていなければいいんですけどね」
04/17 03:41 リリア「大丈夫みたいですよ。煙突から煙が上がっています。人がいる証 拠です」
04/17 03:41 コンラッド「なるほど。言われてみればその通りです」
04/17 03:44 ナレ1「煙突から煙の上がっている家の中へ入る一行」
04/17 03:44 ナタリー「こんにちは!」
04/17 03:45 ナレ1「ナタリーが声を掛けると、家の奥から主人らしき人物が現れた」
04/17 03:46 リリア「猫じゃないですね。この村ではじめて出会った人間です」
04/17 03:47 道具屋「いらっしゃいませ。どうやらこの村の異変に気が付いたみたいで すね」
04/17 03:48 リリア「ええ。人がいなくて猫ばかりがいます」
04/17 03:48 ナタリー「あなたは?」
04/17 03:48 ナレ1「道具屋の女主人の顔を見て驚くナタリー」
04/17 03:58 ナタリー「あなたの妹さん、とある王国の城下町南門で道具屋をやってら っしゃいますよね」
04/17 03:59 道具屋「ええ、妹が道具屋をやってますけど……。とある王国って?」
04/17 04:00 ナタリー「あはは……。ナレーションの説明不足でまだ王国の名前を発表 していないのよ」
04/17 04:01 道具屋「あら、まあ!」
04/17 04:03 ナレ1「これは済まぬことをした。作者は思いつつままに書いているので、 つい忘れてしまったようだ」
04/17 04:04 ナレ2「とりあえずファンタリオン王国ということにしておこう。うん ♪」
04/19 03:29 ナタリー「妹さんにそっくりなのですぐに判りました」
04/19 03:37 道具屋「妹に会ってここへいらしたということは、何か頼みごとを依頼さ れませんでしたか?」
04/19 03:38 ナタリー「そうそう、これこれ」
04/19 03:41 ナレ1「そう言いながら、懐中袋から小箱を取り出した」
04/19 03:41 ナタリー「妹さんから、これを姉のあなたに届けるようにと依頼されまし た」
04/19 03:42 道具屋「ありがとうございます。これを待ち望んでいたのです」
04/19 03:44 コンラッド「それはいったい何なんですか?かなり大切なものらしいです けど」
04/19 03:46 ナタリー「飛行船を使っちゃだめだの、移動魔法もだめ。と釘をさされま したからね。28000マイラもの道のりを地べた這いずり回ってきたんですから」
04/19 03:55 道具屋「並々ならぬご苦労をお掛けして申し訳ありませんでした」
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2019年7月30日 (火)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 33

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 33 04/14 00:18 リリア「冒険の書? 何ですかそれは」
04/14 00:31 コンラッド「これまでの旅の記録を神様が記録してくれているんです。ま あ、旅のアルバムというところでしょうか」
04/14 00:33 リリア「そうなんだ……。良く判りませんけど、理解することにします」
04/14 00:34 ナタリー「道具屋から貰った地図によると、間違いなくモトス村よ」
04/14 00:35 コンラッド「モトス村ですか」
04/14 00:36 ナタリー「クエストを請け負ってから、地べたを這いずり回ること28000 マイラ。ようやくたどり着いたのよ(再び感涙)」
04/14 03:25 リリア「おめでとうございます」
04/14 03:27 ナタリー「荷物を届け終わるまでは安心できないわよ」
04/14 03:37 コンラッド「その通りです。最後まで油断なく行動することが、クエスト 達成の大原則です」
04/15 02:50 ナレ1「と言っているそばから、はぐれメタルが現れた」
04/15 02:50 ナタリー「リリア、聖水を出して」
04/15 02:51 リリア「それが……。さっきので最後でした」
04/15 02:51 ナタリー「そんなあ……」
04/15 02:52 リリア「でも、まだこれがありますから」
04/15 02:53 ナレ1「と言いながら、ポシェットから細長い針のようなものを取り出し て、はぐれメタルに突き刺した」
04/15 02:54 ナレ2「毒針だ。はぐれメタルの急所を貫いた」
04/15 02:55 ナレ1「はぐれメタルを倒した。10000Pの経験値!」
04/15 02:56 ナタリー「いいもの持ってるじゃない。もう1本ないの?」
04/15 03:00 リリア「この1本だけです。売り物用の花を摘む場所には、毒蜂・毒虫・ 毒蛇などの毒をもったものがいますから、それらを捕まえて毒を集めていたんです。血 清といって毒には毒の治療方法があるんです。それで毒針も作っていました」
04/15 03:07 ナタリー「たかが花売りと馬鹿にするもんじゃないわね。広い知識も持ち 合わせているんだ」
04/15 03:10 コンラッド「この辺りにははぐれメタルが、うようよいるようです。モト ス村へ急ぎましょう」
04/15 03:11 ナタリー「そうした方がいいみたいね。急ぎましょう」
04/15 03:11 ナレ1「こうしてモトス村へ駆け込むようにして入る一行だった」
04/15 03:14 ナタリー「いちばん! モトス村に着いたわよ」
04/15 03:52 コンラッド「やれやれ、やっとですね」
04/15 03:53 ナタリー「あたしは、荷物の届け先の道具屋を探すわ。あなた達は、今夜 泊まる宿屋を探してね」
04/15 22:51 リリア「判りました」
04/15 22:52 ナレ1「と解散しようとした時、1匹の猫がリリアの足元にじゃれつい た」
04/15 22:53 リリア「あら、可愛い(猫を抱きかかえる)」
04/15 22:54 コンラッド「それにしても……(いぶかしげな表情)」
04/15 22:54 リリア「(猫の頭を撫でながら)どうしました?」
04/15 22:55 コンラッド「まだ日が高いと言うのに、村人が一人も出歩いていないとい うのは変ではありませんか?」
04/15 22:56 ナタリー「言われてみればその通りね。皆、教会にでも集まっていると か?」
04/15 22:58 リリア「午前中ならともかく……。一人もいないというのは、やっぱりお かしいですわね」
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2019年7月29日 (月)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 32

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 32
04/13 03:14 ナレ1「身づくろいを終えたリリアと共に次の目的地へと出発する一行だ った」
04/13 03:15 ナタリー「誰かに挨拶する必要はなかったの?」
04/13 03:16 リリア「あったとしても、この姿じゃ……」
04/13 03:17 ナタリー「それもそうね」
04/13 03:25 ナレ1「突然、はぐれメタルが現れた」
04/13 03:26 ナタリー「やっかいなのが出たわね」
04/13 03:26 コンラッド「戦うまでです」
04/13 03:27 ナレ1「コンラッドは剣で切りかかったが、ダメージを与えられない」
04/13 03:27 ナタリー「しようがないわね」
04/13 03:28 ナレ1「ナタリーが呪文を唱えるが、まるで利かない」
04/13 03:29 ナレ2「はぐれメタルはベギラマを唱えた。一行にそれぞれ80Pのダ メージを与えた」
04/13 03:30 ナタリー「やっぱりだめね。逃げるわよ」
04/13 03:31 ナレ1「しかしはぐれメタルは素早く動いて逃げられない」
04/13 03:32 コンラッド「攻撃が当たらないし呪文も利かない。そして逃げるもかなわ ずです」
04/13 03:32 ナタリー「こいつには、じっと我慢して退散してくれるのを待つしかない わ」
04/13 03:33 コンラッド「もしくはまぐれ当たりを期待して攻撃を続けるか」
04/13 03:33 ナレ1「はぐれメタルはベギラマを唱えた。一行にそれぞれ80Pのダ メージを与えた」
04/13 03:34 ナレ2「リリアがポシェットから何かを取り出して、はぐれメタルに投げ かけた」
04/13 03:35 ナレ1「はぐれメタルは溶けるように消滅した」
04/13 03:36 ナレ2「一行は10000Pの経験値を得た」
04/13 03:37 ナレ1「リリアのレベルが5上がった。HPが……(以下略)」
04/13 03:37 ナタリー「すごいじゃない。何を使ったの?」
04/13 03:47 リリア「聖水です。メタルスライムとかに効果がありますよ」
04/13 03:47 コンラッド「なるほど、これは便利だ。剣一筋の私ですが、勉強になりま した」
04/13 03:53 リリア「村から出るときは必ず持ち歩くことにしているんです。弱い魔物 を寄せ付けない効果もありますからね」
04/13 03:55 ナレ1「さてここで疑問に思っている方もいるかも知れないが。町や村の 中には魔物が出ないのに、一歩外にでれば魔物に出くわすのはなぜか?」
04/13 03:57 ナレ2「この世界においては、町や村には必ず教会が存在する。神聖にし て魔物を寄せ付けない結界が教会にはある。これが魔物を近づけないわけである」
04/13 03:58 ナレ1「と解説している間にも、一行の旅は進んでいく」
04/13 03:59 ナレ2「一行の目の前に村が見えてきた」
04/14 00:14 ナタリー「うううう……(感涙している)」
04/14 00:14 リリア「どうしたのですか?(首をかしげて)」
04/14 00:16 ナタリー「勇者と関わりを持って旅立ってから冒険の書も8P目。やっと 最初のクエストを達成できそう」
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2019年7月28日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ XI

 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ
                 XI  見合わせる三人。  突然、大声を出して笑い転げる。 「何がおかしい」 「何がおかしいって……。ハイネだぜ、ハイネ」 「その筋骨隆々の身体で、ハイネはないだろう」 「俺は、シュワルチェネッガーかと思ったぜ」 「そうそう、女の子みたいな名前は似合わないわよ」  怒り出すハイネ。 「俺のオヤジが付けた名前だ。しようがないだろ」 「しかしよお……」  とまた笑い出すジャン。  再び計器が鳴り出した。 「ほら、呼び出しよ」 「わかっている」  無線機を操作すると、別のポップアップが画面が開いて、あの隊長が映し出された。 背後に複雑な計器類が並んでいるところから、モビルスーツのコクピットにいるらしい。 「おまえら、何をしている!」 「実は、例の二人組みのガキがモビルスーツに……」  ハイネが弁解する。 「あらら、隊長さん、モビルスーツを運転できるの?」 「当然だ。残しておくのももったいないので、拝借することにした」 「いつの間に……」  つい先ほどまで、ジープから機関銃を掃射していたはずである。臨機応変に行動する 実行力のある人物のようである。 「とにかく議論をしている暇はない。港まで突っ走れ! ミネルバが回収してくれる」 「了解」  新型が二台と旧式が二台。  機銃を装備している旧式が一斉掃射しながら突破口を開いていく。その後を新型が追 従する。  しかしながら、アイクとジャンの機体は、「よっこらせ」という状態で、思うように 動かせないでいた。 「もう、何やっているのよ。どんどん引き離されていくじゃない」 「しようがねえだろ。新型だから、駆動系がまるで違うんだから」 「加速装置とかないの?」 「もう、じれったいわね」  というと、手を伸ばして機器を手当たり次第に、押しまくった。 「ば、馬鹿。何をする!」  突然、椅子に押しかけられるような加速を感じる一行。 「なんだ? どうしたんだ」 「知るかよ」  サリーがスクリーンを指差しながら、 「見て、見て。これ、空を飛んでるんじゃない?」  と叫んでいる。 「う、嘘だろ?」  事実のようであった。 「こいつ、飛行タイプだったのか……」 「どこまで行くのよ」 「知るかよ。こいつに聞いてくれ」  どんどん加速して上昇していく機体。  操縦方法などまるで知らないのでなすがままだった。  地上に残された隊長たち。  呆然と見送っている。  やがて雲の彼方へと消え去ってしまう。
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2019年7月27日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 XII

第三章 第三皇女
                 XII  それはアレックスが昇進し大艦隊を指揮統制できるようになっても独立遊撃艦隊とし て、二百隻をそのまま自分の直属として配下に置き続けたきたからである。  幾度となく死線を乗り越えてきた勇者の余裕ともいうべき雰囲気に満ちていた。 「P-300VXより入電! 敵空母より艦載機が発進しました。その数およそ三万 機」  オペレーターの声によって、艦橋は一気に緊迫ムードに包まれた。 「おいでなすったぞ。全艦、対艦ミサイル迎撃準備。CIWS(近接防御武器システ ム)を自動追尾セット。各砲台は射手の判断において各個撃破に専念せよ」  戦闘機は接近戦に入る前に、遠距離からのミサイル攻撃を仕掛けるのが常套である。 そこでまず最初に、そのミサイルに対する防御処置を取ったのである。とはいえ、各機 がミサイルを一発ずつ放ったとしても、総数三万発のものが襲い掛かってくることにな る。まともに相手などしていられない。 「ミサイル接近中!」 「全艦急速ターン用意」  ここはミサイルの欠点を突くしかない。宇宙空間では、ミサイルは急速ターンができ ず、ホーミングによって追尾しようとしても旋回半径が非常に大きい。そこでタイミン グよく急速移動すれば、何とか交わすことが可能である。 「よし、今だ! 急速ターン!」  ミサイルと違って、ヘルハウンド以下の艦艇には、舷側や甲板・艦底などに噴射ジェ ットが備えられており、急速ターンや平行移動ができる。ミサイルを目前にまで近づけ ておいて、一気に移動を掛けるのである。  目標を失ったミサイルは頭上を素通りしていった。そこをCIWSが一斉に掃射され て破壊してゆくのである。  こうしてミサイル群を見事に交わしきってしまったサラマンダー艦隊は、さらに前進 を続ける。 「敵艦載機、急速接近!」  ミサイルよりはるかに手ごわい相手の登場である。 「提督。ちょっと遊んでもいいですか?」  操舵手が許可を求めてきた。  余裕綽々の表情である。  三万隻を相手にして遊んでやろうという自信のほどが窺える。 「ほどほどにしてくれよ」 「判ってますよ」  わざとらしく腕まくりをして、操作盤に向き直った。 「全艦に伝達。戦闘機のコクピットは狙わずに、後部エンジンに限定して攻撃せよ。パ イロットが緊急脱出できるようにしておけ」  今回の作戦は、敵艦隊を殲滅させることではなく、空母アークロイヤルに座乗してい るマーガレット皇女を保護し、反乱を終結させ和平に結びつけることにある。その他の 将兵達には極力手出ししないようにしたかったのである。  仮に目的のためには手段を選ばずで、手当たり次第に殺戮を行えば、後々まで遺恨を 残して、和平にはほど遠くなってしまうだろう。  とにもかくにも、サラマンダー艦隊と戦闘機との壮絶な戦いが繰り広げられていた。  ランドール戦法、すなわち究極の艦隊ドッグファイトを見せつけられて、目を丸くし ている戦闘機パイロット達がいた。  何せ機動力では、はるかに戦闘機の動きを凌駕していたのである。  舷側などにある噴射ジェットを駆使して、まるで曲芸飛行を見せつけてられているよ うだった。その場旋回やドリフト旋回など、戦闘機には不可能な動きで、簡単に背後に 回ってロックオン・攻撃。もちろんCIWSなどの対空砲火も半端なものではなかった。 次々と撃墜されてゆく戦闘機編隊。戦闘開始十分後には一万機が撃ち落されていた。  パイロット達は、すっかり戦闘意欲を喪失しまっていたのである。
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2019年7月26日 (金)

妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の拾弐

陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪

其の拾弐 大阪大空襲  1945年(昭和20)3月13日23時57分から14日3時25分の大阪大空襲。  米軍の焼夷弾投下標的は、北区扇町・西区阿波座・港区岡本町・浪速区塩草に設定さ れていた。  グアムを飛び立った第314航空隊の43機が夜間に飛来し、大型の焼夷弾(ナパーム) を高度2000メートルの低空から、港区市岡に対して爆撃を開始した。  木と紙でできた日本家屋を徹底的に燃やし尽くすために開発された、民間大虐殺用の ナパーム弾による大空襲の始まりである。  続いて、テニアンから、第313航空団のB29 107機が浪速区塩草を爆撃。  さらに、サイパンから第73航空団の124機が、北区扇町・西区阿波座を爆撃。  こうして一晩で大阪中心部はほぼ壊滅状態の焼け野原となった。  阿倍野区は、照準点から少し離れてはいたが、大火災による延焼は避けられなかった。  至る所で火の手が上がり、木造家屋を燃やし尽くしていった。  それでも、奇跡的に延焼被害を免れた家屋も所々に散見された。  そんな家屋の一つ、江戸時代から続く旧家があった。  母屋を囲うようにして高い土塀があったために延焼を免れたようである。  その玄関先に一人の男が立ち寄った。  シベリア抑留から解放され帰国した元日本軍兵士で、久しぶりの我が家の玄関前に立 ったのだ。  シベリア抑留者は、厳寒の中での重労働を強制される他、ソ連共産党による徹底的な 「赤化教育」が施された。 「天皇制打破」「生産を上げよ」「スターリンに感謝せよ」などのスローガンを叩きこ まれてゆく。いち早く順応し優秀と見なされた者は待遇もよくなり、従わない日本兵へ の「つるし上げ」が横行した。日本人が日本人を叫弾するという悪習がはびこっていた のである。する方もされる方も次第に精神を病んでいった。  長期抑留から解放されて日本への帰国がかなっても、祖国は焼野原となり多くの者が 家を失っていた。  安堵して故郷の土を踏んだ矢先、入港した途端に警察に連行され「アカ(共産主義)」 というレッテルを張られて独房に入れられて執拗な尋問を受ける者も多かった。やっと 解放されても、どこへ行っても警察の監視が付いて回った。  その男もそのような待遇に合わされた一人であった。
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2019年7月25日 (木)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 31

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 31 04/15 22:53 リリア「あら、可愛い(猫を抱きかかえる)」
04/15 22:54 コンラッド「それにしても……(いぶかしげな表情)」
04/15 22:54 リリア「(猫の頭を撫でながら)どうしました?」
04/15 22:55 コンラッド「まだ日が高いと言うのに、村人が一人も出歩いていないとい うのは変ではありませんか?」
04/15 22:56 ナタリー「言われてみればその通りね。皆、教会にでも集まっていると か?」
04/15 22:58 リリア「午前中ならともかく……。一人もいないというのは、やっぱりお かしいですわね」
04/15 22:59 ナレ1「一同が村内を見渡すと、そここに猫がたくさんいるが、村人は人 っ子一人見当たらない」
04/15 23:01 ナタリー「村人全員が猫になっちゃったとか?」
04/15 23:02 リリア「まさか(改めて抱いている猫を見つめる)」
04/15 23:03 コンラッド「宿屋は後回しにして、村人がどこへ消えたか原因を突き止め ましょう」
04/15 23:05 ナタリー「そうね。とりあえず道具屋を訪ねてみましょう。そこに誰もい なければ……」
04/17 03:37 ナレ1「人っ子一人いない村の中を道具屋を探す一行。道具屋がどこにあ るか尋ねる村人がいないので難儀する」
04/17 03:38 ナレ2「やがて薬草らしき絵柄の看板が掲げてある店を見つけるリリア」
04/17 03:39 リリア「あれがそうじゃない。きっと道具屋だと思うわ」
04/17 03:39 ナタリー「そうみたいね。行ってみましょう」
04/17 03:40 コンラッド「主人が猫に変えられていなければいいんですけどね」
04/17 03:41 リリア「大丈夫みたいですよ。煙突から煙が上がっています。人がいる証 拠です」
04/17 03:41 コンラッド「なるほど。言われてみればその通りです」
04/17 03:44 ナレ1「煙突から煙の上がっている家の中へ入る一行」
04/17 03:44 ナタリー「こんにちは!」
04/17 03:45 ナレ1「ナタリーが声を掛けると、家の奥から主人らしき人物が現れた」
04/17 03:46 リリア「猫じゃないですね。この村ではじめて出会った人間です」
04/17 03:47 道具屋「いらっしゃいませ。どうやらこの村の異変に気が付いたみたいで すね」
04/17 03:48 リリア「ええ。人がいなくて猫ばかりがいます」
04/17 03:48 ナタリー「あなたは?」
04/17 03:48 ナレ1「道具屋の女主人の顔を見て驚くナタリー」
04/17 03:58 ナタリー「あなたの妹さん、とある王国の城下町南門で道具屋をやってら っしゃいますよね」
04/17 03:59 道具屋「ええ、妹が道具屋をやってますけど……。とある王国って?」
04/17 04:00 ナタリー「あはは……。ナレーションの説明不足でまだ王国の名前を発表 していないのよ」
04/17 04:01 道具屋「あら、まあ!」
04/17 04:03 ナレ1「これは済まぬことをした。作者は思いつつままに書いているので、 つい忘れてしまったようだ」
04/17 04:04 ナレ2「とりあえずファンタリオン王国ということにしておこう。うん ♪」
04/19 03:29 ナタリー「妹さんにそっくりなのですぐに判りました」
04/19 03:37 道具屋「妹に会ってここへいらしたということは、何か頼みごとを依頼さ れませんでしたか?」
04/19 03:38 ナタリー「そうそう、これこれ」
04/19 03:41 ナレ1「そう言いながら、懐中袋から小箱を取り出した」
04/19 03:41 ナタリー「妹さんから、これを姉のあなたに届けるようにと依頼されまし た」
04/19 03:42 道具屋「ありがとうございます。これを待ち望んでいたのです」
04/19 03:44 コンラッド「それはいったい何なんですか?かなり大切なものらしいです けど」
04/19 03:46 ナタリー「飛行船を使っちゃだめだの、移動魔法もだめ。と釘をさされま したからね。28000マイラもの道のりを地べた這いずり回ってきたんですから」
04/19 03:55 道具屋「並々ならぬご苦労をお掛けして申し訳ありませんでした」
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2019年7月24日 (水)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 30

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 30 04/14 00:34 ナタリー「道具屋から貰った地図によると、間違いなくモトス村よ」
04/14 00:35 コンラッド「モトス村ですか」
04/14 00:36 ナタリー「クエストを請け負ってから、地べたを這いずり回ること28000 マイラ。ようやくたどり着いたのよ(再び感涙)」
04/14 03:25 リリア「おめでとうございます」
04/14 03:27 ナタリー「荷物を届け終わるまでは安心できないわよ」
04/14 03:37 コンラッド「その通りです。最後まで油断なく行動することが、クエスト 達成の大原則です」
04/15 02:50 ナレ1「と言っているそばから、はぐれメタルが現れた」
04/15 02:50 ナタリー「リリア、聖水を出して」
04/15 02:51 リリア「それが……。さっきので最後でした」
04/15 02:51 ナタリー「そんなあ……」
04/15 02:52 リリア「でも、まだこれがありますから」
04/15 02:53 ナレ1「と言いながら、ポシェットから細長い針のようなものを取り出し て、はぐれメタルに突き刺した」
04/15 02:54 ナレ2「毒針だ。はぐれメタルの急所を貫いた」
04/15 02:55 ナレ1「はぐれメタルを倒した。10000Pの経験値!」
04/15 02:56 ナタリー「いいもの持ってるじゃない。もう1本ないの?」
04/15 03:00 リリア「この1本だけです。売り物用の花を摘む場所には、毒蜂・毒虫・ 毒蛇などの毒をもったものがいますから、それらを捕まえて毒を集めていたんです。血 清といって毒には毒の治療方法があるんです。それで毒針も作っていました」
04/15 03:07 ナタリー「たかが花売りと馬鹿にするもんじゃないわね。広い知識も持ち 合わせているんだ」
04/15 03:10 コンラッド「この辺りにははぐれメタルが、うようよいるようです。モト ス村へ急ぎましょう」
04/15 03:11 ナタリー「そうした方がいいみたいね。急ぎましょう」
04/15 03:11 ナレ1「こうしてモトス村へ駆け込むようにして入る一行だった」
04/15 03:14 ナタリー「いちばん! モトス村に着いたわよ」
04/15 03:52 コンラッド「やれやれ、やっとですね」
04/15 03:53 ナタリー「あたしは、荷物の届け先の道具屋を探すわ。あなた達は、今夜 泊まる宿屋を探してね」
04/15 22:51 リリア「判りました」
04/15 22:52 ナレ1「と解散しようとした時、1匹の猫がリリアの足元にじゃれつい た」
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2019年7月23日 (火)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 29

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 29

 

 

04/13 03:14 ナレ1「身づくろいを終えたリリアと共に次の目的地へと出発する一行だ
った」

04/13 03:15 ナタリー「誰かに挨拶する必要はなかったの?」

04/13 03:16 リリア「あったとしても、この姿じゃ……」

04/13 03:17 ナタリー「それもそうね」

04/13 03:25 ナレ1「突然、はぐれメタルが現れた」

04/13 03:26 ナタリー「やっかいなのが出たわね」

04/13 03:26 コンラッド「戦うまでです」

04/13 03:27 ナレ1「コンラッドは剣で切りかかったが、ダメージを与えられない」

04/13 03:27 ナタリー「しようがないわね」

04/13 03:28 ナレ1「ナタリーが呪文を唱えるが、まるで利かない」

04/13 03:29 ナレ2「はぐれメタルはベギラマを唱えた。一行にそれぞれ80Pのダ
メージを与えた」

04/13 03:30 ナタリー「やっぱりだめね。逃げるわよ」

04/13 03:31 ナレ1「しかしはぐれメタルは素早く動いて逃げられない」

04/13 03:32 コンラッド「攻撃が当たらないし呪文も利かない。そして逃げるもかなわ
ずです」

04/13 03:32 ナタリー「こいつには、じっと我慢して退散してくれるのを待つしかない
わ」

04/13 03:33 コンラッド「もしくはまぐれ当たりを期待して攻撃を続けるか」

04/13 03:33 ナレ1「はぐれメタルはベギラマを唱えた。一行にそれぞれ80Pのダ
メージを与えた」

04/13 03:34 ナレ2「リリアがポシェットから何かを取り出して、はぐれメタルに投げ
かけた」

04/13 03:35 ナレ1「はぐれメタルは溶けるように消滅した」

04/13 03:36 ナレ2「一行は10000Pの経験値を得た」

04/13 03:37 ナレ1「リリアのレベルが5上がった。HPが……(以下略)」

04/13 03:37 ナタリー「すごいじゃない。何を使ったの?」

04/13 03:47 リリア「聖水です。メタルスライムとかに効果がありますよ」

04/13 03:47 コンラッド「なるほど、これは便利だ。剣一筋の私ですが、勉強になりま
した」

04/13 03:53 リリア「村から出るときは必ず持ち歩くことにしているんです。弱い魔物
を寄せ付けない効果もありますからね」

04/13 03:55 ナレ1「さてここで疑問に思っている方もいるかも知れないが。町や村の
中には魔物が出ないのに、一歩外にでれば魔物に出くわすのはなぜか?」

04/13 03:57 ナレ2「この世界においては、町や村には必ず教会が存在する。神聖にし
て魔物を寄せ付けない結界が教会にはある。これが魔物を近づけないわけである」

04/13 03:58 ナレ1「と解説している間にも、一行の旅は進んでいく」

04/13 03:59 ナレ2「一行の目の前に村が見えてきた」

04/14 00:14 ナタリー「うううう……(感涙している)」

04/14 00:14 リリア「どうしたのですか?(首をかしげて)」

04/14 00:16 ナタリー「勇者と関わりを持って旅立ってから冒険の書も29P目。やっと
最初のクエストを達成できそう」

04/14 00:18 リリア「冒険の書? 何ですかそれは」

04/14 00:31 コンラッド「これまでの旅の記録を神様が記録してくれているんです。ま
あ、旅のアルバムというところでしょうか」

04/14 00:33 リリア「そうなんだ……。良く判りませんけど、理解することにします」

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2019年7月22日 (月)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 28

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 28
04/10 02:03 ナレ1「一同はニーチェ村に入り、リリアの家に立ち寄った」
04/10 02:46 ナタリー「ここがリリアの家?」
04/10 02:46 リリア「ええ、そうです」
04/10 02:47 ナレ1「と言いながら寂しそうな表情のリリア」
04/10 02:48 ナレ2「かつて暮らしていた自分の家。生活臭がまだそこここに残ってい た」
04/10 02:49 コンラッド「ご両親は?」
04/10 02:49 リリア「亡くなりました。魔物に襲われて……」
04/10 02:50 ナタリー「そうなの。生活も苦しかったでしょうね」
04/10 02:58 リリア「魔物に襲われて家族を亡くした人はたくさんいますから。自分一 人だけが苦しいんじゃないと、言い聞かせていました」
04/10 02:58 コンラッド「感心しました」
04/10 02:59 ナレ1「そこへ大きな獣がのそりと入ってきた」
04/10 02:59 ナタリー「魔物!?」
04/10 03:00 ナレ1「身構えるナタリーとコンラッド」
04/10 03:01 リリア「(二人を制して)大丈夫ですよ。人を襲ったりはしませんから」
04/10 03:49 ナタリー「飼ってたの?」
04/10 03:50 リリア「そうじゃないですけど、たまに遊びにくるんです。(と言いなが ら戸棚を探している)まだあるはずなんだけど……」
04/10 03:51 ナレ1「戸棚から小さな缶を持ち出して」
04/10 03:51 リリア「やっぱり、あったわ。はい、お食べ(と獣に差し出す)」
04/10 03:52 ナレ1「獣は、目の前に差し出されたものをクンクンと嗅いでいたが、や がておいしそうに舐めはじめた」
04/10 03:55 コンラッド「それは何ですか?」
04/10 03:58 ナレ1「獣が舐めている黒い塊を指差してたずねるコンラッド」
04/10 04:00 リリア「近くの森に甘い樹液を出す木があって、それを煮詰めて固めたも のです」
04/11 03:15 コンラッド「人も食べられるのですか?」
04/11 03:16 リリア「料理の隠し味に使う程度です」
04/12 02:20 ナレ1「獣は餌を舐め終わると、リリアに飛びつくように覆いかぶさると クーンクーンと鳴いて顔を舐めはじめた」
04/12 02:22 リリア「あはは、やめて。あたしが誰か判るのね」
04/12 02:23 コンラッド「動物の本能というか野生の感で、姿は変わってもリリアさん だと判るのでしょう」
04/12 02:24 ナタリー「なるほどね。獣も馬鹿にはできないわね」
04/12 02:26 ナレ1「やがて獣は、振り返り振り返りしながら名残惜しそうに去ってい った」
04/12 02:48 コンラッド「変わった動物でしたね」
04/12 02:49 ナタリー「そうね。目鼻耳と両手足が黒で、全体が白という一見熊のよう な動物でした」
04/12 02:50 ナレ1「と聞けばジャイアントパンダ(大熊猫)が想像できるであろうが、 なぜこの世界にいるかは謎である」
04/12 02:51 リリア「さてと……。旅の支度をしなくちゃね」
04/12 02:53 ナレ1「リリアが家の中を探して旅に必要な小物を集めて、ポシェットの ように腰にぶら下げた」
04/12 02:54 リリア「お待たせしました。それでは出発しましょうか」
04/12 02:55 ナタリー「準備は整ったのね。じゃあ、行きましょう」
04/12 02:55 コンラッド「まずはモトス村ですね」
04/12 02:56 ナタリー「そうね。ギルドから請け負った仕事は果たさなくちゃね」
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2019年7月21日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ X

 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ
                 X  カメラが作動して、目の前の様子が映し出された。  ジープの荷台に設置された機銃を一斉掃射している隊長が映っている。 「やるなあ。あの隊長」 「感心している場合かよ。まだ動かせないのかよ。モビルスーツがすぐそこまで迫って いるんだぞ」 「うるせえよ。まだだよ。そっちの武器の方こそ使えねえのかよ」 「今、確認してるさ。何だこりゃ?」 「どうした?」 「残弾数が0だよ。試運転中だったから、弾薬を積んでいないんだよ」 「使えねえなあ……」  目前までモビルスーツが迫っていた。  観念した時、もう一台の新型が体当たりして、モビルスーツを吹き飛ばした。 「すげえ馬力だ」 「これが新型の威力か」 「おっと、やっと動かせるぞ」 「気をつけろよ。こいつパワーがありすぎるからな」 「まかせろって」  しかし足を前に振り上げた時、バランスを崩して倒れてしまう。 「何をやってる。言ったそばからこれだ。早く体勢を立て直せ」 「判ってるよ」  その時、座席の後の方からあくびのような声がした。 「なんだ? 今の声は」 「知るかよ。おまえの後ろから聞こえたようだぞ」  アイクが振り向いて見ると、女の子が眠たそうに目をこすっていた。 「あれ? ここはどこ?」  とぼけた表情で、キョロキョロと見回していたが、 「ありゃりゃ、アイクとジャンじゃない。こんなところで何してるの?」  自分の置かれている状況に、まだ気がついていない。 「サリー。おめえこそ、何してたんだよ」 「何してたと言われても……」  サリーと呼ばれた女の子は、左手人差し指をこめかみに当て、首を傾げながら、 「グラウンド十週し終えて、モビルスーツ内に忘れ物したこと思い出して、コクピット に入ったはいいけど、そのまま寝ちゃったみたい。  と言って、ぺろりと舌を出した。 「コクピットに戻ってだと? おまえの乗っているの新型だぞ。どこをどう間違えれば、 自分の練習機と新型を間違えるんだよ」 「へえ? これ新型なの?」 「聞いてねえし……」  呆れた表情のアイクとジャン。  機器が鳴り出した。 「無線よ。出てみて」 「うるさいなあ……」  無線機のスイッチを入れると、スクリーンに現れたのは、特殊部隊のテントで首根っ こ掴まえられた、あの屈強な兵士だった。 「あー! おまえは、あん時の!」 「おまえら、そこで何をしている。ギルバートはどうした?」 「こいつに乗る予定だった奴は死んじまったぜ」 「おまえらがやったのか?」 「冗談じゃねえ。警備兵に撃たれたんだよ。そいつの代わりに乗ってやってるんだ」 「ちょっと待てよ……」  ジャンが何事かを考えていたが、思い出したように、 「死んだ奴がギルバートってことは、おっさん……ハイネか?」 「そうだ!」  憮然として答えるハイネ。
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2019年7月20日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 XI

第三章 第三皇女
                 XI  物語に戻ることにする。  インヴィンシブルの艦橋。  貴賓席に腰を降ろしているジュリエッタ皇女と、その両脇に直立不動の姿勢で立って いるネルソン提督とアレックス。  艦橋オペレーターは、アレックスの方をチラチラと訝しげに垣間見ている。 「まもなく、アルビエール候国領内に入ります」 「ここから先は、自治領を侵犯してゆくことになります」  オペレーターの報告に対して説明するネルソン提督。 「いつ、どこから攻撃を受けるか判らないということですね」 「はい、その通りです。マーガレット様の艦隊は航空母艦を主体とした艦隊編成ですの で、まずは戦闘機の大編隊が襲い掛かってきます」  ジュリエッタの質問に詳しい解説を加えるネルソン提督。 「マーガレット皇女様の旗艦は、攻撃空母アークロイヤルでしたね?」  確認を求めるアレックスにネルソン提督が答える。 「はい。舷側に皇家の紋章が配色されているので、すぐに判ります」 「ありがとう」  頷きながら正面スクリーンに敵編隊を探し求めるような表情を見せるアレックスだっ た。 「ランドール提督宛て、ヘルハウンドより入電しています」  艦内の緊迫感を一気に高める声だった。  アレックスは冷静に対応する。 「繋いでください」  正面スクリーンにポップアップ画面でヘルハウンド艦長が映し出された。 「P-300VXが敵艦隊を捉えました」 「よし。索敵を続行。マーガレット皇女の旗艦空母アークロイヤルを探せ! それとド ルフィン号をこちらに回してくれ。今からそちらへ行く」 「了解!」  艦長の映像が途切れて、元の深遠の宇宙空間が広がる映像に戻った。  アレックスはジュリエッタに向き直って、先程の交信内容を実行することを伝えた。 「これより我がサラマンダー艦隊は、マーガレット皇女様を保護するために、皇女艦隊 への突撃を敢行いたします」 「たった二百隻で大丈夫ですか?」  心配そうに尋ねるジュリエッタに微笑みながら答えるアレックスだった。 「六十万隻を相手にするのではなく、目標のアークロイヤル一隻のみですので大丈夫で すよ。ジュリエッタ様は、作戦通り援護射撃に専念してください」  ヘルハウンドに戻ったアレックスは、早速サラマンダー艦隊に進撃を命じた。 「機関出力三分の二、加速三十パーセント。マーガレット皇女艦隊に向けて進撃開始」  速度を上げてジュリエッタ艦隊を引き離すように先行してゆくサラマンダー艦隊。 「まさか、このヘルハウンドで、たて続けに戦闘をするなどとは思わなかったな」  愚痴ともとれる言葉に、艦長が笑いながら答えた。 「いいじゃありませんか。我が艦隊の乗員達も提督を指揮官に迎えて、みんな張り切っ ているのですから」  艦長に呼応するかのように、オペレーター達が立ち上がって答える。 「艦長のおっしゃるとおりです」 「かつての独立遊撃艦隊の復活です」 「提督となら地獄の果てまでもご一緒しますよ」 「おいおい。地獄はないだろう。天国にしてくれ」  笑いの渦が沸き起こった。  本来なら笑っていられる状態ではなかった。六十万隻もの大艦隊がひしめく中に飛び 込んで、皇女艦に取り付いて、白兵戦でマーガレット皇女を保護しようというのだから。 まさしく命がけの戦いで、地獄の果てまでという言葉が出たのもそのせいなのだ。  しかし、サラマンダー艦隊に集う士官達に迷いはない。提督と共になら、火中に栗を 拾いに行くこともいとわないのである。  まさしくミッドウェイ宙域会戦の再来ともいうべき作戦が開始されようとしていた。 ポチッとよろしく!
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2019年7月19日 (金)

妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の拾壱

陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪

其の拾壱 事件ファイル  台所。  父親が喪服を脱いで食卓上に投げ捨て、ネクタイをグイと下に引きずりおろして、椅 子の背に頭をもたげるようにして疲れたようにだらしなく座っている。  食卓の上には、葬儀屋が手配したのであろう家族用の食事が並べられている。  そこへ美咲が入ってくる。  すでに喪服から普段着に着替えて、外出していたようである。 「お帰り、食事しないか」  それには答えず、無言で二階の自室への階段を昇る美咲。  母親を亡くした気持ちを察して、それ以上は追及しない父親。  二階に上がり、自室に入る美咲。  その足元には、黒ずんだ血液の塊がこびり付いたままとなっている。  仮に拭き取ったとしても、ルミノール反応が明確に現れるだろう。  日頃から、許可なく入室禁止と固く約束させていた。  ましてや男性である父親が入ってくることはなかった。  母親がたまに許可を得て入ってくるだけである。  血痕に目をくれることなく、机に向かう美咲。  その上には、怪しく輝く胞衣壺が鎮座している。  数時間後、玄関から無表情で姿を現す美咲。  その右手には、キラリと怪しく輝く刀子を握りしめていた。  公立図書館。  パソコン閲覧室で過去の新聞を調べている蘭子。  各新聞社ともデータベース化されているが、朝日新聞の【聞蔵IIビジュアル】を開き、 利用規約などに同意した後、ログインする。  何かと朝鮮日報(韓国の新聞社)日本支部と叩かれるほど、日本国と日本人を侮辱し 朝鮮寄りの報道姿勢を取っている新聞社。  それが証拠に、激しい旭日旗叩きをしている韓国人でも、旭日旗模様の朝日社旗だけ は何故かスルーしている。  それはともかく、調査だ。  明治12年(1879)から~平成11年(1999)までの紙面イメージを、日付・見出し・キー ワード等で検索可(号外・広告含む)  昭和60年(1985)以降の記事を収録し全文検索可能。  まずは、定番の住所・氏名などから、事件の手がかりを探る。  タッチペンで画面をクリックしながら、記事を検索する。 「あった!」  そこには、かの旧民家の写真とともに、事件の内容が記述されていた。
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2019年7月18日 (木)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 27

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 27
04/07 02:47 ナレ1「人面樹は相変わらず呪いの言葉をつぶやいている」
04/07 02:47 ナタリー「呪いの言葉しか知らないの?」
04/07 02:48 コンラッド「森の中で魔物に襲われたり行き倒れたりした人々の怨念がこ もっていますからね」
04/07 02:50 ナタリー「きりがないわ。さっさと森を抜けましょう」
04/07 02:51 ナレ1「果てしなく人面樹が襲い掛かり、呪いの言葉をつぶやき続ける」
04/07 02:52 ナレ2「目の前から明るい光が射してきた」
04/07 02:53 リリア「森の外に抜けられるわ!」
04/07 02:53 ナレ1「一同、一目散に駆け出し、やっとこさ森を抜けることに成功し た」
04/07 23:04 ナレ2「と突然、人面樹が現れた」
04/07 23:04 ナタリー「ちょっと、何よ。森はもう抜けたのよ」
04/07 23:05 コンラッド「このあたりは、まだ森の影響下にあるということでしょう」
04/08 03:00 ナタリー「うっとうしいわね。逃げるわよ」
04/08 03:01 リリア「逃げるんですか?」
04/08 03:02 ナタリー「いちいち戦っていたら体力も精神力も消耗しちゃうわよ」
04/08 03:02 コンラッド「その通りです」
04/08 03:43 ナレ1「一目散に逃げ出す一行」
04/08 03:45 ナタリー「ここまで逃げればもう大丈夫でしょう」
04/08 03:46 ナレ1「振り返れば遠くに通ってきた森が見える」
04/09 02:20 コンラッド「ごらんなさい。村が見えますよ」
04/09 02:21 ナタリー「ほんとうだ。どこの村かしら」
04/09 02:21 リリア「ニーチェ村です(小さな声で)」
04/09 02:21 ナタリー「ニーチェ村? あなたのいた村ね」
04/09 02:22 リリア「はい……」
04/09 02:23 ナタリー「故郷に戻れたと言うのに嬉しくなさそうね」
04/09 02:24 リリア「この姿では、故郷に戻れても誰もあたしがリリアだと気が付かな いわ」
04/09 02:25 ナタリー「そ、そりゃそうね。どうする? 立ち寄る?」
04/09 02:25 リリア「ええ……。自分の家に寄って最低限必要なものを持ち出します」
04/09 02:26 コンラッド「泥棒だと思われませんか?」
04/09 02:27 リリア「あまり人の立ち寄らない村はずれにありますから大丈夫だと思い ます」
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2019年7月17日 (水)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 26

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 26
04/06 01:56 ナレ1「というわけで、途中モトス村に立ち寄りながら、フェリス王国へ と旅立つ一行であった」
04/06 02:03 ナレ2「カタリ村を一歩出ればそこは険しい山道。魔物も襲い掛かってく る」
04/06 03:25 ナレ1「人面樹が3匹現れた」
04/06 03:26 ナタリー「出たわよ。リリアは後ろに下がって」
04/06 03:32 コンラッド「これでどうだ!」
04/06 03:33 ナレ1「すばやく剣を抜くと先頭にいる人面樹に切りかかる」
04/06 03:33 ナレ2「人面樹Aに300Pのダメージ。人面樹Aを倒した」
04/06 03:34 ナタリー「さすが、騎士さんね(といいつつ呪文を唱える)」
04/06 03:37 ナレ1「バギクロスが炸裂。人面樹B・Cに200Pのダメージ」
04/06 03:38 ナレ2「人面樹Bはマホトーンを唱えた。ナタリーは呪文を封じられた」
04/06 03:42 ナタリー「呪文を封じられたわ。呪文を使うほどの相手でもなし」
04/06 03:43 ナレ1「人面樹Cは呪いの言葉をつぶやいた。リリアが呪われた」
04/06 03:49 リリア「なになに?」
04/06 03:53 コンラッド「呪文だけでは勝てませんよ。(人面樹B・Cに連続攻撃)」
04/06 03:53 ナレ1「モンスターを全滅させた」
04/06 03:54 ナレ2「チャリラリラーン。どこからともなく聞こえる音色」
04/06 03:55 ナレ1「リリアはレベルアップした。HPが10Pアップした。MPが… …(以下略)」
04/07 01:51 リリア「なにこの声は?」
04/07 01:52 ナタリー「ああ、気にしなくていいわ。レベルアップすると神様が祝福し てくれるのよ」
04/07 01:52 リリア「神様の祝福?」
04/07 02:29 ナタリー「まあ、この世界の習い事の一つよ」
04/07 02:29 リリア「はあ、良く判りませんが、理解することにします」
04/07 02:30 ナタリー「そうして頂戴。いちいち気にしていたら世渡りはできないの」
04/07 02:31 ナレ1「と言っているそばから人面樹が現れた」
04/07 02:35 ナレ2「人面樹は呪いの言葉をつぶやいた」
04/07 02:35 ナレ1「一同、呪いを跳ね返した」
04/07 02:42 コンラッド「よいしょ、っと(素早く剣を抜くと一撃で倒した)」
04/07 02:42 ナタリー「さすがね」
04/07 02:43 ナレ1「再び人面樹が現れ、呪いの言葉をつぶやいた」
04/07 02:44 ナタリー「こんどはあたしね。(というと素早く呪文を唱える)」
04/07 02:45 ナレ1「人面樹を倒したが、さらに人面樹が襲いかかる」
04/07 02:46 ナタリー「なによ! さっきから人面樹ばっかり」
04/07 02:46 リリア「森の中だから?」
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2019年7月16日 (火)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 25

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 25 03/31 03:39 リリア「そもそも、あたしをこんな身体にしたのは、ナタリーさんです。 その責任は取らないといけないと思います」
03/31 03:40 ナタリー「責任を取る?」
03/31 03:41 リリア「こんな身体になるくらいなら、魂のまま彷徨っていたほうがよか ったです」
03/31 03:41 ナタリー「よく言うわね」
03/31 03:42 コンラッド「あはは(と笑いながら)いいじゃないですか。一緒に旅をし ましょう。リリアさんは私が責任を持って守りますよ」
03/31 03:43 リリア「あ、ありがとうございます。そうしていただけると助かります」
04/01 02:48 ナタリー「それはいいんだけど……。体力はともかくその他のステータス が問題なのよね」
04/01 09:48 コンラッド「何か問題があるのですか?」
04/01 09:48 ナタリー「これが、大ありなのよね」
04/02 23:53 リリア「どういうことですか?」
04/03 23:25 ナタリー「HP以外の攻撃力・守備力・素早さなどが全部(1)でね、レ ベルアップしてもステータスはほとんど上がらないという男だったのよ」
04/03 23:34 コンラッド「めずらしいですね。ほんとうですか?」
04/03 23:37 ナタリー「もういちど見てみるわ」
04/03 23:43 ナレ1「といつつ、ステータス表示の呪文を唱えるナタリー」
04/05 03:16 ナタリー「あれ? おかしいな……」
04/05 03:16 コンラッド「どうしました?」
04/05 03:17 ナタリー「ステータスが変わってる」
04/05 03:17 リリア「どういう具合にですか?」
04/05 03:18 ナタリー「ごく普通のというか……レベル1に戻っているんだけど、これ は戦士クラスの初期値になってる」
04/05 03:20 コンラッド「戦士クラスですか。だとしたら、旅も大丈夫ですね」
04/05 03:22 ナタリー「まあ、しばらくは経験値稼ぎが必要だろうけどね」
04/05 03:22 リリア「あたしが戦士ですか? いやだなあ……」
04/05 03:23 ナタリー「なっちまったものはしようがないでしょ。そろそろ出発しまし ょうか」
04/05 03:24 司祭「おや、出発ですか?」
04/05 03:24 ナレ1「と、司祭が登場する。言い忘れていたが、一同は教会前に集合し ていたのである。」
04/05 03:26 ナレ2「何せ思いつくままに書いているので、ストーリーの展開が良く見 えないのだ」
04/05 03:28 ナタリー「司祭様。おせわになりました」
04/05 03:29 司祭「ふむ。フェリス王国へ行くのなら、ちょっと頼みごとをしたいので すが」
04/05 03:30 ナタリー「頼みごと?」
04/05 03:31 司祭「実は、この信書をフェリス王国大神官様に届けてほしいのです」
04/05 03:32 コンラッド「フェリス王国の大神官というとモントゴメリー様ですね」
04/05 03:35 司祭「その通りです。よくご存知ですね」
04/05 03:35 コンラッド「フェリス王国には行った事がありますから」
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2019年7月15日 (月)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 24

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 24 03/28 23:21 ナタリー「フェリス王国へ行ってみましょう」
03/28 23:22 リリア「大神官様にお聞きするのですね」
03/28 23:24 ナタリー「そうよ。今請け負っている仕事先のモトス村も途中にあるし、 丁度いいわ」
03/28 23:24 騎士「仕事中だったのですか?」
03/28 23:26 ナタリー「こいつ……じゃなかった。元の勇者の請負だったけど、関わっ ている以上投げ出すわけにはいかないから」
03/28 23:30 ナレ1「自分が一方的に勇者に押し付けた仕事だったことはすっかり忘れ ているナタリーであった」
03/28 23:39 リリア「早速、フェリス王国へ向かいましょう」
03/28 23:40 騎士「いや、もうすぐ夜がふける。山道を夜中に通るのは非常に危険です。 明朝にしましょう」
03/28 23:41 ナタリー「そうね。なじみの宿屋を知っているから、そこに泊まりましょ う」
03/29 23:48 騎士「それは良かった。今夜はゆっくり休んで明日からの旅に備えましょ う」
03/30 02:58 ナレ1「というわけで、夜が明けて出発の朝となる」
03/30 03:01 ナタリー「騎士さんが、旅に一緒について来てくれるなんて、大助かりだ わ」
03/30 03:02 騎士「ご婦人をお守りするのがナイトの務めですから」
03/30 03:02 リリア「ところで、騎士さんのお名前を伺っていいですか?」
03/30 03:05 コンラッド「これは失礼しました。まだ名乗っていなかったですね。コン ラッドと申します」
03/30 03:06 ナタリー「コンラッドさんか……。いい名前だわ」
03/30 03:08 リリア「よい響きがします」
03/30 03:09 コンラッド「ほめてくださってありがとうございます。自分でも気に入っ ているんです」
03/30 23:46 ナタリー「勇者という名前の変な奴もいたが(と、リリアをじっと見つめ る)」  」
03/31 03:23 リリア「な、なんですか?(恥ずかしそうに)」
03/31 03:24 ナタリー「そういえば、あなた花売りと言っていたわね」
03/31 03:25 リリア「はい、そうですが」
03/31 03:25 ナタリー「つまり、冒険の旅に出たことがない?」
03/31 03:25 リリア「はい」
03/31 03:26 ナタリー「魔物と戦ったこともない?」
03/31 03:26 リリア「その通りです」
03/31 03:27 ナタリー「……で、フェリス王国へ行こうと?」
03/31 03:27 リリア「いけませんか?」
03/31 03:30 ナタリー「天然ボケが入っているわね……」
03/31 03:30 リリア「はあ……?」
03/31 03:32 ナタリー「いいこと? 村の外に出れば魔物が襲ってくるのよ。それくら いは判るわね?」
03/31 03:37 リリア「当然ですね」
03/31 03:37 ナタリー「あなた、戦えるの?」
03/31 03:38 リリア「戦えませんが、ナタリーさんが守ってくださると思ってます」
03/31 03:38 ナタリー「あのねえ……」
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2019年7月14日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ XI

 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ
                 XI  夕闇に暮れるバルモア基地を格納庫へと突っ走っている特殊工作部隊。  警備兵の姿が見られないのは、ミネルバ迎撃のために海岸へと応援に借り出されてい るせいだろう。  格納庫の扉を開けて潜入するが、 「何者だ!」  庫内に残っていた警備兵に発見される。  銃撃戦が開始され、わらわらと待機所から警備兵が飛び出してくる。  そんな中、遅れてやってきた二つの影があった。  アイクとジャンの二人であった。監視がいなくなったのを機に、どうにかしてロープ を解いて、後を追ってきたのであろう。  と、目の前にシャーリー隊長が、コンテナの影に身を隠しながら、銃撃戦を繰り広げ ている場面に遭遇した。 「やあ、こんばんは」  気楽に声を掛けるアイク。 「お、おまえ達!」  目を丸くしているシャーリー隊長。 「どうやって解いた?」 「いやね、こいつは縄抜けの名人でね」 「そんな事はどうでもいい。宿舎に戻って寝てろ!」 「ここまで来て、それはないでしょう。手伝いますよ」 「そうそう。あの新型モビルスーツを奪取するんですよね」  ちょこっとコンテナの影から顔を出して、庫内に据えられているモビルスーツを見上 げるジャン。 「危ない!」  シャーリーが首根っこ掴んで引き戻す。銃弾が顔を出していた辺りに着弾する。間一 髪のところであった。 「ひえええ! 危ないなあ」  格納庫のシャッターがゆっくりと開き始めた。 「まずい。奴ら、モビルスーツを駆り出してきた」  膠着状態を打破するために、モビルスーツを使って強制排除するつもりのようだ。 「ハイネ! ギルバート! モビルスーツに乗り移れ、援護する」  そう叫ぶと、コンテナの影から飛び出して、銃を乱射しながら庫内にあったジープに 向かって一目散に駆けていく。そしてその背後に隠れる。  その間にも、名前を呼ばれた二人がモビルスーツに乗り移ろうとしていた。  一人は乗り込みに成功するが、一人はコクピットに乗り込む寸前に銃撃に倒れて、コ ンクリートの床に落下した。  恐る恐る倒れた兵士に近寄るアイクとジャン。  兵士は虫の息だった。  そして震える手で、持っていたディスクを二人に差し出しながら、 「こ、これを……たのむ」  そう言い残して事切れた。  ディスクを手渡された二人は、しばし見つめ合っていたが、 「これ起動ディスクだろ?」 「たぶんな」  モビルスーツを見上げ、やおら登りはじめた。  そして無事にコクピットに潜り込むのに成功する。 「へえ、うまい具合に複座だぜ」 「うん。俺の方が操縦担当だな」 「こっちは機関担当ってところだ」 「ええと、ディスクの挿入口は……。あった。ここだ」  起動ディスクを差し入れると、計器類が一斉に点灯し、ディスクを読み込みはじめた。 次々と計器類を操作して、起動の準備を進めていく二人。 ポチッとよろしく!
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2019年7月13日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 X

第三章 第三皇女
                  X  ここで現在の皇家についても語ってみよう。  崩御した前皇帝の子供達と兄弟についてである。  第一子は、長女のエリザベス王女。第二子は双子で、長男のアレクサンダー王子と次 女のマーガレット王女。この後アレクサンダー王子が誘拐される際に皇后は逝去された。 二人目の皇后も第三子の三女ジュリエッタ王女を産んだが、第四子と第五子は夭折し、 皇后も逝去された。そして、三人目の皇后が第六子のマリアンヌ王女を産んだ直後に、 皇帝は崩御されたのである。  一人の王子と四人の王女が誕生したわけだが、皇帝の崩御を持って王子と王女は、そ れぞれ皇子と皇女と呼び習わすのが慣例となっている。皇位継承が発生するからである。  エリザベス皇女は、ウェセックス公国ロベスピエール公と結婚。  マーガレット皇女は、皇母の祖国アルビエール候国の叔父の元に身を寄せて、内乱を 策謀している。  ジュリエッタ皇女も、皇母の祖国エセックス候国の伯父の元で、アルビエール候国や 共和国同盟に目を光らせている。  マリアンヌ皇女は、幼くて今まだ本星で遊んで暮らしている。  皇位継承の順位には、男子に優先権が与えられており、皇帝→直系尊属男子→兄弟→ 直系尊属女子という順序となっている。ただし兄弟で自治領主となっている者は、その 子供に順位を譲るのが慣例となっている。ロベール王子が、皇太子に推されたのもその 理由による。  最後に、アレクサンダー王子の行方不明となった経緯を簡単に説明しよう。  アレクサンダー王子は、アルビエール候国ハロルド侯爵の長女マチルダ候女を母とし て生まれ、双子のマーガレット王女と共にハロルド侯爵の元で育てられた。皇后が故郷 での出産と育児をすることは良くある風習である。アレクサンダー王子は典型的なエメ ラルド・アイを持っていたが、同じ瞳を持つ皇帝とハロルド侯爵の虹彩緑化遺伝子を受 け継いだものである。血縁関係にある家系同士の婚姻がゆえのエメラルド・アイと言え よう。それだけに皇家の血統を色濃く反映しているのである。  やがて皇后の出産後の静養も終わって、皇帝の待つ首都星へと戻る日がやってくる。  皇位継承権第一位を持つ王子の帰還ということもあって、厳重な警戒が敷かれて移動 が行われたが、その警戒網を破って突撃強襲艦を主体とする国籍不明の海賊艦隊が突如 として出現して、王子の乗る船ごと強奪され誘拐されてしまったのである。同時に皇后 が王子の首に掛けていたとされる【皇位継承の証】も戻らなかった。  その後、バーナード星系連邦が、アレクサンダー王子を保護していることを匂わせて、 食料一千万トンの無償援助と鉱物資源五十万トンの供給などの要求を突きつけてきたが、 いつしか立ち消えとなってしまった。海賊に偽装して船ごと誘拐したものの、何らかの 原因によって王子を手元から失ったものと考えられている。  王子誘拐に関しては、数多くの謎があった。  王子移送の日時とコースを、海賊がどうして知っていたのか?  帝国内に手引きする者がいたのかも知れないが、それは誰か?  王子が行方不明となり消息が完全に絶たれたのはどうしてか?  今なお出てこない【皇位継承の証】の行方は?  など未解決のまま二十余年が経過してしまったのである。
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2019年7月12日 (金)

妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の拾

陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪

其の拾 公園  ゆっくりと周囲を見渡す蘭子。  公園の入り口付近には外灯があるが、夜間にはここまでは届かず薄暗いだろうと思わ れる。  外灯の届かない公園の片隅に、何の用で立ち寄ったのだろうか?  トイレは入り口付近にあるし、公園の奥まった場所で帰宅の近道にもならない。  疑問が沸き上がる。 「殺害現場はここで間違いないのですか?」 「いや、はっきりしていない」 「といいますと?」 「発見場所はここなのだが、それにしては流れ出ている血液の状態がおかしいのだよ」 「別の所で殺害されて、ここへ運び込まれた?」 「その通り。流血状態と血液凝固の状態から、殺人現場がここではないということを示 している。傷口の状態を見ると、ここで殺害されたならもっと広範囲に血液が飛び散る はずだし、流れ出た血液の地面への浸透具合もおかしい」 「実際の殺害現場を探さなければというところですか」 「その通りだ」 「遺体を動かさなければならなかったのは、その場所が犯人を特定する重要な証拠とな るからですね。例えば、犯人か被害者の自室だったなど」 「うむ、その線は濃厚かもしれないな」 「課長。この事件には、消えた胞衣壺が深く関わっていると思うんです」 「ふむ、またぞろ怨霊とか?」 「そうとしか考えられません」 「で、何か方策とあるのかね」 「解体された旧家ですが、その家族の消息とか、胞衣壺が埋められて以降に何か事件が 起きていなかったどうかとか」 「埋められて以降かね。そもそもここら辺一帯は、太平洋戦争時の大空襲で焼野原にな っているから、戦後復興以降だよな」 「空襲時に、掘り返して持ち出したということもあります」 「何故そう思う?」 「胞衣壺の風習は戦前までで、戦後はほとんど行われていません。胞衣壺に関わる人物 背景を知る必要があります」 「なるほど、調べてみるよ」 「お願いします」  以降のことを確認しあって、分かれる二人だった。  その夜、神田家の門前に佇む蘭子。  美咲に会って話してみたいと思ったのだが……。  その窓は暗いままで、中の様子は静かだった。  葬式の直後に訪問するのは、流石に躊躇われる。  哀しみにくれる親子の心情を思えば。  心苦しくも神田家を立ち去る蘭子。
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2019年7月11日 (木)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 23

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 23
03/27 00:25 司祭「なるほど……。良く判りました」
03/27 00:43 ナタリー「司祭様。何か良い手立てはありませんか?」
03/27 00:44 司祭「そうですねえ……(と、腕組みをして考え込む)」
03/27 00:45 ナレ1「司祭に視線を合わせる一同」
03/27 00:46 ナレ2「しばし、重苦しい雰囲気」
03/27 01:31 司祭「ないことはないですが……(思わせぶりに)」
03/27 01:43 リリア「ほんとうですか?教えてください!(身を乗り出す)」
03/27 01:44 ナタリー「司祭様。それって、まさか?」
03/27 01:44 司祭「そうです。禁断の魔道書に記されているという」
03/27 01:45 ナタリー「人体練成ですね」
03/27 01:46 リリア「人体練成?」
03/27 01:47 騎士「禁断の魔道書……。私も、内容は知りませんが、噂だけは聞いたこ とがありますよ」
03/28 01:48 リリア「その魔道書はどこにあるのですか?」
03/28 01:49 司祭「聞いてどうするのかね?」
03/28 02:00 リリア「女の子の身体に戻りたいんです。人体練成ができればかないま す」
03/28 03:02 司祭「その気持ち判らないでもないが、人体練成を行うことは禁じられて いる。だからこその禁断の魔道書なのです」
03/28 03:05 ナタリー「そうよねえ。簡単に男が女に女が男になったりしたら、役場の 人が困るわね」
03/28 03:05 騎士「そういう問題でもないと思いますが……」
03/28 03:08 ナタリー「そもそも、禁断の魔道書の在り処でさえ誰も知らないのよ。噂 だけ」
03/28 03:08 リリア「誰も知らないのですか?」
03/28 03:09 ナタリー「そうなのよ。だから本当に存在するかも疑わしいの」
03/28 03:10 騎士「しかし、火のない所に煙は立たずといいますからね」
03/28 03:17 ナタリー「司祭様。何か手がかりになりそうなことはご存じないです か?」
03/28 03:19 司祭「そうですね……(しばし考える)クアール最高導師様なら、何か知 っておられるかもしれないですね」
03/28 03:21 リリア「クアール最高導師様?」
03/28 03:28 ナタリー「久しぶりに聞く名前だわ」
03/28 03:29 騎士「ご存知なのですか?」
03/28 03:32 ナタリー「噂だけよ。すべての魔法を習得した魔導師中の魔導師。何でも 500年くらいは生きているらしくて神に近い存在らしいわ」
03/28 03:35 リリア「すごいですね」
03/28 03:36 ナタリー「今は現役を引退して森の中でひっそりと暮らしているとか」
03/28 03:38 騎士「どこの森とかは判らないのですか?」
03/28 03:51 司祭「誰も知らないということです。ただ、引退直前まで仕えていたフェ リス王国の大神官様なら、行方をご存知かも知れない」
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2019年7月10日 (水)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 22

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 22

 

 

03/24 02:55 勇者「あたしはリリア。ニーチェ村の花売りよ」

03/24 02:56 ナタリー「リリア……。女の子?」

03/24 03:15 リリア「そうよ。それがこんな身体……男の子……」

03/24 03:20 騎士「失敗のようですね。どうやら勇者の魂ではなく」

03/24 03:22 ナタリー「リリアの魂が入り込んでしまったのね」

03/24 03:23 リリア「あたし、花畑で花を摘んでいる時に、魔物に襲われたの。それか
ら……」

03/24 03:24 騎士「気が付いたらここにいて、身体が入れ替わってしまっていたと」

03/24 03:35 ナタリー「どうやら魔物に襲われて命を失って、魂がさまよっている時に、
ちょうど蘇生術を行っている現場に出くわして、そのまま転生しちゃったというわけ
ね」

03/25 02:26 騎士「それでは元の勇者の魂はどこに行ったのでしょうか?」

03/25 02:27 ナタリー「究極の遊び人だからね。魂になっても、あっちフラフラこっち
フラフラと、女をあさって彷徨っているのよ」

03/25 02:32 リリア「どうでもいいですけど、元に戻していただけませんか?」

03/25 02:34 ナタリー「そうは言ってもねえ……。魔物に襲われたというのなら、たぶ
ん身体は食べられてしまっているでしょうね」

03/25 02:36 騎士「元に戻るべき身体がないというわけですね」

03/25 02:36 リリア「そんな……ひどいわ」

03/26 03:29 ナタリー「しかたがないわね。このままその格好で生きるしかないでし
ょ」

03/26 03:30 リリア「い、いやです。男なんて大嫌いです」

03/26 03:31 ナタリー「といっても、なっちまったもんはしようがないわ」

03/26 03:31 リリア「お願いです。女の子に戻してください」

03/26 03:32 騎士「戻る方法はないんですか?」

03/26 03:33 ナタリー「元の身体がないのにできるわけがないでしょ」

03/26 03:33 リリア「いっそ、殺してください」

03/26 03:34 ナタリー「とは言ってもねえ……」

03/26 03:41 ナレ1「見詰め合う騎士とナタリー」

03/26 03:43 ナレ2「祭殿の中に重苦しい雰囲気が流れる」

03/26 03:44 司祭「おや、蘇生に成功されたのですね(入場してくる)」

03/26 03:46 ナタリー「司祭様、実は……」

03/26 03:46 ナレ1「事の一部始終を説明するナタリー」

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2019年7月 9日 (火)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 21

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 21 03/15 22:36 ナタリー「お久しぶりです。司祭様」
03/15 22:42 司祭「元気にしておったか、何よりじゃな」
03/15 22:43 ナタリー「早速ですが、祭殿をお借りしたいのですが」
03/15 22:44 司祭「ほう……。そこの亡くなられておられるお方を蘇生させるのじゃ な」
03/15 23:31 ナタリー「はい。大切な仲間ですので」
03/15 23:33 司祭「よろしい。使いなさい」
03/15 23:33 ナタリー「ありがとうございます」
03/15 23:37 ナレ1「二人は教会内に入り祭殿に勇者の亡骸を横たえた」
03/15 23:40 騎士「わさわざ教会に運ばなくても、その場で蘇生できなかったのです か?」
03/15 23:54 ナタリー「司祭様のような高級神官ならできるけど、あたしのような普通 の僧正程度では無理」
03/15 23:57 騎士「レベルの問題というわけですか」
03/17 03:32 ナタリー「レベルというよりも、野外には魔物や怨霊が徘徊して、気を乱 す雑念の要素があふれているからね」
03/17 03:33 騎士「蘇生術には精神統一できる環境が必要というわけですか」
03/17 03:34 ナタリー「そうね。祭殿には結界が張られて、魔物は近づけないから」
03/17 03:36 騎士「なるほど……」
03/17 03:37 ナタリー「まあ、司祭様くらいになると、結界を張りながら蘇生できるけ ど。あたしは、二つのことを同時にはできないからね」
03/17 03:39 騎士「それで教会ですか」
03/17 13:44 ナタリー「さてと……はじめますか」
03/17 13:45 騎士「雑念が入らないように少し離れて見ています」
03/17 13:45 ナタリー「ありがとう。そうしてくれると助かるわ」
03/17 13:46 ナレ1「祭殿入口付近まで退く騎士であった。」
03/17 13:46 ナレ2「目をつぶり精神集中して詠唱をはじめるナタリー」
03/18 22:45 ナレ1「やがて勇者の身体が輝きだす」
03/21 02:53 騎士「復活の時きたるかな?(つぶやく)」
03/21 02:54 ナタリー「ふうっ(ため息をつく)」
03/21 02:55 騎士「成功ですか?(歩み寄る)」
03/22 03:13 ナタリー「たぶん……しばらく様子をみましょう」
03/22 03:15 ナレ1「勇者は何の変化も見られなかった。本当に蘇生は成功したのだろ うか?」
03/22 03:16 ナレ2「しばらくすると、勇者の手がかすかに動いたように見えた」
03/22 03:22 ナレ1「やがて、むっくりと身体を起こす勇者」
03/22 03:33 騎士「成功しましたね」
03/22 03:33 ナタリー「一応、そうみたいね」
03/22 03:34 ナレ1「キョロキョロとあたりを見回す勇者」
03/23 03:29 ナタリー「気が付いたようね」
03/23 03:37 ナレ1「なおも状況が判らないといった表情の勇者」
03/23 03:40 勇者「ここはどこ?」
03/23 03:40 騎士「カタリ村の教会です」
03/23 03:42 勇者「カタリ村?」
03/23 04:01 ナレ1「横たえられている祭壇から降りようとするが」
03/24 02:42 勇者「なにこれ?」
03/24 02:43 ナレ1「といいつつ、自分の身体のあちこちを触っている」
03/24 02:44 勇者「あたしじゃない! なんでよ?」
03/24 02:44 ナタリー「あたしじゃない……?」
03/24 02:51 勇者「あたしじゃないのよ!」
03/24 02:52 騎士「どういうことですか?」
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2019年7月 8日 (月)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 20

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 20

 

 

09/28 10:28 ナレ1「そして、無事にカタリ村へとたどり着いた」

09/28 10:29 ナタリー「あんた、強いわね」

09/28 10:29 騎士「一応、ナイトの称号を受けてますから」

09/28 10:30 ナタリー「ナイトってそんなに強いんだ」

09/28 10:34 騎士「王立騎士養成学校に4年、修士課程に2年、騎士見習いを3年、み
っちりしごかれましたからね」

09/28 10:39 ナタリー「医師免許取るのとまるで同じね」

10/06 21:03 騎士「医師免許?」

10/06 21:11 ナタリー「薬師と僧侶を合わせたような職業でね。身体を切り刻んだり、
臓物を弄り回したりして、病気とかを治すらしい……とかいう職業」

10/07 17:30 騎士「なんか、怖い話ですね」

10/07 18:18 ナタリー「腕や足がもげても、元通りにくっつけちゃうこともできると
か」

10/13 23:08 騎士「ほう……。それはすごい」

11/05 16:25 ナレ1「村の中央付近に池があり、そばに教会が立っている」

11/05 16:27 ナレ2「教会の周囲には幾人かの村人が集まって談笑している」

11/20 14:34 ナレ1「その中の一人が、ナタリーに気が付く」

11/20 14:34 通行人女「げっ! ナタリーよ!」

11/20 14:36 通行人男「なんだって!?」

03/14 03:24 ナタリー「何だよ。その魔物にでも出会ったような顔は?」

03/14 03:24 通行人男「い、いや。なんでもない(後ずさりする)」

03/14 03:25 騎士「嫌われているみたいですね」

03/14 03:28 ナタリー「まあ……以前、村の集会所をぶち壊したことがあってね」

03/14 03:34 騎士「なるほど……」

03/15 03:06 ナタリー「法術を使ってロウソクに火をつけようとしたら、術が暴走して
しまって……ドカン!  」

03/15 03:09 騎士「で、村の人々に恨まれてしまったというわけですね」

03/15 03:09 ナタリー「まあ、それだけじゃないけどね」

03/15 03:10 騎士「それはともかく、そろそろこの人を何とかしませんか?」

03/15 03:11 ナレ1「といいながら、肩にかついでいる勇者の亡骸を示した」

03/15 03:21 ナタリー「ああ、そうだったわね。教会に運んでちょうだい」

03/15 22:36 ナレ1「教会前には村人から聞きつけたのか、司祭が出迎えていた」

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2019年7月 7日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ VIII

 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ
                VIII  ミネルバが海上で奮戦している頃、丘の上の特殊部隊陣地では作戦決行の準備に余念 がなかった。銃器の手入れ、爆弾の信管のチェック、侵入ルートの再確認などである。 「ミネルバはどうしている?」  隊長が見張りに確認している。  丘の上からは海上がよく見渡せ、守備艦隊と交戦しているミネルバの模様が手に取る ようにわかる。 「だいぶ苦戦しているようです」 「しかしたった一隻でこの基地にやってくるなんて無謀なのではないでしょうかね」 「作戦部の首脳達の考えだろう。ミネルバ一隻で何とかなるとね。何せ最新鋭の機動戦 艦らしいからね」 「下の者は命令されれば、どこへでも行く。たとえ困難な任務と判っていても服従する しかない」  その兵士が言ったことは、ミネルバもそうだが、こんな敵地に潜入している俺達も災 難だという含みを持っていた。 「まもなく作戦時間です」  副隊長が時計を指差しながら注意した。 「よし。起爆装置をセットしろ」  トーチカへ続く山腹に仕掛けた爆弾の無線信管を作動させるための起爆装置が接続さ れる。 「作戦三十秒前です」 「カウント! 十秒前からだ」 「十秒前、九、八、……」  起爆装置に手が掛かる。 「三、二、一」 「爆破!」  起爆装置のスイッチが入れられる。  するとトーチカのある山腹が大音響を立てて崩れ落ちた。 「よし! 突撃開始だ」  特殊部隊が一斉に山肌を駆け下りてゆく。 「キースの班は訓練生を誘導しろ」 「はい」  海上にあるミネルバ。 「艦長! トーチカのある山腹が爆発しました」 「トーチカのエネルギーシールド消失」 「特殊部隊が成功したようね。浮上します。アーレスのセーフティーロック解除、発射 体勢へ」  ゆっくりと海上から浮上をはじめるミネルバ。  海上に落とした影の中に、目標を失った数本の魚雷がさ迷っている。 「まずは右側のトーチカから叩きます。艦を右に六度回して」  艦の真正面にしか発射できないアーレス。照準合わせは艦の方を目標に向けるしかな い。しかし一度発射されれば山の一つや二つは粉々に粉砕してしまう威力を持っている。 「照準合いました」 「アーレス発射!」  一筋の光輝がアーレスを発してトーチカへと向かう。実際には光の速度を持っている レーザーなので一瞬の出来事なのであるが。  トーチカを含む山肌が見事に吹き飛んだ。 「第二射準備。目標、左のトーチカ」 「回頭! 左三十度」 「燃料ペレット再注入」 「レーザー励起開始」 「回頭微調整、左へ三度」  左のトーチカが砲撃してきたが、有効射程距離に入っておらず、射程を延ばすための 山なりの放物線弾道だった。弾丸スピードもかなり低下していて、CIWSで十分迎撃 が可能であった。 「アーレス発射体勢に入りました」 「発射せよ!」  再び原子レーザーが炸裂して、二つ目のトーチカも吹き飛ばした。 「邪魔者はいなくなりました。バルモア基地へ突入します」  ミネルバの基地への総攻撃が開始された。 「第三砲塔は地上基地を直接攻撃、第一砲塔は山肌を攻撃して山崩れを起こしてくださ い」 ポチッとよろしく!
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 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ
                VIII  ミネルバが海上で奮戦している頃、丘の上の特殊部隊陣地では作戦決行の準備に余念 がなかった。銃器の手入れ、爆弾の信管のチェック、侵入ルートの再確認などである。 「ミネルバはどうしている?」  隊長が見張りに確認している。  丘の上からは海上がよく見渡せ、守備艦隊と交戦しているミネルバの模様が手に取る ようにわかる。 「だいぶ苦戦しているようです」 「しかしたった一隻でこの基地にやってくるなんて無謀なのではないでしょうかね」 「作戦部の首脳達の考えだろう。ミネルバ一隻で何とかなるとね。何せ最新鋭の機動戦 艦らしいからね」 「下の者は命令されれば、どこへでも行く。たとえ困難な任務と判っていても服従する しかない」  その兵士が言ったことは、ミネルバもそうだが、こんな敵地に潜入している俺達も災 難だという含みを持っていた。 「まもなく作戦時間です」  副隊長が時計を指差しながら注意した。 「よし。起爆装置をセットしろ」  トーチカへ続く山腹に仕掛けた爆弾の無線信管を作動させるための起爆装置が接続さ れる。 「作戦三十秒前です」 「カウント! 十秒前からだ」 「十秒前、九、八、……」  起爆装置に手が掛かる。 「三、二、一」 「爆破!」  起爆装置のスイッチが入れられる。  するとトーチカのある山腹が大音響を立てて崩れ落ちた。 「よし! 突撃開始だ」  特殊部隊が一斉に山肌を駆け下りてゆく。 「キースの班は訓練生を誘導しろ」 「はい」  海上にあるミネルバ。 「艦長! トーチカのある山腹が爆発しました」 「トーチカのエネルギーシールド消失」 「特殊部隊が成功したようね。浮上します。アーレスのセーフティーロック解除、発射 体勢へ」  ゆっくりと海上から浮上をはじめるミネルバ。  海上に落とした影の中に、目標を失った数本の魚雷がさ迷っている。 「まずは右側のトーチカから叩きます。艦を右に六度回して」  艦の真正面にしか発射できないアーレス。照準合わせは艦の方を目標に向けるしかな い。しかし一度発射されれば山の一つや二つは粉々に粉砕してしまう威力を持っている。 「照準合いました」 「アーレス発射!」  一筋の光輝がアーレスを発してトーチカへと向かう。実際には光の速度を持っている レーザーなので一瞬の出来事なのであるが。  トーチカを含む山肌が見事に吹き飛んだ。 「第二射準備。目標、左のトーチカ」 「回頭! 左三十度」 「燃料ペレット再注入」 「レーザー励起開始」 「回頭微調整、左へ三度」  左のトーチカが砲撃してきたが、有効射程距離に入っておらず、射程を延ばすための 山なりの放物線弾道だった。弾丸スピードもかなり低下していて、CIWSで十分迎撃 が可能であった。 「アーレス発射体勢に入りました」 「発射せよ!」  再び原子レーザーが炸裂して、二つ目のトーチカも吹き飛ばした。 「邪魔者はいなくなりました。バルモア基地へ突入します」  ミネルバの基地への総攻撃が開始された。 「第三砲塔は地上基地を直接攻撃、第一砲塔は山肌を攻撃して山崩れを起こしてくださ い」 ポチッとよろしく!
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2019年7月 6日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 IX

第三章 第三皇女
                 IX 「それでは、一つには私の配下の二百隻ほどの艦艇を、銀河帝国領内での運用を許可頂 き、マーガレット皇女様保護の先遣隊とさせて頂きます。二つ目に、ジュリエッタ皇女 様の艦隊を、私の指揮に委ねて頂きたいのです」  マーガレット皇女を保護するには、その旗艦に急襲接舷して白兵戦で乗り込むしかな い。その白兵部隊を持っているのは、ヘルハウンド以下のサラマンダー艦隊しかなかっ た。また援護射撃としてのジュリエッタ艦隊も必要とされたのである。 「よろしいでしょう。その二つとも許可いたしましょう。ジュリエッタも構いません ね?」 「はい。喜んでランドール提督の指揮に従いましょう」  こうしてアレックスの指揮下で、内乱の首謀者であるマーガレット皇女を保護すると いう作戦が発動されたのである。  連邦軍によるジュリエッタ皇女艦隊への襲撃があったばかりである。事態は急を要し ていると判断したアレックスは、インヴィンシブルでエセックス候国の軍事ステーショ ンに戻り、待機していた配下のサラマンダー艦隊と第三皇女艦隊に対して、アルビエー ル候国への進軍を命令したのである。  歴史上初の国家間を越えた混成軍が動き出した。  ここで銀河帝国の国政についておさらいしてみよう。  まず政治を語る上で忘れてならない暦の制定である。  人類が太陽系を脱出して最初の植民星としたのが、太陽系から5.9光年の距離にある バーナード星系であった。その第三惑星にはじめて植民船が着陸した日をもって、銀河 標準暦元年としたのである。  銀河の自転において、1/2880秒角自転するのに掛かる時間をもって一銀河年とした。 これは地球・太陽暦の一年にほぼ等しく、歴史上の混乱を避けるための方策である。  ○月○日という月日は特に定めていないが、各惑星都市の事情に合わせて独自に制定 するものとした。  そしてもう一つが銀河帝国暦。  ソートガイヤー大公が銀河を統一して銀河帝国樹立を宣言したその日を元年としてい る。一年は銀河標準暦に同じである。  銀河帝国の領土は、皇帝が直接支配する直轄領と、皇家御三家と呼ばれるウェセック ス公国、エセックス候国、アルビエール候国の自治領とで構成されている。  御三家は、第二次銀河大戦後に連邦や同盟との国境防衛のために、皇室の分家を辺境 地域に赴任させたのがきっかけとなって、やがてエセックス候国、アルビエール候国と いう自治領へと発展した。もちろん国境防衛であるから、艦隊の保有も当然として認め られた。また銀河渦状間隙が天然の防衛障壁となっている地域にも、念のためにとウェ セックス公国が自治領を得て、艦隊三十万隻を持って監視の網を広げている。もっとも 銀河間隙の向こう側にあるのは、三大強国には加担せずに、永世中立を訴える自由諸国 連合で、他国を侵略するほどの艦隊も持ち合わせていない。  また直轄領及び自治領内には、委任統治領というものがあって、子爵以下伯爵や男爵 などの高級貴族が任命されて統治に当たっている。ただし世襲制ではないので、統治領 を維持するために皇帝や皇家にご機嫌伺いする必要があった。さらに委任統治領には銀 河帝国への上納金が義務付けられており、民衆から徴収した税金の一定額を、銀河帝国 へ納めなければならない。  この上納金制度は時として悪政をはびこらせる要因ともなっている。民衆からの税金 から上納金を納めた残りが貴族の報酬となるので、上納金をごまかしたり規定以上に税 金を搾り取ったりして私腹を肥やす者が少なくなかった。賄賂の授受が横行し政治の腐 敗を引き起こしている委任統治領もあった。
 ※注 かつてバーナード星系には惑星が存在すると信じられていたが誤りであること が判り、現在まで惑星が存在する証拠は見出されていなかった。 ところがその後、スペインのカタルーニャ宇宙研究所などからなる国際研究チームが 2018年11月14日に再び惑星があることが確認された。しかも、地球の3.2倍以上の質量 のあるスーパー惑星であるらしい。
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2019年7月 5日 (金)

妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の玖

陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪

其の玖 現場百回  神田家の玄関先の両側に立てられた葬儀用花輪。  行き交う人々は黒衣に身を包み、厳かに家の中に入ってゆく。  近場には、井上課長も覆面パトカーの中で待機している。  訪問客に不審な者がいないかチェックしていたのである。  そこへ蘭子が訪れて、井上課長と何事か話し合った後に、葬儀場へと向かう。  今日は同級生としてではなく土御門春代の名代としての出席である。神田家は土御門 神社の氏子だったからである。  受付に一礼してお悔やみの言葉を述べる。 「この度はご愁傷様です」  懐から取り出した袱紗(ふくさ)から香典を出して渡す。  案内係の指示に従って着席する。  棺に近い場所には父親と美咲がおり、重苦しい表情をしている。  やがて住職が入場して、読経がはじまる。  ほぼ出席者が揃ったところで、読経が止まり故人と最も親しかった関係の深い人の弔 辞。  弔辞が終わると再び読経、僧侶が自ら焼香をしたら、喪主・遺族・親戚・そして席次 順に焼香がはじまる。  やがて蘭子の番となり、恭しく前に進んで喪主に軽く挨拶してから焼香をあげる。  美咲は終始俯いたままで、一度も顔を上げない。  焼香が一巡したところで僧侶が退場。  喪主が立ち上がって、最後の挨拶を行って閉会となる。  出席者は別室に移って、遺族たちの故人との最後のお別れが行われる。  それが済むと出棺となる。  一同が玄関先に集まって、棺が霊柩車に納められ、喪主の最後の挨拶。  全員の合掌・黙祷が行われる中、静かに霊柩車と遺族の車は静かに出発する。  見送る蘭子に井上課長が近づいてくる。 「何か変わったようなところはなかったかね」 「いえ、何もありませんでした」 「ふむ……もう一度、現場に行ってみるか」 「そうですね、現場百回と言いますから」  というわけで、神崎美咲の母親の遺体発見現場へとやってきた。  住宅街の一角にある児童公園の片隅、木々の生い茂った場所。  一部に「チョーク・ライン」がうっすらと残っていた。  遺体の周りをチョークで囲うアレである。  しかし実際の現場検証では、チョーク・ラインを引くことはない。  警察などの現場検証が終わった後に、新聞記者などが写真撮影で分かりやすくするた めに書いているのがほとんどである。  被害者の血液なども流れでていた跡がうっすらと残っている。 「ここが遺体発見場所ですか」 「その通りだ」
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2019年7月 4日 (木)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 19

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 19 09/14 04:28 ナレ2「険しい山道に加えて、襲い掛かるモンスターの群れ、そのレベル も半端なものではなかった」
09/14 04:37 ナタリー「そっちへ行ったわよ。気をつけて」
09/14 04:37 勇者「え? どっち?」
09/14 04:38 ナレ1「モンスターが勇者を攻撃した。200Pのダメージ」
09/14 04:38 勇者「ぐえっ!」
09/14 04:39 ナレ2「さらに別のモンスターが襲い掛かる。300Pのダメージ」
09/14 04:40 勇者「な、なんだよ。こいつら……」
09/14 04:40 ナタリー「すばやさがまるで違う。逃げるのよ」
09/14 04:41 勇者「わかった」
09/14 04:41 ナレ1「しかし、囲まれてしまって逃げられない」
09/14 04:42 ナレ2「モンスターの攻撃。勇者に200Pのダメージ」
09/14 04:47 ナタリー「薬草じゃ、とても間に合わない……」
09/14 04:48 ナレ1「なにやら詠唱をはじめるナタリー」
09/14 04:49 ナレ2「勇者のHPが700P回復して全快!」
09/14 04:49 勇者「お、おまえ、今……」
09/14 04:52 ナタリー「よそ見してないで、前!」
09/14 04:53 ナレ1「モンスターの攻撃。勇者に痛恨の一撃! 999Pのダメージ」
09/14 04:53 ナレ2「勇者は死んだ!」
09/17 01:46 ナタリー「ああ、なんてこと! 死んでしまったらHPを回復することも できないじゃない」
09/17 01:46 ナレ1「モンスターの群れは容赦なく襲い掛かってくる」
09/17 01:47 ナタリー「もうっ! しつこいわね。これでどう?」
09/17 01:48 ナレ1「ナタリーがすばやく詠唱すると、あたり一帯に光の渦が沸き起こ った」
09/17 01:49 ナレ2「モンスターは全滅した」
09/17 01:53 ナタリー「さてと……(勇者の遺体を見つめながら)これからどうしまし ょう」
09/17 01:56 騎士「お困りですか?」
09/17 01:57 ナタリー「だれ?」
09/17 01:58 騎士「通りすがりの旅人ですよ。近くを通ったらものすごい閃光があった もので、何事かと近づいてみたのです」
09/17 02:02 ナタリー「ふうん……。見たところ、ナイトのようだけど、困った人がい たら助けるのが仕事のうちよね」
09/17 02:02 騎士「もちろんです。特にご婦人を放ってはおけません」
09/17 02:03 ナタリー「なら、こいつをカタリ村まで運ぶの手伝っていただけないかし ら」
09/17 02:04 騎士「お仲間が亡くなられたのですか……。さぞかし、ご無念でしょう」
09/27 23:26 ナタリー「これでも勇者なのよね」
09/27 23:26 騎士「勇者?」
09/27 23:28 ナタリー「本人は遊び人だとか言ってたし、性根もまさしく遊び人だっ た」
09/27 23:29 騎士「それがなぜ、勇者に?」
09/27 23:30 ナタリー「たぶん、親の七光りじゃないかな。親に強引に勇者にされたみ たいなこと言ってたから」
09/27 23:31 騎士「なるほど、親が勇者だったというわけですかな」
09/27 23:31 ナタリー「たぶんね」
09/27 23:32 騎士「にしても、このまま放って置くわけにはいきませんね。近くの村ま で遺体を運びましょう」
09/27 23:34 ナタリー「カタリ村が一番近いわ」
09/27 23:35 騎士「山腹にある村ですね。いいでしょう」
09/27 23:36 ナレ1「こうして亡骸となった勇者を、騎士が抱きかかえてカタリ村へと 向かうのだった」
09/27 23:48 ナレ2「途中にもモンスターが襲い掛かるが、騎士は難なく倒していっ た」
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2019年7月 3日 (水)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 18

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 18 08/29 16:39 ナレ1「手に手を取り合って、先へ先へと突き進む二人。モンスターのレ ベルも次第にアップしてきて苦労がかさみ始めていた」
08/29 16:40 ナレ2「やがて無事に次の村へとたどり着く二人」
08/29 16:41 ナタリー「ふう……。さすがに疲れるわね」
08/29 16:41 勇者「俺はなんともないが」
08/29 16:42 ナタリー「あんたは特別なの。すぐに体力が回復するんだから」
08/29 16:45 勇者「ここはサニタ村か……城からどれくらいの距離になるんだ?」
08/29 16:50 ナタリー「3000マイラよ。モトス村までの、およそ十分の一の道のりね。 二日で十分の一だから、少し遅れ気味ね。でも無理することはないと思う。今夜はここ に泊まりましょう」
08/29 16:51 勇者「それは賛成だな」
08/29 16:52 ナタリー「ただし先に忠告しておきますけど。借金を30000Gに増やすよ うなことはしないでね」
08/29 16:53 勇者「冷たいお言葉。信用されていないのね」
09/11 00:02 ナタリー「さあ! 出発するわよ」
09/11 00:03 勇者「ちょっと待て! 今寝ようとしたばかりじゃないか」
09/11 00:03 ナタリー「なに、寝言言ってるのよ。とっくに朝になってるのよ」
09/11 00:04 勇者「う、嘘だろ」
09/11 00:05 ナタリー「どうせ、一晩中寝ないで、女あさりしてたんでしょ」
09/11 00:06 勇者「そ、そうなのか……。た、確かに朝日が昇っている」
09/11 00:08 ナタリー「夢遊病の気があるんじゃない? 自分でも気が付かずにふらり ふらりと、さ迷って女を捜し求めていたんでしょ」
09/11 00:08 勇者「それは言えるかも知れない」
09/11 00:09 ナタリー「とにかく出発よ」
09/11 00:09 勇者「へい、へい」
09/11 22:52 ナレ1「納得できないまま、出発する勇者だった」
09/11 22:58 ナタリー「今日の予定を言うわ。タルタル山脈を越えるんだけど、山腹の 途中にあるカタリ村で一泊の予定よ」
09/11 22:59 勇者「山越えするのかよ?」
09/11 23:01 ナタリー「他に道がないから、しようがないじゃない」
09/13 21:44 勇者「キメラの翼を買って使うとか?」
09/13 21:45 ナタリー「忘れたの? 飛行の魔法や飛行船とかは使わないでと言われて たでしょ」
09/13 21:46 勇者「そう言えば、そうだった。地べたを這いずって行くしかないんだ な」
09/14 04:26 ナレ1「カタリ村へ向かって山登りをはじめる二人」
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2019年7月 2日 (火)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 17

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 17

 

 

08/16 08:20 勇者「しようがねえ。当たれば効果はあるだろう」

08/16 08:21 ナレ1「モンスターが三匹現れた!」

08/16 08:22 勇者「ちぇっ。またこいつらか」

08/16 08:29 ナタリー「このあたりを徘徊している雑魚モンスターね。初心冒険者には、
経験値稼ぎにはもってこいよ」

08/16 08:35 勇者「初心ねえ……。へいへい(といいつつモンスターを攻撃した)」

08/16 08:39 ナレ1「モンスターの一匹を倒した」

08/16 08:41 ナレ2「モンスターは逃げ出した。モンスターは樫の棍棒を落としていっ
た」

08/16 08:47 勇者「なんでえ。樫の棍棒を落としていったぞ。つうことは、俺の持って
るこいつもか」

08/16 08:48 ナタリー「そのようね」

08/16 08:57 勇者「なあ、こいつらを倒しまくって、樫の棍棒を集めて売ったら儲かる
かな」

08/16 08:59 ナタリー「無駄よ。雑魚モンスターを倒せばいくらでも手に入るものが、
売り物になるわけないでしょ。骨折り損のくたびれ儲けになるだけよ」

08/16 09:05 勇者「期待はずれだな。樫の棍棒を落とすくらいなら、Gをたっぷり落と
していけってんだよ」

08/16 09:06 ナタリー「雑魚モンスターがそんなにG持ってるわけないでしょ」

08/16 09:08 勇者「そもそも、何でモンスターがGを持ってるんだ?」

08/16 09:10 ナタリー「ぴかぴか輝いて、きれいだからなんじゃない? 金儲けなんて
考えないから、二三個手にしたら満足するんじゃないかしら」

08/16 09:25 勇者「聞いたことがあるぞ。ある鳥の一種のオスが、鮮やかな紺色の物を
集めて巣の周りに散らして、メスの気を引くとかな」

08/16 09:47 ナタリー「意外と博学じゃない」

08/16 09:52 勇者「遊び人として、女を口説く参考になるものなら、どんな情報でも集
めているぞ」

08/16 09:54 ナタリー「感心するんじゃなかった……。あんたの考えの行き着くところ
は、全部そこなのね」

08/16 10:14 勇者「おうよ。遊び人としての王道を極めて、ハーレムを作って何百人と
いう女をはべらしてやるんだ」

08/20 01:48 ナタリー「あんたは勇者でしょうが!」

08/20 01:49 勇者「はっきりいってやろう! 俺にはその自覚がない!!」

08/20 01:51 ナタリー「あんたがどう思っていようが、王様は勇者として認めたのよ」

08/20 01:53 勇者「迷惑だな。勝手に決めるなってんだよ」

08/20 01:56 ナタリー「これ以上、議論しても頭が痛くなるだけ。やめましょう」

08/20 01:56 勇者「それがいい」

08/20 01:58 ナタリー「ともかく……。20000Gは返してもらわなくちゃね。それとギ
ルドとの契約は履行してもらうからね」

08/20 02:00 勇者「ギルドとの契約? なんだっけ?」

08/20 02:01 ナタリー「荷物をモトス村へ届ける依頼よ」

08/20 02:02 勇者「おお! そうだった。きれいな姉ちゃんとの約束なら忘れていない
ぞ」

08/20 02:04 ナタリー「ギルドの契約のことはすっかり忘れていても、女の子との約束
は忘れないのね」

08/20 02:12 勇者「自慢じゃないが、野郎との約束は三歩も歩けば忘れるぞ」

08/20 02:14 ナタリー「もういいわ! そろそろ次の村に行くわよ。いつまでも油を売
っている暇はないんだから」

08/20 02:16 勇者「経験値稼ぎはいいのかよ?」

08/20 02:18 ナタリー「この辺りの雑魚モンスターじゃ、これ以上戦っても経験値は得
られないわよ。もっとレベルの高い奴らと戦わなきゃね。そのためにも次の村へ行くの
よ」

08/29 16:36 勇者「そうか……」

 
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2019年7月 1日 (月)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 16

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 16

 

 

08/05 15:42 ナレ1「引き続いてモンスターが襲ってきた」

08/05 15:43 ナレ2「ナタリーの攻撃! モンスターを倒した」

08/05 15:44 ナレ1「チャラリラリン♪」

08/05 15:45 ナレ2「どこからともなく聞こえる音」

08/05 15:46 勇者「なんだ? この音は?」

08/05 15:47 ナタリー「気にしないでいいわ。レベルアップすると神様が祝福くれてい
るのよ」

08/05 15:48 勇者「レベルアップ?」

08/05 15:49 ナレ1「勇者がレベルアップした。」

08/05 15:51 ナレ2「素早さが1、攻撃力が1、防御力1……。それぞれアップした」

08/05 15:52 勇者「ほう……。ステータスが全部1こずつ上昇しているみたいだ。」

08/05 15:54 ナタリー「1こずつ? せこいわねえ。これじゃあ、まともなステータス
になるのに、どれだけレベルアップを続けなきゃならないの?」

08/05 16:07 勇者「そうか、わかったぞ。逃げないで戦うのは、レベルアップが目的な
のか」

08/05 16:08 ナタリー「今頃気づいたわけ? Gも手に入るからアイテム購入資金にな
るしね」

08/05 16:09 勇者「なるほど……。納得した」

08/05 16:24 ナタリー「納得したなら、オリコレ村周辺で経験値稼ぎするわよ」

08/05 16:25 勇者「経験値稼ぎ?」

08/05 16:26 ナタリー「これからはあなたも戦いに参加してもらうからね」

08/05 16:27 勇者「モンスターに、当たりも触りもしないのにかい?」

08/05 16:29 ナタリー「まぐれ当たりということもあるじゃない。それに戦っていると、
ステータスの上昇率も増えるはずだから」

08/05 16:30 勇者「そういうことか……。まあ、いいや。やってやるよ」

08/05 16:31 ナレ1「というわけで、オリコレ村周辺での経験値稼ぎをはじめる二人だ
った」

08/10 00:04 ナレ2「モンスターが三匹現れた!」

08/10 00:05 勇者「げっ! 三匹かよ」

08/10 00:06 ナレ1「といいつつ、モンスターの一匹をたこなぐりにした」

08/10 00:07 ナタリー「なによ、たこって」

08/10 00:08 勇者「しようがねえだろ。持ってた短剣を売ってしまって、素手で戦うし
かないんだから」

08/10 00:10 ナタリー「あら、そうだったわね。せめて道端にでも落ちている木の棒で
も拾ったら?」

08/10 00:12 勇者「そんな都合の良い棒なんか落ちてるわきゃないだろ」

08/11 01:20 ナタリー「はい、樫の棍棒。そこに落ちてわよ」

08/11 01:21 勇者「まあ、そんなことも……たまにはあるかもな」

08/11 09:30 ナタリー「攻撃補正値が10ね。拾ったにしては、なかなかいいじゃない」

08/11 10:01 勇者「なんだ? 短剣の5よりも攻撃力があるじゃないか」

08/11 10:54 ナタリー「その分重いから、素早さが下がってるわ。-5ポイント」

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