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2019年6月

2019年6月30日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ VII

 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ
                VII  ゆっくりと降下していくミネルバ。 「まもなく海上に着水する。総員、衝撃に備えて何かに捕まれ」  座席のある艦橋オペレーターはともかく、機関部要員などは立ち仕事なので、衝撃に 吹き飛ばされて怪我をしないように、機械の出っ張りにしがみ付いていた。  やがて豪快な水しぶきを上げながら着水するミネルバ。  海面との摩擦力による急激な減速で、乗員達は前のめりになりながらも、なんとか乗 り切ったようだ。 「着水しました」  冷や汗を拭きながら報告するオペレーター。 「全隔壁閉鎖」  艦内のすべての防水隔壁が閉じられていく。  水上戦闘では、喫水線より下部の艦体に損傷を受けて浸水した時に備えて、隔壁を閉 じるのはセオリーである。 「砲術長!」 「はっ!」  呼ばれて立ち上がる砲術長。 「各砲門の戦闘指示は任せる。目標戦闘艦が射程に入り次第、攻撃開始せよ」 「了解。各砲門は自分の判断で戦闘指示を出します。目標戦艦が射程に入り次第攻撃開 始」  命令を復唱して席に戻る砲術長。  数多くの敵艦船に対して、艦長自らが攻撃指令を出していては、全体的な指令が出せ なくなる。細かな指示は、各担当部門の責任者に一任するのは当然である。  早速に戦闘指示を出し始める砲術長。 「135mm速射砲へ、APCR硬芯徹甲弾を装填!」  APCR硬芯徹甲弾とは、軽合金の外郭の中にタングステンカーバイトなどの重金属 の弾芯を使用して侵徹長(貫通力)を高めたものである。全体として比重が軽いので高 初速が得られる。着弾すると外郭の軽合金は潰れて、弾芯のみが装甲を侵徹する。  より貫徹力の強いAPFSDS弾ではなく、こちらを選んだのは連射能力がこちらの 方が高いからである。もちろん値段の関係もあるが……。 「APCR弾、装填完了しました」  やがて速射砲台から応答があって直ぐだった。 「目標戦闘艦が射程に入りました」 「全砲門、攻撃開始!」  砲術長が下令すると、各砲門がそれぞれ火を噴き始めた。  ミネルバの兵装には、砲術長が担当する部門以外にもまだある。  魚雷長の担当する魚雷部門である。 「魚雷発射管室に魚雷戦を発令せよ」  フランソワは魚雷長に指示を与える。 「了解。魚雷戦を発令します」  ミネルバには艦首に8門、艦尾に4門の魚雷発射装置がある。  通常の魚雷はもちろんのこと、シースキミング巡航ミサイルの【トラスター】をも発 射できる兼用タイプである。  水上艦艇の魚雷発射装置は甲板上にあるものだが、ミネルバは潜水能力があるので、 喫水線下に発射管を装備している。 「ADCAP重魚雷を装填」  ポンプジェット推進にて最大速力50kt(最大射程8km)を誇り、全長約5.79m、重量 1,663kg、弾頭に292.5kg高性能炸薬(磁気信管)。1,000m以上もの深さからでも発射き るホーミング魚雷である。  誘導方式には、魚雷本体のソナー探索によるものと、母艦からの有線誘導の二通りが ある。有線誘導の場合には、敵艦がデコイ(囮魚雷)などで対抗しても、それを廃除し て命中させることができる。 「敵艦隊は密集しています。ソナー探索にしましょう」 「そうですね。発射すれば必ずいずれかの艦に命中するでしょう」  一隻が魚雷に気づいて退避運動を起こしても、後続の艦艇がいくらでもいる。これだ けの重魚雷、命中すれば一発撃沈である。  魚雷発射管室では、指示に従ってADCAPを発射管に装填していた。  もちろん人力では不可能であるから、自動装填装置によってである。 「装填完了」 「管内に注水」 「深度調停装置を調整、5m。雷速5kt」 「発射角度3度」 「圧搾空気弁正常。圧力正常」 「前扉を開放」  次々と魚雷発射への準備が進められていく。  そして魚雷長が艦橋へ報告する。 「魚雷発射準備よし!」 『魚雷、全門発射!』  すぐさま命令が下される。  魚雷発射!  圧搾空気によって魚雷が押し出され、起動スイッチが入って機関が動いて、魚雷は敵 艦目指して進んでいく。 「魚雷発射、確認。敵艦への到達予定時間は二分後です」 『続ける。次弾を装填せよ』  魚雷発射担当要員に休んでいる暇などなかった。 「左舷後方より高速推進音! 水中をこちらに向かってきます」  周囲に潜水艦が隠れていたのであろう。  こちらが撃てば、敵も撃ってくる。 「デコイ発射用意!」  おそらく誘導魚雷であろうから、囮魚雷で敵魚雷をかわそうというわけである。  もちろん同時に退避運動。 「取り舵一杯! 左舷エンジン停止、右舷エンジン全速!」  ゆっくりと旋回を始めるミネルバ。 「魚雷発見!」  正面スクリーンに敵魚雷が気泡を上げて迫ってくる映像がポップアップで投影される。  艦橋は緊迫感に溢れていた。 「舵を中央に戻せ! 両舷前進半速! デコイ発射!」  息詰まる瞬間であった。  魚雷は退避運動によって目標を一時に失い、デコイに反応して反れていった。 「敵潜水艦の位置を確認」 「反撃します! ソードテール対潜魚雷発射用意!」  艦上発射式の対潜ミサイルである。トライアス(改)巡航ミサイルの弾頭に誘導魚雷 を取り付けたもので、敵艦の大まかな位置に向かってランチャーから発射され、敵艦付 近に到達すると魚雷を投下する。着水後に赤外線シーカーと音響誘導によって敵艦の追 跡をはじめる。
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2019年6月29日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 VIII

第三章 第三皇女
                VIII 「内乱ですか……。宇宙港の物々しい警戒はそのためだったわけですか」 「双方にはそれぞれ穏健派と急進派がありまして、急進派の人々が至る所で騒動やテロ を引き起こしているのです。要人の暗殺も起きております」 「大変な事態ですね。これは早急に手を打たないと、漁夫の利を得てバーナード星系連 邦の思う壺にはまりますよ」  それは誰しもが考えていることであった。速やかに内乱を鎮圧して外来の敵に備えな ければいけない。そのためには首謀者であるマーガレット皇女を捕らえることである。  しかしマーガレット皇女率いる第二皇女艦隊は強者揃いである。そしてマーガレット 皇女が身を寄せているアルビエール候国にも、自治領艦隊百万隻に及ぶ大艦隊を有して いた。それはアルビエール候国が、バーナード星系連邦との国境に位置しており、領土 防衛の観点からより多くの艦艇の保有を許されてきたからである。しかも連邦の侵略を 食い止めるために、常日頃から戦闘訓練が施されて精鋭の艦隊へと成長していた。  第二皇女艦隊と自治領艦隊とを合わせて百六十万隻。  対する摂政派率いる統合軍は、第一・第三・第六皇女艦隊、そしてウェセックス公国 軍とを合わせて二百四十万隻になるが、ジュリエッタ皇女の艦隊以外は、戦闘経験がま ったくない素人の集団であった。まともな戦闘ができる状況ではなかった。  銀河帝国の汚点とも言うべき内容を、外来者であるアレックスに対し、淡々と説明す るエリザベス皇女。その心の内には、皇家の血統の証であるエメラルド・アイを持ち、 共和国同盟の英雄と称えられるランドール提督なら、解決の糸口を見出してくれるので はないかという意識が働いたのではないかと思われる。 「もし許して頂けるのなら、私がマーガレット皇女様を保護し、この宮殿にお連れして 差し上げましょう」  突然の意見具申を申し出るアレックスだった。まさしくエリザベス皇女の期待に応え る形となったのである。 「そんな馬鹿なことができるわけがない」 「冗談にもほどがあるぞ」  大臣達が口々に反論するが、一方の将軍達は黙ってアレックスを見つめていた。 「できるというのなら、やらせてみようじゃないか」  そういう表情をしていた。同じ軍人であり、以心伝心するものがあるのかも知れない。 共和国同盟の英雄、奇跡を起こす提督ならやるかも知れない。 「判りました。いずれにしてもこのままでは、のっぴきならぬ状況に陥るのは目に見え ています。前代未聞のことですが、ここは一つランドール提督にお任せしてみましょ う」  摂政が決断を下せば、それに従って行動を起こすだけである。  アレックスは声には出さず、深々と頭を下げた。 「ランドール提督には、希望なり必要なものはありますか? できる限りの便宜をはか りましょう」 「二つほどの要望があります」 「構いません。どうぞ、おっしゃってください」
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2019年6月28日 (金)

妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の捌

陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪

其の捌 惨劇  その頃。 「美咲、いつまで閉じこもっているの?」  返事はない。  美咲の部屋の前で、ノックしつつ中の様子を探る母親。  勝手に入ったりすると、非常に不機嫌になる娘なので注意している。  しばらく待つが、一向に返答はなかった。 「入るわよ。いいわね」  ドアノブに手を掛け、少しずつドアを開ける。  照明の灯っていない薄暗い部屋の中。 「美咲?」  美咲はいなかった。 「出かけたのかしら……」  物音一つしない部屋には静寂が漂っていた。  まるですべての音を、机の上の壺が吸収しているみたいだった。 「何あれ?」  女子高生の部屋には場違いとも言うべき問題の壺に気が付く母親。  壺に近づいてゆく。  土くれが所々に付着して汚れが酷い。 「何これ、汚いわね……」  土の中から掘り出したままの状態のようであった。  壺の中身を確認しようと手を掛け蓋を開ける。  その瞬間に、強烈な腐臭が辺り一面に広がる。 「うう、何これ!」  あまりの匂いに、堪らず蓋を閉める。  壺の中は、蓋を開ける前には酸素を使い果たして腐敗が止まっていて匂いも治まって いたはずだが、蓋を開けたことによって空気と水蒸気が入って、再び腐敗が進んだとい うところだ。 「どこから持ってきたのかしら」  背後で音がする。 「お母さん、何しているのよ」  振り返ると美咲が帰ってきていた。 「勝手に入ってこないでって言っているでしょ」  その制服姿は乱れており、何より両手に付着した赤い汚れ。  明らかに血液かと思われる。  そして右手にはキラリと輝く刀子。 「おまえ、それ……」  と、言いかけたその表情が歪む。  胸元にはぐさりと突き刺さった刀子。  力尽きたように美咲に寄りかかる。  身動きしなくなった母親を、ヒョイと軽々と肩に抱え上げる。  やおら窓際に寄りガラリと開けると、外の闇へと飛び出した。
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2019年6月27日 (木)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 15

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 15

 

 

08/04 15:27 ナタリー「きゃあ!」

08/04 15:28 勇者「遊び人の俺に不可能の文字はない」

08/04 15:29 ナレ1「いつの間にやら、ナタリーのブラジャーをはずしていた」

08/04 15:30 ナレ2「ナタリーの豊かな胸が露になって揺れる」

08/04 15:31 ナタリー「な、なにをするのよ」

08/04 15:31 勇者「無駄な抵抗はやめることだよ」

08/04 15:32 ナレ1「ナタリーのショーツの手が掛かったかと思うと……」

08/04 15:33 ナレ2「とうとう、すっぽんぽんになってしまうナタリーだった」

08/04 15:33 勇者「うん。なかなか良い眺めじゃ」

08/04 15:34 ナタリー「きゃあ! きゃあ!」

08/04 15:35 ナレ1「必死に抵抗を見せるが、遊び人の術中に完全にはまっていた」

08/04 15:36 勇者「いただきます!」

08/04 15:37 ナレ1「それからね……」

08/04 15:37 ナレ2「戦いすんで夜が明ける」

08/04 15:38 ナレ1「目を覚ます勇者」

08/04 15:39 勇者「今朝の太陽は黄色い……」

08/04 15:40 ナタリー「何を抜かしているのよ」

08/04 15:41 勇者「おお、そこにいたか、ジュリエッタ」

08/04 15:41 ナタリー「なにをお気楽なこと言ってるのよ。出発するわよ」

08/04 15:42 勇者「もう少し、休んでいかないか。このベッドの上で」

08/04 15:43 ナタリー「あんたには、20000Gの貸しがあるのよ。さっさと稼いでもら
って、返してもらうんだから」

08/04 15:44 勇者「ちょっと待て! いつから20000Gに増えたんじゃ」

08/04 15:45 ナタリー「身に覚えがないとは言わせないわよ」

08/04 15:46 勇者「なるほど……。納得した」

08/04 15:47 ナタリー「納得したなら、早く身支度しなさい」

08/04 16:03 勇者「へい、へい」

08/04 16:03 ナレ1「身支度を整えた二人」

08/04 16:04 道具屋「いってらっしゃい。お気をつけて」

08/04 16:07 ナレ1「という道具屋に見送られながら、オリコレ村を後にしたのであ
る」

08/05 11:46 ナタリー「ほら、素早さを上げるアイテムよ。身に着けておいて」

08/05 11:47 勇者「ほいよ(受け取って身に着ける)」

08/05 14:44 ナレ1「モンスターが襲ってきた」

08/05 14:45 勇者「ほいよ。逃げるんだろ?」

08/05 14:46 ナタリー「待って! この程度の雑魚はわたしが片付けるから見ていて」

08/05 14:47 勇者「なんでだよ」

08/05 14:48 ナタリー「話はこいつを倒してから」

08/05 14:49 ナレ1「というと果敢にモンスターに切りかかった」

08/05 14:52 ナレ2「モンスターを倒した。経験値5と5Gが手に入った。」

08/05 15:41 勇者「お!」

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2019年6月26日 (水)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 14

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 14 07/27 03:26 ナタリー「しようがないでしょ。10000Gの貸しがあるんだから」
08/02 21:27 道具屋「ところで今夜はどうするの? 泊まるところあるの?」
08/03 01:09 ナタリー「うーん……。どうしようか考えていたところよ」
08/03 01:11 道具屋「泊まるとこ決めてなかったら、うちに泊まりなさいよ」
08/03 01:13 ナタリー「そう言ってくれるとありがたいけどね」
08/03 01:15 道具屋「遠慮はいらないわよ」
08/03 01:17 ナタリー「助かるわ」
08/03 01:39 ナレ1「というわけで、その夜は道具屋の家に泊まることになったナタ リー」
08/03 01:41 ナレ2「ベッドに眠るナタリー」
08/03 01:42 ナレ1「と窓が開いて、外から誰かが侵入してくる」
08/03 01:43 ナレ2「侵入者は、大胆不敵にもベッドに這い上がって、布団の中にもぐ りこむ」
08/03 01:45 ナレ1「昼間の疲れでぐっすり眠っていたナタリーも、そこまで大胆にや られると気づかないはずがない」
08/03 01:46 ナタリー「だれ!?」
08/03 03:14 勇者「静かに。俺だよ」
08/03 03:22 ナタリー「あ、あんた! 牢屋に入れられたんじゃないの?」
08/03 03:24 勇者「いやなに、ちょっと脱獄してきた」
08/03 03:24 ナタリー「脱獄?」
08/03 04:08 勇者「牢破りは得意なんだ。これまで抜け出せなかった牢屋はない!」
08/03 04:10 ナタリー「自慢してる場合じゃないでしょ。今頃、牢屋にいないってんで、 探し回っているわ」
08/03 04:13 勇者「それなら心配ないぞ」
08/03 04:14 ナタリー「どういうことよ」
08/03 04:15 勇者「身代わりを置いてきたからな」
08/03 04:15 ナタリー「身代わり?」
08/03 04:18 勇者「牢屋番の一人に催眠術をかけて、牢屋の寝床に転がしておいた」
08/03 04:20 ナタリー「催眠術?」
08/03 04:21 勇者「おうよ。女を口説くときに役に立つぞ」
08/03 04:31 ナタリー「まったく……。あんたの特殊能力って、みんな女がらみじゃな い」
08/03 04:34 勇者「自慢じゃないが、遊び人の必須科目は一通り習得しているぞ」
08/03 04:37 ナタリー「自慢することじゃないでしょ!」
08/04 15:24 勇者「さてと……。朝までにまだたっぷり時間があるな」
08/04 15:25 ナレ1「というと、ナタリーにおいかぶさってくる」
08/04 15:25 ナタリー「な、なにをするのよ!」
08/04 15:26 勇者「男と女がすることといったら一つ」
08/04 15:27 ナレ1「というと、ナタリーのパジャマをいきなり脱がしてしまう」
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2019年6月25日 (火)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 13

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 13 08/05 11:46 ナタリー「ほら、素早さを上げるアイテムよ。身に着けておいて」
08/05 11:47 勇者「ほいよ(受け取って身に着ける)」
08/05 14:44 ナレ1「モンスターが襲ってきた」
08/05 14:45 勇者「ほいよ。逃げるんだろ?」
08/05 14:46 ナタリー「待って! この程度の雑魚はわたしが片付けるから見ていて」
08/05 14:47 勇者「なんでだよ」
08/05 14:48 ナタリー「話はこいつを倒してから」
08/05 14:49 ナレ1「というと果敢にモンスターに切りかかった」
08/05 14:52 ナレ2「モンスターを倒した。経験値5と5Gが手に入った。」
08/05 15:41 勇者「お!」
08/05 15:42 ナレ1「引き続いてモンスターが襲ってきた」
08/05 15:43 ナレ2「ナタリーの攻撃! モンスターを倒した」
08/05 15:44 ナレ1「チャラリラリン♪」
08/05 15:45 ナレ2「どこからともなく聞こえる音」
08/05 15:46 勇者「なんだ? この音は?」
08/05 15:47 ナタリー「気にしないでいいわ。レベルアップすると神様が祝福くれてい るのよ」
08/05 15:48 勇者「レベルアップ?」
08/05 15:49 ナレ1「勇者がレベルアップした。」
08/05 15:51 ナレ2「素早さが1、攻撃力が1、防御力1……。それぞれアップした」
08/05 15:52 勇者「ほう……。ステータスが全部1こずつ上昇しているみたいだ。」
08/05 15:54 ナタリー「1こずつ? せこいわねえ。これじゃあ、まともなステータス になるのに、どれだけレベルアップを続けなきゃならないの?」
08/05 16:07 勇者「そうか、わかったぞ。逃げないで戦うのは、レベルアップが目的な のか」
08/05 16:08 ナタリー「今頃気づいたわけ? Gも手に入るからアイテム購入資金にな るしね」
08/05 16:09 勇者「なるほど……。納得した」
08/05 16:24 ナタリー「納得したなら、オリコレ村周辺で経験値稼ぎするわよ」
08/05 16:25 勇者「経験値稼ぎ?」
08/05 16:26 ナタリー「これからはあなたも戦いに参加してもらうからね」
08/05 16:27 勇者「モンスターに、当たりも触りもしないのにかい?」
08/05 16:29 ナタリー「まぐれ当たりということもあるじゃない。それに戦っていると、 ステータスの上昇率も増えるはずだから」
08/05 16:30 勇者「そういうことか……。まあ、いいや。やってやるよ」
08/05 16:31 ナレ1「というわけで、オリコレ村周辺での経験値稼ぎをはじめる二人だ った」
08/10 00:04 ナレ2「モンスターが三匹現れた!」
08/10 00:05 勇者「げっ! 三匹かよ」
08/10 00:06 ナレ1「といいつつ、モンスターの一匹をたこなぐりにした」
08/10 00:07 ナタリー「なによ、たこって」
08/10 00:08 勇者「しようがねえだろ。持ってた短剣を売ってしまって、素手で戦うし かないんだから」
08/10 00:10 ナタリー「あら、そうだったわね。せめて道端にでも落ちている木の棒で も拾ったら?」
08/10 00:12 勇者「そんな都合の良い棒なんか落ちてるわきゃないだろ」
08/11 01:20 ナタリー「はい、樫の棍棒。そこに落ちてわよ」
08/11 01:21 勇者「まあ、そんなことも……たまにはあるかもな」
08/11 09:30 ナタリー「攻撃補正値が10ね。拾ったにしては、なかなかいいじゃない」
08/11 10:01 勇者「なんだ? 短剣の5よりも攻撃力があるじゃないか」
08/11 10:54 ナタリー「その分重いから、素早さが下がってるわ。-5ポイント」
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2019年6月24日 (月)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 12

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 12 08/04 15:24 勇者「さてと……。朝までにまだたっぷり時間があるな」
08/04 15:25 ナレ1「というと、ナタリーにおいかぶさってくる」
08/04 15:25 ナタリー「な、なにをするのよ!」
08/04 15:26 勇者「男と女がすることといったら一つ」
08/04 15:27 ナレ1「というと、ナタリーのパジャマをいきなり脱がしてしまう」
08/04 15:27 ナタリー「きゃあ!」
08/04 15:28 勇者「遊び人の俺に不可能の文字はない」
08/04 15:29 ナレ1「いつの間にやら、ナタリーのブラジャーをはずしていた」
08/04 15:30 ナレ2「ナタリーの豊かな胸が露になって揺れる」
08/04 15:31 ナタリー「な、なにをするのよ」
08/04 15:31 勇者「無駄な抵抗はやめることだよ」
08/04 15:32 ナレ1「ナタリーのショーツの手が掛かったかと思うと……」
08/04 15:33 ナレ2「とうとう、すっぽんぽんになってしまうナタリーだった」
08/04 15:33 勇者「うん。なかなか良い眺めじゃ」
08/04 15:34 ナタリー「きゃあ! きゃあ!」
08/04 15:35 ナレ1「必死に抵抗を見せるが、遊び人の術中に完全にはまっていた」
08/04 15:36 勇者「いただきます!」
08/04 15:37 ナレ1「それからね……」
08/04 15:37 ナレ2「戦いすんで夜が明ける」
08/04 15:38 ナレ1「目を覚ます勇者」
08/04 15:39 勇者「今朝の太陽は黄色い……」
08/04 15:40 ナタリー「何を抜かしているのよ」
08/04 15:41 勇者「おお、そこにいたか、ジュリエッタ」
08/04 15:41 ナタリー「なにをお気楽なこと言ってるのよ。出発するわよ」
08/04 15:42 勇者「もう少し、休んでいかないか。このベッドの上で」
08/04 15:43 ナタリー「あんたには、20000Gの貸しがあるのよ。さっさと稼いでもら って、返してもらうんだから」
08/04 15:44 勇者「ちょっと待て! いつから20000Gに増えたんじゃ」
08/04 15:45 ナタリー「身に覚えがないとは言わせないわよ」
08/04 15:46 勇者「なるほど……。納得した」
08/04 15:47 ナタリー「納得したなら、早く身支度しなさい」
08/04 16:03 勇者「へい、へい」
08/04 16:03 ナレ1「身支度を整えた二人」
08/04 16:04 道具屋「いってらっしゃい。お気をつけて」
08/04 16:07 ナレ1「という道具屋に見送られながら、オリコレ村を後にしたのであ る」
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2019年6月23日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ VI

 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ
                 VI  海上を進む戦艦ミネルバ。  艦橋の最先端にあるガラス張りの場所に立ち尽くして、バイモアール基地のある前方 を静かに見つめているフランソワ。  上級大尉の肩章の施された淡いベージュ色のタイトスカートスーツに身を包み、その 胸には戦術用兵士官であることを示す徽章(職能胸章)が、夕焼けの光を受けて赤く輝 いている。  半舷休息から戻ってきたばかりで、じっと正面を眺めたまま腕組みをして、何事か思 案の模様であった。  その様子を見つめている周囲のオペレーター達。 「艦長は何を考えていらっしゃるのだろか?」  フランソワには四歳下の弟がいた。  成績優秀で品行方正にして、クレール家の次期当主として両親の期待を受けていたフ ランソワ。  対して弟の方は、姉とはまるで正反対の粗忽者で乱暴者、毎日のように誰かと喧嘩し て生傷が絶えなかった。  そんな弟ではあったが、子供のいないとある軍閥の家系に養子として迎えられた。  養子と言えば聞こえが良いが、実情はクレール家から厄介払いしたに等しかった。  フランソワにとっては、できの悪い弟であったが、幼少の頃から世話をやいてきた可 愛い弟でもあった。  その後、クレール家と養子先の軍閥家との交流は断絶し、弟の消息も途絶えた。  風の噂に、家に寄り付かず放蕩のあげく、勘当されてしまったという。 「今どこで何をしているのかしら……」  士官学校に入隊する少し前の話である。  どこに注視することもなく、ぼんやりと前方を見つめるフランソワであった。  突如、艦内に警報が鳴り響いた。  自分の端末に集中するオペレーター達。 「バイモアール基地の探査レーダーに補足されました。基地の絶対防衛圏内に侵入」  我に返り指揮官席に向かって駆け出しながら、 「戦闘配備。アーレス発射準備!」  フランソワは命令を下した。  まだ半舷休息の時間は終わっていなかったが、戦闘となれば最上位の士官が指揮を執 るものだ。  ゆっくりと休んでなどいられない。  戦闘配備と同時に、眺めていた展望用ガラスの外壁に防護シャッターが降ろされ、メ インパネルスクリーンなどのシステム機器が下降してくる。  それまで指揮官席に陣取っていた副長が席を譲りながら、 「これより艦長が指揮を執る。戦闘配備。アーレス発射準備」  と指揮権の交代を告げながら、命令を復唱した。 「戦闘配備!」 「アーレス発射準備」  各オペレーター達も命令を復唱して確認した。  兵装の内でも、原子レーザー砲のアーレスは、発射準備が整うまで時間が掛かるので、 使用の時にはいの一番に準備させておかなければならない。  原子をレーザー励起させるために極超低温にし保持する装置。莫大な電力を瞬間的に 発生させる超伝導コイル蓄電装置など。それぞれに冷却材である液体ヘリウムの注入が 必要だった。 「バイモアール基地の詳細図をスクリーンに投影。敵艦艇の位置データを重ね合わせて ください」  スクリーンに基地が映され、海上を埋め尽くすように水上艦艇がひしめいていた。 「水上艦艇の総数は、およそ七十二隻です」 「たいした設備もないのに、これだけの艦艇が集合しているのは珍しいわね」 「新型モビルスーツのせいではないですかね。このバイモアール基地には、カサンドラ 訓練所と共にモビルスーツ研究所も併設されてますから。新型をここへ運び込んだのも そのためで、警備のために派遣されてきたものと思われます。何せ、あのフリード・ ケースン中佐が設計したマシンです、ただものでないことは誰しも察しがつきますから ね」 「それは言えてますね」  うなづくフランソワ。  サラマンダー艦隊に配属されて日も浅かったために、フリードとはほとんど話しをし たことがないが、噂の限りではとんでもない天才科学者であることは、彼が開発したも のを見れば一目瞭然。極超短距離ワープミサイル、ステルス哨戒艇P-300VX、そ してなんといってもこの機動戦艦ミネルバである。 「さて……。まず最初に射程に入るのは湾内を固める水上艦艇ですが、これは純然たる 旧共和国同盟軍から転進した部隊です。同じ祖国同士ということになります」 「もちろんすべて撃沈破壊します。水上艦艇を残しておけば、いずれ我々の秘密基地の 探索に借り出されることになります」 「なるほど、それは問題ですね」  パネルスクリーン上の艦艇データの明滅がが、一斉にこちらに向かっていることを示 した。 「敵艦隊が動き始めました」 「目標戦闘艦、先頭を進む艦艇に設定」 「了解。目標戦闘艦として、ミサイル巡洋艦チャンセラーズに設定」  艤装、mk26ミサイルランチャー、mk41垂直発射トマホーク、mk46三連装 魚雷発射管、5インチ54口径軽量速射砲2門、20mmCIWS機関砲2門。機関出力、ガ スタービン4基2軸の80,000shp、速力30ノット。  スクリーンに目標戦闘艦に設定した艦艇データがテロップで流れていた。 「およそ平均的な部隊編成ですね。このミネルバの戦闘能力からすれば、それほどの脅 威ではないと思われます」 「油断は禁物ですよ。一頭の猛獣が蟻の大群に倒されることもあるのですから」  確かにフランソワの言うとおりである。  格段の火力を誇るミネルバとて、その対象は上空から迫る宇宙戦艦が本来の相手であ る。海上を航行する水上艦では、水平発射しかできないアーレスは使用不可だし、ヒペ リオンも上空迎撃が主任務である。結局のところ下向き攻撃できるのは、135mm速射砲 第三砲塔と爆雷による攻撃しかない。しかし相手はすべての兵器を使用することができ、 トマホークなどのミサイルを集中させられると、さすがのミネルバも苦戦を強いられる ことになる。 「海面に着水してください」  これしかない。  着水すれば、ほとんどの兵器が使用可能となるが、反面として破壊力の大きな魚雷攻 撃を受けることになる。  攻撃力をとるか、防御力をとるか、二者選択である。
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2019年6月22日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 VII

第三章 第三皇女
                VII 「さて……」  と、前置きしておいてから、アレックスに向かって語りだすエリザベス皇女。 「妹であるジュリエッタを救い出して頂いたこと、個人としても大いに感謝しています。 あなたの組織する解放軍が援助を願っていることも伺いました。しかしながら、我が銀 河帝国には内憂外患とも言うべき頭の痛い問題を抱えているのです。もちろん一方は、 バーナード星系連邦の侵略です。そしてこれが一番の難しい問題なのですが……。はっ きり申し上げましょう」  エリザベス皇女が語り出した問題は、内乱の勃発というものだった。  しかもそれを引き起こしているのが身内であり、マーガレット第二皇女がその首謀者 ということである。  かつて銀河帝国を震撼する大事件があった。  次期皇太子・皇帝となるべき皇位継承権第一のアレクサンダー第一王子が誘拐され行 方不明となったのである。  そして皇帝が崩御されて、次期皇帝問題が起こったが、皇帝には第一王子以外に男子 はなく、行方不明である以上捜索を続けるべしとの結論が出されて、皇帝不在のままエ リザベス第一皇女が摂政となることで取りあえずの一件落着が諮られた。  しかし二十余年もの時が過ぎ去り、第一王子が行方不明のまま、いつまでも皇帝不在 なのは問題である。そこで新たなる皇太子候補を皇族の中から選びなおそうではないか。  そして人選に上がってきたのが、エリザベス第一皇女と夫君のウェセックス公国領主 のロベスピエール公爵との間に生まれた、ロベール王子である。  皇位継承の順位では、ロベスピエール公がアレクサンダー王子に次ぐ第二位になるの であるが、公爵はその権利を第五位の息子に譲って、皇太子候補として強く擁立した。  ロベスピエール公ロベール王子が次期皇太子。  皇族の間では妥当であるとされ、皇室議会でも承認された。  これに毅然として反対したのが、マーガレット第三皇女である。ロベール王子は皇家 の証であるエメラルド・アイではなく、アレクサンダー王子の消息が確認されるまでは 待つべきだと主張した。  そして何より最大の根拠は、【皇位継承の証】の存在であった。  【皇位継承の証】は、代々の皇太子に受け継がれてきた皇家の至宝である。その実体 はエメラルドの首飾りで、深く澄み通った鮮やかに輝く深緑色の大粒のエメラルドを中 心にして、その周囲をダイヤモンドが配されているというものだった。  そしてそれは、アレクサンダー王子の首に掛けられたまま、共に行方不明となってい る。  アレクサンダー王子が生きていれば当然所持しているだろうし、仮に王子が亡くなら れていたとしても、価値ある宝石であるために、いずれ宝石商やオークション、骨董品 市場などに流通するはずであろう。  エメラルド・アイと皇位継承の証の二点を根拠に、反論を続けるマーガレット皇女で あったが、結局ロベール王子擁立は覆されなかった。  そしてついに、マーガレット皇女は、ロベール王子擁立を掲げるロベスピエール公爵 率いる摂政派に対して、皇太子派としての反旗を掲げたのである。そしてそれを支援し たのが、自治領アルビエール候国領主のハロルド侯爵である。  こうして銀河帝国を二分する姉妹同士が骨肉相食む内戦へと発展していった。 参照*外伝/王太子誘拐
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2019年6月21日 (金)

妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の漆

陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪

其の漆 夢遊病  夜中夜が明けた。  神田美咲の自室。  パジャマ姿でベッドの縁に腰かけて、呆然としている美咲がいる。  べっとりと血に染められた手のひら。 「どうして……」  何がなんだか、自問自答してみても何も思い出さない。  昨夜、一体何があったのか?  洗面所で血を洗い流してみるが、自分自身には何の傷もなかった。  どこで血が付着したのか、まるで記憶になかった。  ベッドに戻り、その上に膝を抱えるように(体育座り)固まったように動かなかった。  その日の阿倍野女子高校の一年三組の教室。  授業中、一つの机が開いていた。  神田美咲の席で、これまで無遅刻無欠席の優良児だった。 「これで三日か……珍しいな、神田が休むなんて」  土御門弥生の声に、教室内がざわめく。 「逢坂さん」 「はい?」 「家が近くだろう、ちょっと様子を見に行ってくれないか」 「分かりました」  ということで、神田家を訪れた蘭子。  大人なら病気見舞い品片手にというところだろが、高校生なのでそこまで気を遣うこ とはないだろう。  そもそも病気を知ってすぐでは失礼にあたる場合があるから、とりあえず様子を聞く だけである。 「それがねえ、部屋に閉じこもったまま出てこないのよ。食事時間に呼びかけても返事 はないし……」  来訪を受けて、玄関先に顔を出した母親が、困り切ったように答える。 「病気とか怪我とかじゃないみたいだから……。誰かに虐められたとか?」  逆に問いかけられる。 「それはないと思いますよ。友達受けする性格みたいですから」 「そうですか……。年頃だし、そっとしておいて欲しいのです」 「分かりました。学校側には、そのように伝えておきます」 「よろしくお願いいたします」  深く腰を折って哀願する。  蘭子も挨拶を交わして神田家の門を出る。  ふと仰げば、日も落ちて暗がりが覆い始めた空の下、美咲の窓には明かりは灯らない。  逢魔が時。  読んで字のごとく、妖怪や幽霊など怪しいものに出会いそうな時間帯。  黄昏れ時、暮れ六つ、酉の刻とも言う。  日が暮れて周りの景色が見えづらくなるくらい薄暗くなってきた状態をいう。  季節にもよるが午後六時前後である。  行き交うパトカーの群れ。  新たな被害者。  現場検証の陣頭指揮を執るしかめっ面の井上課長。  その傍には携帯電話で呼び出された蘭子もいる。  毎度のことながら、民間人(それも女子高生)を現場に立ち会わせることに懐疑的な 同僚もいるが、現場責任者である課長の意向には逆らえない。  科学捜査が一般的な日本警察においては、陰陽師の手を借りるということはあり得な いことだった。 「内臓を持ち去る理由がさっぱり分からん」  事件が起こるたびに、つい口に溢(こぼす)してしまう井上課長だった。
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2019年6月20日 (木)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 11

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 11
07/27 03:26 ナタリー「しようがないでしょ。10000Gの貸しがあるんだから」
08/02 21:27 道具屋「ところで今夜はどうするの? 泊まるところあるの?」
08/03 01:09 ナタリー「うーん……。どうしようか考えていたところよ」
08/03 01:11 道具屋「泊まるとこ決めてなかったら、うちに泊まりなさいよ」
08/03 01:13 ナタリー「そう言ってくれるとありがたいけどね」
08/03 01:15 道具屋「遠慮はいらないわよ」
08/03 01:17 ナタリー「助かるわ」
08/03 01:39 ナレ1「というわけで、その夜は道具屋の家に泊まることになったナタ リー」
08/03 01:41 ナレ2「ベッドに眠るナタリー」
08/03 01:42 ナレ1「と窓が開いて、外から誰かが侵入してくる」
08/03 01:43 ナレ2「侵入者は、大胆不敵にもベッドに這い上がって、布団の中にもぐ りこむ」
08/03 01:45 ナレ1「昼間の疲れでぐっすり眠っていたナタリーも、そこまで大胆にや られると気づかないはずがない」
08/03 01:46 ナタリー「だれ!?」
08/03 03:14 勇者「静かに。俺だよ」
08/03 03:22 ナタリー「あ、あんた! 牢屋に入れられたんじゃないの?」
08/03 03:24 勇者「いやなに、ちょっと脱獄してきた」
08/03 03:24 ナタリー「脱獄?」
08/03 04:08 勇者「牢破りは得意なんだ。これまで抜け出せなかった牢屋はない!」
08/03 04:10 ナタリー「自慢してる場合じゃないでしょ。今頃、牢屋にいないってんで、 探し回っているわ」
08/03 04:13 勇者「それなら心配ないぞ」
08/03 04:14 ナタリー「どういうことよ」
08/03 04:15 勇者「身代わりを置いてきたからな」
08/03 04:15 ナタリー「身代わり?」
08/03 04:18 勇者「牢屋番の一人に催眠術をかけて、牢屋の寝床に転がしておいた」
08/03 04:20 ナタリー「催眠術?」
08/03 04:21 勇者「おうよ。女を口説くときに役に立つぞ」
08/03 04:31 ナタリー「まったく……。あんたの特殊能力って、みんな女がらみじゃな い」
08/03 04:34 勇者「自慢じゃないが、遊び人の必須科目は一通り習得しているぞ」
08/03 04:37 ナタリー「自慢することじゃないでしょ!」
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2019年6月19日 (水)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 10

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 10 07/18 10:55 勇者「で、いくらになる?」
07/18 10:56 道具屋「この短剣ですと、25Gになります」
07/18 10:57 勇者「ちょっと待て。50Gで買ったんだぞ。それが半額とは何事だ」
07/18 10:58 ナタリー「馬鹿ねえ。売値は、買った値の半分というのが相場よ」
07/18 10:59 勇者「そうなのか?」
07/18 10:59 道具屋「はい。そういうことになっております」
07/18 11:00 勇者「買ったばかりで、二三度モンスターに切りつけただけだぞ。新品同 様、ほとんど新品だ」
07/18 11:03 道具屋「そういわれましても……。規則ですから」
07/18 11:05 勇者「せめて、もう少し色をつけてくれないか」
07/18 11:05 ナタリー「あきらめなさい。この世界ではそういうことになっているんだ から」
07/18 11:07 勇者「知っているぞ。新車を買って、ナンバープレートを付けたら、1m と走らなくても新古車扱いになるんだろ?」
07/18 11:10 道具屋「どこの世界のお話をしているんですか?」
07/18 11:11 勇者「日本とか言う、異次元世界の話だ。噂話らしいが……」
07/18 11:15 ナタリー「いい加減にしてよね」
07/19 06:40 勇者「で、いくらだ」
07/19 06:41 道具屋「25G」
07/20 07:10 ナタリー「わたしの旅人の服も買ってね」
07/20 08:54 道具屋「35G+15Gになります」
07/20 08:55 勇者「なんだよ。+15Gってのは」
07/20 08:58 道具屋「日頃からおせわになっているから。わたしの気持ちです」
07/20 08:58 勇者「なら、俺にもその気持ちってのを足してくれよ」
07/20 09:11 ナタリー「初対面なくせに、何いってるのよ。できるわけないじゃない」
07/20 09:12 勇者「気持ちなら、できるだろ」
07/20 09:12 ナタリー「できないわよ」
07/20 09:12 勇者「で、いくらだ」
07/20 09:12 道具屋「25G」
07/21 11:29 勇者「いっぺん犯したろか?」
07/21 11:33 ナレ1「と、飛びかかろうとする」
07/21 11:34 ナレ2「突然鳴り響く警報音」
07/21 11:35 ナレ1「どたどたとなだれ込んでくる衛兵」
07/21 11:36 衛兵「何事だ!」
07/21 11:36 勇者「な、なんだ。こいつらは?」
07/21 11:37 ナタリー「あんたが不埒な行為に出たから、非常ベルを押したのよ」
07/21 11:38 勇者「で、衛兵がやってきたというわけか」
07/21 11:38 道具屋「ごめんなさいね。こうするしかなかったのよ」
07/21 11:38 勇者「冷たいなあ、僕と君の仲じゃないか」
07/21 11:39 ナタリー「何が、僕と君の仲よ」
07/21 11:40 衛兵「そういう君は、ナタリーじゃないか。久しぶりだな」
07/21 11:40 ナタリー「お久しぶりね」
07/21 11:40 衛兵「で、こいつはどうする?」
07/21 11:41 ナタリー「そうね。牢屋で一晩頭を冷やしてもらった方がいいわね」
07/21 11:42 衛兵「わかった。おい、連れて行け(と、部下に命じる)」
07/21 11:42 ナレ1「連行されてゆく勇者」
07/21 11:43 勇者「おい、こら。何をするか! 俺は無実だ」
07/21 11:44 ナタリー「確信犯のくせに」
07/21 11:45 勇者「は、離せ! 俺は勇者だぞ!」
07/21 11:45 ナタリー「中身は遊び人のくせに、偉そうなこと言わないの」
07/21 11:46 ナレ1「勇者は引っ張り出されて牢屋に入れられた」
07/21 11:46 道具屋「これで、良かったのかしら」
07/21 11:47 ナタリー「いいのよ。これで少しは反省するでしょう」
07/21 11:48 道具屋「ならいいんだけど」
07/21 11:48 ナタリー「それより、素早さを上げるアイテムを見せて」
07/21 12:02 道具屋「いいわよ」
07/21 12:03 ナレ1「ショーケースからいくつかのアイテムを取り出して拡げる」
07/21 12:08 道具屋「換金した額は75Gになるわね。これは素早さを10上げられる わ。こっちは5だけど、防御値も5上がる。そしてこれは、素早さ5に攻撃力5ね」
07/21 12:11 ナタリー「素早さだけ上げられればいいのよ。最初のでいいわ」
07/21 12:12 道具屋「毎度ありがとうございます」
07/27 02:55 ナタリー「これで、何とかモトス村にたどり着けるわね」
07/27 02:57 道具屋「ということは、まだ冒険を続けるつもりなの? 勇者さんと」
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2019年6月18日 (火)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 9

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 9

 

07/05 23:50 勇者「この短剣を売るのか?」

07/05 23:52 通行人女「使いこなせないものを持っていてもしかたがないじゃない。た
かが攻撃補正値5くらいじゃ、少しもおしくないわ」

07/05 23:54 勇者「ばっちゃんがよく言っていたぞ。『物は大切にしなきゃならんぞ
え』ってな」

07/07 00:19 通行人女「しようがないでしょ。こんなことになるとは思わなかったから
よ」

07/07 00:25 勇者「で、本当に売れるのか?」

07/07 00:26 通行人女「道具屋があるから、そこで売れるわよ」

07/07 00:26 勇者「道具屋か、どこにあるんだ?」

07/07 00:27 通行人女「村の東のはずれにあるわ」

07/07 00:27 勇者「良く知っているな。来たことがあるのか?」

07/09 00:42 通行人女「というよりも、以前ここに住んでいたから」

07/09 00:42 勇者「で、今は城下町に移り住んで娼婦か?」

07/09 00:43 通行人女「娼婦は余計だわ。女が一人で生きていくには、他の方法がない
だけよ」

07/09 00:44 勇者「でなきゃ、冒険者の仲間入りして、ギルドで賞金稼ぎか?」

07/09 00:46 通行人女「そういうことね。危険だけと、冒険者も選択肢の一つだわね」

07/09 00:48 勇者「しかし、前にも聞いたが戦えるのか?」

07/09 00:48 通行人女「逃げるしかないあなたよりは、よっぼどね」

07/09 00:49 ナレ1「目の前に道具屋らしき看板を吊り下げた店が見えてきた」

07/09 00:50 通行人女「着いたわよ」

07/09 00:51 勇者「ほう……。なかなか良い店作りじゃないか。外見はな」

07/09 00:51 通行人女「入るわよ」

07/09 01:00 勇者「おじょうさん! 僕と結婚してください!」

07/09 01:01 ナレ1「めざとく、若い娘に気がついて、いきなりその手を取って口説き
始める」

07/15 04:54 通行人女「こら! いきなり口説くな!」

07/15 04:55 ナレ1「と、勇者を引き離す」

07/15 04:57 道具屋「ナタリー、この人は誰?」

07/15 04:59 ナタリー「ああ、無視していいわ」

07/15 05:00 ナレ1「なにやら親しげな二人だった」

07/15 05:00 勇者「おい! おまえ、ナタリーって名前か?」

07/15 05:01 ナタリー「そうよ。いけない?」

07/15 05:01 勇者「似合ってないぞ」

07/15 05:01 ナタリー「悪かったわね」

07/15 05:02 道具屋「で、今日は何の用かしら、ナタリー」

07/15 05:04 ナタリー「武具を買ってもらいたいのよ。そして、素早さを上げるアイテ
ムと交換して欲しいの」

07/15 05:06 道具屋「素早さを上げるアイテム?」

07/15 05:07 ナタリー「実はね……(と、道具屋に耳打ちする)」

07/15 05:08 道具屋「へえ……。珍しいわね。というよりも、天然記念物ものね」

07/15 05:08 勇者「おい、こら!二人で何をひそひそ話し合っている」

07/18 10:52 ナタリー「こっちの話よ。ともかくあなたの持ってる短剣を彼女に渡して
あげて」

07/18 10:54 勇者「これか?」

07/18 10:54 ナレ1「と、短剣を差し出す」

 
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2019年6月17日 (月)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 8

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 8

 

 

07/05 09:04 ナレ1「命からがらすぐ近くのオリコレ村に避難する二人だった」

07/05 09:05 通行人女「ふうっ……。何とか逃げおせたわね」

07/05 09:06 勇者「おうよ。はじめて戦闘ってやつを経験できたぜ」

07/05 09:06 通行人女「あれのどこが戦闘よ! ただ一方的にやられていただけじゃな
い」

07/05 09:07 勇者「そうなの?」

07/05 09:09 通行人女「だいたい、HPも半分以下になって平気でいられるなんて。不
感症なの?」

07/05 09:09 勇者「馬鹿な。女とやっても、ちゃんと感じるぞ」

07/05 09:10 通行人女「感じる場所が違う!」

07/05 09:10 勇者「同じだと思うが」

07/05 09:13 通行人女「とにかく……。こんな体力馬鹿のステータスじゃ、モトス村に
たどり着くのは無理ね」

07/05 09:14 勇者「冒険もここで終わりというわけだな。いい経験をしたと思えばよい
のだ」

07/05 09:14 通行人女「10000Gをあきらめろというの?」

07/05 09:15 勇者「貸した金と、失った友情は戻らないというぞ」

07/05 09:16 通行人女「誰があきらめるものですか。なんとか休み休み……。って、ち
ょっとあんた!」

07/05 09:17 勇者「なんだ? じっと見つめて」

07/05 09:17 通行人女「HPが999!? 回復してる……」

07/05 09:18 勇者「うん。元気はつらつだ」

07/05 09:18 通行人女「薬草とか、飲んだの?」

07/05 09:19 勇者「薬草ならおめえが持ってるじゃないか」

07/05 09:19 通行人女「そうね。渡した覚えはないし」

07/05 09:19 勇者「だから、俺は体力には自信があると言ったじゃないか」

07/05 09:20 通行人女「なんて回復力なの……。信じられない」

07/05 09:21 勇者「女とやっても、すぐに回復するぞ。抜かず千発は得意中の得意だ」

07/05 23:22 通行人女「ともかく……。その体力馬鹿なHPと回復力を頼みにして、何
とかモトス村までたどり着くめどがついたわね」

07/05 23:23 勇者「7800Gだな。もらったぜ」

07/05 23:24 通行人女「問題はあんたのすばやさよ、(1)しかないんだからとうてい、
戦闘から逃げ出すことはできないじゃない」

07/05 23:26 勇者「さっきは逃げ出せたじゃないか」

07/05 23:27 通行人女「あたしが手を引いてあげたからよ。あなた一人じゃとうてい逃
げられない」

07/05 23:40 勇者「そうだったのか。やさしくしてね」

07/05 23:43 通行人女「攻撃力や防御力はともかく……。素早さを上げることを考えま
しょう」

07/05 23:44 勇者「逃げるためにか?」

07/05 23:45 通行人女「決まっているじゃない。戦えないなら、逃げ出すのみよ」

07/05 23:45 勇者「方法はあるのか?」

07/05 23:46 通行人女「素早さを上げるアイテムを買うしかないわね」

07/05 23:47 勇者「そんなものがあるとしても、金なんかないぞ。城下町で有り金全部
使ったじゃないか」

07/05 23:47 通行人女「しようがないわね。買った武具を売って金にするしかないわ
ね」

 
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2019年6月16日 (日)

機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ V

 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ
                 V  夕暮れとなり、電力ケーブル破壊工作に出ていた小隊が、無事に岩陰のテントに帰っ てきた。  副隊長が出迎えに出ていた。 「お帰りなさいませ。首尾はいかがでしたか?」 「うまくいったわ。作戦発動予定時刻に合わせて、無線起爆装置のスイッチを入れるだ けだ」 「それは何よりです。敵基地の動きに変わりはありません」 「そうか……」  テントの幕を、捲し上げて中に入る隊長。 「お待ちしていました。食事の用意は整っています」  給仕班の兵士が待ち構えていた。 「よし、交代で食事にする。全員に伝えてくれ」 「判りました」  副隊長がそばの兵士に目配せすると、納得したように指令の伝令に向かった。 「おい。例の二人をここへ連れて来い。食事を摂らせる」 「食事ですか?」 「捕虜にも食事をする権利はあるからな。捕虜の取り扱いに関する国際人権条約は遵守 されるべきだ」  やがてテントに連行されてくる訓練生の二人。 「やい。いい加減に解きやがれ!」  後手に縛られた手を、さかんに動かしながら叫ぶアイク。 「ふふふ。口だけは達者だな。いいだろう、解いてやれ」  と、食事をする手を休めて、部下に命ずる隊長。 「逃げられます」 「構わん。縛られていては食事は摂れんだろう」 「しかし……」 「大丈夫だ。少なくとも食事が終わるまでは逃げないさ」  二人のおなかがクウと鳴っていた。  食べ盛りの若者である、何はなくとも腹ごしらえ。湯気の立ち上る食事を前にして、 逃げる気配は見せてはいなかった。  引き下がる副隊長。 「まあ、座れや」  自分の隣を指し示す隊長。  言われた通りに、隊長の隣に腰を降ろす二人だった。  プラスティック製の皿に盛られたシチューが手渡されると、早速口に運んだ。 「わたしの名は、シャーリー・サブリナだ。ご覧の通りに、この部隊の隊長をしている。 おまえ達の名前を聞こうか」  まず先に名乗ってから、二人に名前を尋ねるシャーリー。  「俺の名は、アイク・パンドールだ」 「ジャン・サルバトール」  食事を口元に運ぶ手を止めて、それぞれに名前を名乗る二人。 「いい名だ」 「それはどうも……」  気の抜けたような声で答える二人。  会話よりも食べることの方が大事だという感じだった。 「それだけでは足りなさそうだな。おかわりしてもいいぞ」 「そんじゃ、おかわり」  と遠慮なく空になった皿を給仕係りに差し出す二人。  二人はいつもおなかを空かせている食べ盛りなのである。  やがて、おかわりの皿をもきれいに平らげて、地面に置いてから尋ねるアイク。 「あんたら反政府軍のものだろ? そうか……。判ったぞ、新型モビルスーツを取り戻 しにきたんだな」 「そういうことにしておこう」 「なんだったら手伝おうか? 基地内のことには精通している俺達がいれば楽だぜ」 「その必要はない。情報ならこちらでも把握している」  と言いながら、テント入り口に立つ兵士に目配せするシャーリー。 「おまえら、食事が済んだだろ。立つんだ」  二人の前に立って促す兵士。 「また、木に縛り付けるのかよ」 「悪いがそうさせてもらう。作戦に支障が出ないようにな」 「冗談じゃねえよ!」  と突然、兵士に体当たりし、外へ逃走しようとするアイク。ジャンも追従する。  テントの幕を跳ね上げて外へ飛び出す二人。  だが、外には屈強な兵士が待ち受けていた。  簡単に首根っこをむんずと捕まれ、宙吊りにされてしまう二人。 「は、離しやがれ!」  手足をばたばたとさせて、振りほどこうと暴れるが無駄な努力だった。  体格差も筋力も、大人と子供ほどの違いがあった。  シャーリーがテントから出てくる。 「どうした? もう捕まったのか、ぶざまだな」 「うるせえ!」  プイと顔を背けるアイク。 「体育教練など無駄だとか抜かしておったが、その結果がこれだ。いざという時に一番 発揮するのは体力だということがわかっただろう」 「ランドール提督だって、体育教練をサボっていたじゃないか」  何とか言い返えそうとするアイクだが、 「提督の真似をしたということか……。で、おまえは戦術用兵士官か?」  尋ねられて、言葉を詰まらせる。 「戦艦を指揮する者は、体力など必要がない。優秀な頭脳さえあればいいのだからな。 比べられるものではないだろう」  押し黙ってしまうアイク。 「頭を冷やして考えることだな」  言い放すと、 「連れて行け!」  二人を抱えている兵士に命ずるシャーリー。 「判りました」  屈強な兵士は、二人が縛られていた大木へと連行していった。
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2019年6月15日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 VI

第三章 第三皇女
                 VI  宮殿内の廊下をジュリエッタに案内されて歩いているアレックスとパトリシアの二人。  やがて重厚な扉で隔たれた謁見の間に到着する。近衛兵の二人が扉を開けて一行を中 へ招きいれて、高らかに宣言する。 「第三皇女ジュリエッタ様のお成り!」  謁見の間に参列していた者のすべてが振り返り、ジュリエッタに注視する。  背筋を伸ばし、毅然とした表情で、歩みを進めるジュリエッタ。  その左側には政治の中枢を担う大臣などが居並び、右側には将軍クラスの軍人が直立 不動で並んでいる。その誰しもが目の前をジュリエッタが通り掛かった時には、深々と 頭を下げていた。そして最前列には、着飾った皇族たちが占めていた。 「ジュリエッタ。よくぞ無事に戻ってこれましたね。心配していたのですよ」  正面壇上に設けられた玉座に腰掛けて、妹の帰還を喜ぶ、銀河帝国摂政を務めるエリ ザベス第一皇女だった。 「海賊に襲われたそうではありませんか」 「はい。ですが、この方々に助けていただきました」  そう言って後に控えていたアレックス達を改めて紹介した。 「その方は?」 「旧共和国同盟軍アル・サフリエニ方面軍最高司令官であられたアレックス・ランドー ル提督です。現在では解放戦線を組織して、バーナード星系連邦と今なお戦い続けてい らっしいます」 「ほうっ」  という驚嘆にも似たため息が将軍達の間から漏れた。さもありなん、要職にある軍人 なら共和国同盟の若き英雄のことを知らぬはずはない。数倍に勝る連邦艦隊をことごと く打ちのめし、数々の功績を上げて驚異的な破格の昇進を成し遂げ、二十代で少将とな ったアレックス・ランドール提督。その名は遠くこの銀河帝国にも届いていた。 「ということは、中立地帯を越えて我が帝国領内に、戦艦が侵入したということです な」  大臣の方から意見が出された。すると呼応するかのように、 「国際条約違反ですぞ」 「神聖不可侵な我が領土を侵犯するなど不届き千犯」  各大臣から次々と抗議の声が上がった。  それに異論を唱えるのは将軍達だった。 「確かに侵犯かも知れないが、だからこそジュリエッタ様をお救いできたのではないで すか」 「それに救難信号を受信しての、国際救助活動だと聞いている」  軍人である彼らのもとには、救難信号を受け取っていたはずである。救助に向かう準 備をしている間に、ランドール提督が救い出してしまった。もしジュリエッタ皇女が拉 致されていたら、彼らは責任を取らされる結果となっていたはずである。ゆえに、ラン ドール提督擁護の側に回るのも当然と言えるだろう。  大臣と将軍との間で口論になろうとしている時に、一人の皇族が前に進み出て意見具 申をはじめた。銀河帝国自治領の一つである、エセックス候国領主のエルバート侯爵で ある。 「申し上げます。事の発端は、我がエセックス候国領内で起きたことであります。ゆえ に今回の件に関しましては、私に預からせて頂きたいと思います」 「そうであったな。エルバート候、この一件ならびにランドール提督の処遇については、 そなたに一任することにする」 「ありがとうございます」  エルバート候の申し出によって、この場は一応治まった。
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2019年6月14日 (金)

妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の陸

陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪

其の陸 遭遇 「きゃあ!!」  暗闇の彼方で悲鳴が起こった。 「あっちか!」  悲鳴のした方角へと走り出す蘭子。  やがて道端に蠢く人影に遭遇した。  女性を背後から羽交い絞めして、人通りのない路地裏に引き込もうとしていた。 「何をしているの!」  蘭子の声に、一瞬怯(ひるむ)んだようだが、無言のまま手に持った刀子で、女性の 首を掻き切った。  そして女性を蘭子に向けて突き放すと、脱兎のごとく暗闇へと逃げ去った。  追いかけようにも、血を流して倒れている女性を放っておくわけにはいかない。 「誰かいませんか!」  大声で助けを呼ぶ蘭子。  巫女衣装で出陣する時は、携帯電話などという無粋なものは持たないようにしている からである。  携帯電話の放つ微弱な電磁波が、霊感や精神感応の探知能力を邪魔するからである。 「どうしましたか?」  先ほどすれ違った警察官が、蘭子の声を聞きつけて駆け寄ってきた。 「切り裂きジャックにやられました」  地面に倒れている被害者を見るなり、 「これは酷いな。すぐに本部に連絡して救急車を手配しましょう」  腰に下げた携帯無線で連絡をはじめる警察官。 「本部の井上警視にも連絡して下さい」 「わかりました」  押っ取り刀で、井上課長が部下と救急車を引き連れてやって来る。  被害者は直ちに救急車に乗せられて搬送されるとともに、付近一帯に緊急配備がなさ れる。  現場検証が始められる。  その傍らで、蘭子に事情を聴く井上課長。 「犯人の顔は見たかね」 「暗くて見えませんでしたが、逃げ行く後ろ姿から若い女性でした。 「女性?」 「はい。確かにスカートが見えましたから」 「そうか……」  と、呟いて胸元から煙草を取り出し、火を点けて燻(くゆ)らす。  いつもの考え込むときの癖である。 「発見が遅れていれば……」  これまでの犯行通り、腹を切り開かれて子宮などの内蔵を抜き取られていただろう。 「心臓抜き取り変死事件では、動機ははっきりしていたが、今回の犯人の目的は一体何 なんだ?思い当たることはないかね、蘭子君」 「はっきりとは言えませんが、やはり胞衣壺(えなつぼ)が関係しているのではないで しょうか」 「建設現場から持ち去られたというアレかね」 「こんかいの事件は【人にあらざる者】の仕業と思います」 「スカートをはいた魔人だというのか」 「人に憑りついたのでしょう」 「まあ、あり得るだろうな」  一般の警察官は【人にあらざる者】の存在など考えもしないだろうが、幾度となく対 面した経験のある井上課長なら信じざるを得ないというところだ。  もっとも、表立って公表できないだけに配下の力は借りずに、大抵自分一人と蘭子と の共同捜査になっている。 「これ以上ここにいても仕様がないので帰ります」 「部下に遅らせるよ」 「一人で帰れますよ」 「いや、犯人に顔を見られているかも知れないだろう。後を付けられて襲われるかもし れない。そもそも女子高生を一人で帰らせるにはいかん」 「なるほど、ではお願いします」  ということで、覆面パトカーに乗って帰宅する蘭子だった。
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2019年6月13日 (木)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 7

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 7 06/29 04:13 ナレ1「こうして勇者は冒険の旅へと出発したのであった。」
06/29 04:15 ナレ2「と、突然。モンスターが現れた!」
06/29 04:15 勇者「いきなりかよ」
06/29 04:18 通行人女「ほれ、あんたの出番よ」
06/29 04:23 勇者「俺が戦うのか?」
06/29 04:24 通行人女「他に誰がいるというのよ」
07/01 02:24 勇者「わかったよ。やればいいんだろ」
07/01 02:24 通行人女「がんばってね」
07/01 02:25 勇者「おりゃー!」
07/01 02:25 ナレ1「と、叫びつつモンスターに襲い掛かった」
07/01 02:27 ナレ2「モンスターは攻撃を簡単にかわした」
07/01 02:28 ナレ1「モンスターの反撃。勇者に50ポイントのダメージを与えた」
07/01 02:29 通行人女「え?」
07/01 02:30 勇者「くそっ! これでもか」
07/01 02:30 ナレ1「モンスターは平気で笑っている」
07/01 02:31 ナレ2「モンスターの反撃。勇者に70ポイントのダメージを与えた」
07/01 02:51 通行人女「ちょっとおかしいわね」
07/01 02:52 勇者「おなくそ」
07/01 02:52 ナレ1「モンスターはすばやくかわした」
07/03 08:40 ナレ2「モンスターの反撃。勇者に50ポイントのダメージを与えた」
07/03 08:41 通行人女「ちょっと待ちなさいよ」
07/03 08:42 ナレ1「と言いながら、勇者者のステータスを調べる呪文を唱えた」
07/03 08:42 通行人女「HPが999? 999もあるの?」
07/03 08:43 勇者「そうか? 考えたことがないぞ」
07/03 08:45 通行人女「なにこれ! 素早さが1、攻撃力が1、防御力が1、魔法力が 1……。HP以外は全部1じゃない。」
07/03 08:47 勇者「へえ、知らなかったな」
07/03 08:49 通行人女「何を落ち着いているのよ。これじゃ、こちらの攻撃があたりも しなしし、相手の攻撃を受けるだけじゃない。これじゃ、ただの体力馬鹿よ」
07/03 08:50 勇者「体力には自信があるぞ」
07/03 08:50 ナレ1「とか言っている間にも、モンスター攻撃はつづく」
07/03 08:51 ナレ2「モンスターの攻撃。クリティカルヒット! 勇者に500ポイン トのダメージを与えた」
07/03 08:52 勇者「おお! 今のはさすがに痛かったぞ」
07/04 04:10 通行人女「悠長な言ってないで逃げるわよ」
07/04 04:10 勇者「俺は逃げも隠れもせん!」
07/04 04:14 通行人女「馬鹿! このままだとジリ貧。すでにHP半分うしなってんじ ゃない」
07/04 04:14 勇者「そうか? 俺は実感がないが……」
07/04 04:15 通行人女「もう! 逃げるわよ」
07/04 04:16 ナレ1「と、勇者の手を強引に引っ張って逃げ出す通行人女であった」
07/04 04:17 ナレ2「モンスターから無事に逃げ出せた」
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2019年6月12日 (水)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 6

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 6 12/05 05:59 ナレ1「背後の棚から一振りの短剣を取り出してみせるよろず屋だった」
12/06 10:55 なんでも屋「これなら手軽でどなたにでも楽に扱えますよ」
12/08 19:19 勇者「ふーむ、どれどれ(と、短剣を受け取って振り回す)」
12/08 19:21 通行人女「あ、危ないじゃない! 人がいるそばで剣を振らないでよ」
12/08 20:31 勇者「おお、悪かったな。で、店主いくらだ?」
12/08 20:31 なんでも屋「50Gです。お買い得ですよ」
12/09 21:39 勇者「ほう……。どこぞの武具屋とは雲泥の差だな。それをくれ!」
12/09 21:46 なんでも屋「ありがとうございます。初めてのお買い上げのお客様にはこ ちらの魔除けの根付けを差し上げます。短剣に結んでおくとよろしいでしょう」
12/09 21:48 通行人女「それじゃあ、あたしは旅人の服をもらうわ。確か70Gだった わよね」
12/09 21:48 なんでも屋「その通りでございます」
12/09 21:53 通行人女「あと30G残っているから、やくそう4個で32Gだけど、ま けてくれるでしょ?」
12/09 21:54 なんでも屋「しかたありませんねえ……、今回だけですよ」
12/10 21:10 勇者「おい、ちょっと聞くが、その買い物は誰の金で払うんだ? 俺の剣 と合わせて150Gだよな」
12/10 21:11 通行人女「もちろん、あなたのお金からに決まっているじゃない」
12/11 12:41 勇者「なんでおまえの分まで俺が払わなきゃならんのだ」
12/11 12:41 通行人女「借金があるからに決まってるじゃない。それにパーティーの装 備を整えるのは勇者の責務よ」
01/12 20:55 勇者「そんな事、誰が決めたんじゃ!」
01/13 19:24 通行人女「世間一般の常識よ」
06/26 01:43 勇者「ところで、ひとつ聞きたいんだが」
06/26 01:55 通行人女「なによ」
06/26 02:06 勇者「おまえが、いつパーティーに入ったんだよ」
06/26 10:37 通行人女「たった今よ」
06/26 11:07 勇者「戦えるのかよ」
06/26 11:08 通行人女「もちろんよ。馬鹿にしないでよ。娼婦だってやる時はやるの よ」
06/27 05:22 勇者「意外だな」
06/27 06:39 通行人女「さて支度も整ったし、出かけますか」
06/27 06:47 勇者「おうよ。気をつけて行けや」
06/27 06:47 通行人女「あに抜けたことを言ってるのよ。あんたも一緒にいくのよ」
06/28 18:56 勇者「なんでやねん」
06/28 18:57 通行人女「いいから、ついて来るの!」
06/28 18:58 ナレ1「と、勇者の耳を引っ張ってゆく」
06/28 18:59 ナレ2「城門の前にたどりついた二人」
06/28 19:00 通行人女「さあ! いよいよ冒険のはじまりよ」
06/29 04:11 勇者「かったるいなあ……」
06/29 04:12 通行人女「ぐだぐだ言ってないで、出発するわよ」
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2019年6月11日 (火)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 5

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 5 12/02 05:48 勇者「そうはいってもなあ……。ここの武具屋には、ドラゴンバスター剣 1000000Gに、ジュラルミン製盾100000G、そして炭素繊維ファイバー兜500000Gとか 超高額のアイテムしか置いてないじゃんかよ」
12/02 05:50 通行人女「馬鹿ねえ。それは表通りにある大きな店でしょう。裏通りに回 ればこじんまりとした何でも屋という武具も道具も売っている店があるのよ」
12/02 05:56 勇者「100Gで買えるような安い剣とかも置いてるのか?」
12/02 05:57 通行人女「もちろんよ!」
12/02 06:01 勇者「しかし、ギルドのおっさんは隣村にいかなきゃ売っていないような 言い方していたじゃないか」
12/02 06:01 通行人女「それはねえ……。ああ、見えてきたわ。あの店がそうよ」
12/02 06:02 ナレ1「と、指差す先には本当にこじんまりとした民家のような建物があ った」
12/02 06:02 勇者「なんでえ、民家じゃないのか? 看板も掲げていないようだし」
12/02 06:06 通行人女「もぐりでやっているからよ。ちゃんと看板を掲げるには、ギル ドに正式に承認される必要があるのよ。そしてそれは、品質保証された剣や盾、そして 薬草などの道具を扱っているという正式な店だということよ」
12/03 05:55 勇者「安いには安いが、ばったもんとかじゃねえだろうなあ。一度使った だけで壊れちゃうとか」
12/03 06:02 通行人女「そんな事あるわけないじゃない。だいたいギルドから承認され るには、最初の登録時にかなり高額の認可料、剣や武具には品質保証証明書発行料、さ らに毎月売り上げの一定率を上納金を取られるのよ。だから看板を掲げている店の値段 は自然に高くなるというわけ」
12/03 06:09 勇者「なんでえ、なんでえ。用はギルドはそんな事やってるんか? 俺ら が仕事を貰う時には斡旋料、仕事に必要な武具はどこそこの武具屋を紹介しよう、って たぶん紹介料まで取ってたりするんだろうな。その武具の料金には上納金とかが上乗せ されているってことだ」
12/03 06:14 通行人女「そうね。ギルドは一国家の規模をはるかに超える組織力を持っ ていて、ギルドが発行する登録証があれば、各国間の入国審査はほとんどフリーパスだ ものね」
12/04 17:03 勇者「そうなのか?」
12/04 17:04 通行人女「あなた、ほんっとに何も知らないのね」
12/04 17:05 勇者「自慢じゃないが、この国から一度も出たことがないぞ」
12/04 20:35 通行人女「まったくう……。これで勇者だというんだから、世の中間違っ ているわね。自慢している場合じゃないでしょ」
12/04 20:37 勇者「だから何度も言ってんじゃねえか! 好きで勇者になったんじゃね え!!」
12/04 20:38 通行人女「はいはい。とにかく中へ入りましょう」
12/04 20:39 ナレ1「と、扉を開けて中に入る二人だった」
12/04 20:39 なんでも屋「いらっしゃいませ!」
12/05 05:52 通行人女「こいつに見合う剣を見繕ってよ(と勇者を指差す)」
12/05 05:54 勇者「こいつとは何だよ。犬や猫じゃねえぞ」
12/05 05:55 通行人女「ふん。犬畜生の方がよっぽど頼りになるわよ」
12/05 05:55 勇者「あんだと!」
12/05 05:58 なんでも屋「まあまあ、喧嘩は店を出てからにしてくださいね。さてと… …(と、じっと勇者を眺めてから)。そうですなあ、そのお方に見合う剣となると……。 これなんかいかがでしょうか?」
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2019年6月10日 (月)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 4

冗談ドラゴンクエスト

冒険の書 4 11/29 19:32 道具屋「支度金として50Gを支払います。改めて引き受けていただけま すか?」
11/29 19:34 勇者「ところでだ。姉のところに届けると言っていたが、君と同じくらい の美人か?」
11/29 19:35 通行人女「いいでしょう。引き受けましょう」
11/29 19:36 道具屋「ありがとうございます。助かります」
11/29 19:36 勇者「おい!」
11/29 19:37 道具屋「道案内となるように、この国の地図を差し上げましょう」
11/29 19:38 勇者「俺の言うことくらい聞けよ」
11/29 19:40 通行人女「地図があれば迷子にならなくて済みそうだわ。うん、できれば コンパスもあれば助かるのだけど」
11/29 19:40 勇者「頭にくるなあ……」
11/29 19:41 道具屋「申し訳ありません。あいにくと品切れしているんですよ」
11/29 19:42 通行人女「品切れなら、仕方がないわね」
11/29 19:50 勇者「というわけで、俺は帰る!」
11/29 19:52 通行人女「そうはいかないわよ。あなたにはぜがひでもこの仕事を貫徹し てもらうからね」
11/29 19:56 ナレ1「出て行こうとする勇者の首根っこを捕まえて、身動きできないよ うにする」
11/29 19:56 通行人女「それで届ける期限はどれくらいなの?」
11/30 19:10 道具屋「モトス村へは普通に旅して10日ですから、12日くらいで届け ていただければ結構です」
11/30 19:12 通行人女「判ったわ。それまでには届けられるでしょう」
11/30 19:12 道具屋「それでは、よろしくお願いします」
11/30 19:15 ナレ1「というわけで、モトス村への荷物運びの依頼が正式に契約成立と なった」
11/30 19:19 通行人女「それじゃあ、身支度を整えてモトス村へ向かうわよ」
11/30 19:26 勇者「おう! 道中気をつけて行けや」
11/30 19:41 通行人女「何をふざけたことを言ってるのよ。あなたが行かなきゃ始まら ないの!」
11/30 20:57 勇者「誰がそんな事決めたんじゃ!」
11/30 20:58 通行人女「あたしよ、あたし。悪い!? いい加減にしないと、おしおき しちゃうわよ!」
12/01 05:50 勇者「おしおき? レザーのガーターベルトに網タイツとかをはいて、相 手をロープで縛り上げてローソクたらして、ハイヒールで頭を小突きながら『女王様と お呼び!』とかいうやつか?」
12/01 05:58 通行人女「やってあげましょうか?」
12/01 05:59 勇者「断るね。俺はノーマルだ」
12/01 20:45 通行人女「それは残念。とにかく! 荷物運びよ。その荷物を受け取って、 モトス村へ出かけるわよ」
12/01 20:48 勇者「ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ……ぶつぶつぶつぶつ……あったく、こ んな女に関わったたのが、けちのつきはじめだ。運命の女神の悪戯じゃ」
12/01 20:49 通行人女「ほれほれ、出かける準備をしなさい」
12/01 20:49 勇者「出かける準備?」
12/01 20:51 通行人女「あなた、丸腰で旅に出るつもり? 武具を買い揃えなきゃだめ でしょ。武具屋に寄っていくわよ」
12/02 05:47 ナレ1「というわけで、武具屋に向かう二人だった。」
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2019年6月 9日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第四章 新型モビルスーツを奪還せよ IV

 機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ

                IV

 

 隊長がテントに入ってくるのを見て、通信士が早速声を掛けた。
「あ、隊長。今、暗号文の解読を終えたところです」
 と、通信士が暗号文を記したメモを手渡した。
 暗号が入電したとのことで、各班の班長が集まってきていた。
 暗号文を読み終えて、苦々しい表情で部下に伝える。
「面倒な任務が一つ増えたぞ」
「新しい任務ですか?」
 そばにいた兵士が聞き返した。
「ああ、ミネルバからの依頼だ。トーチカを守っているエネルギーシールドを何とかし
てくれとのことだ」
「ミネルバとは、空と陸からの両面からの共同作戦を行うはずでしたよね」
 共同作戦とは、バイモアール基地を空からミネルバが奇襲を掛けて、敵が空に気を取
られている隙に、地上から基地に潜入してモビルスーツを奪回するというものだった。
「何とかしてくれと言われても堅牢なトーチカを攻略するには、我々の装備では不可能
かと思いますが」
「トーチカそのもではない、エネルギーシールドだ。電力の供給元を絶てば簡単に済む
ことだ」
「変電所でも爆破するのですか?」
「そんな危険な作戦はやらない。おい、変電所とトーチカを結ぶ電力線の記された基地
の見取り図を出してくれ」
 隊長が別の兵士に指示するのを聞いて納得していた。
「そうか、電力ケーブルですね。変電所などの施設に入るには危険が伴うが、山腹に埋
設された電力ケーブルの切断なら、人知れず任務を果たせるというわけですね」
「ありました。基地内の電力ケーブルの埋設図です」
 鞄から埋設図を取り出して机の上に広げられた。
 図面には、無数の配線がトーチカのある山腹に至るまで、緻密な網の目状に引かれて
いて、素人には何が何だが見当がつかなかった。
「トーチカに連なるケーブルはどれだ。それも大容量高電圧のやつだ」
 おそらく電気技術士官なのであろう、緻密な配線の中からエネルギーシールドに電力
を供するケーブルを探し当てた。
「あった。これです」
 といいながら図面のケーブルに蛍光ペンで色を塗った。
「よし。爆発物処理班を召集だ。君も一緒にきてくれ」
 電力ケーブルが埋設されている正確な位置を知るには、図面に詳しい電気技術士が同
行した方が良いに決まっている。
「もちろんですよ」
 快く承諾する技術士。
「指揮はわたしが執る!」
 爆破の専門家とケーブルを掘り出す工兵要員が速やかに集められて、隊長の指揮の下
に山腹へと移動をはじめた。

 

 トーチカへと続く丘の中腹。
 木々の茂みを掻き分けて特殊部隊が移動している。
「この辺りにケーブルが埋設されているはずです」
 見取り図と位置情報機器と見比べながら、電気技術士が指差していた。
「よし。早速掘り起こそう」
 隊長が指示すると、シャベルを持った兵士が、土を掘り起こしはじめた。
 保守点検を考えるならば、道沿いに埋設するのが常道なのであろうが、軍事機密とし
てわざわざ道なき所に埋設されているのであろう。
 その軍事機密である電力ケーブルの見取り図を、いとも容易く手に入れることのでき
た情報部の底力を知らされた。
「レイチェル・ウィング大佐か……」
 パルチザン組織にとって死活を征するのは、正確な情報をいかに早く収集し、極秘裏
に必要とする部署に的確に配信できるかである。
 特殊部隊が任務を遂行するのに必要な情報が、見事なまでに揃っていた。
 その情報能力を高く評価して、ランドール提督が送り込んできただけのことはあった。

 

 近くを通る山道を登ってくる自動車のエンジン音が聞こえてきた。
「静かに! 身を隠せ」
 穴掘りを中断して、茂みに隠れる兵士達。

 

「おい、止めろ!」
 山道を登っていた四輪駆動車の助手席の兵士が制止した。
「どうした?」
 運転手が尋ねる。
「今、茂みの中で何かが動いたんだ」
「見間違いじゃないのか? こんな山道、めったに通らないぞ。獣だろう」
「いや、人影だ。見てくる」
「気をつけろよ」
「判っている」
 車を降りて、銃を構えて茂みに入っていく兵士。

 

 茂みに身を隠して、近づく兵士を窺いながら、
「気づかれたみたいですよ」
 と、銃を取り出していた。
「銃はいかん。ナイフを使え」
 発砲すれば車に残った兵士に聞こえ、本部に連絡されてしまう。
 作戦発動までは、特殊部隊の活動を知られては、すべてが失敗となる。
 言うが早いが、隊長はナイフを手に取り、兵士の背後に回って急襲して見事に倒した。
 
「車にも一人残っていますよ」
 誰かが車の方を指差す。
「まかせてください」
 そう発言した兵士は、ナイフ投げの達人と呼ばれる人物だった。
 特殊部隊なら最低一人くらいはいるものである。
 達人はナイフを持つと、投てきの体勢を取り、車の方に向かって投げ放った。
 放たれたナイフは真っ直ぐ突き進んで、車で待機していた兵士を倒した。
「お見事!」
 何人かが手を叩いて賞賛した。
「誰か、車の方を片付けてくれ」
「わかりました」
 一人が車に向かった。
 車と倒れている兵士をその場に残しておいては、次に来る者に発見されてしまう。
「急ごう。作戦発動に間に合わなくなって、夕飯を食べる時間がなくなるぞ」
 穴掘りを急がせる隊長であった。
「それは大変だ! 急ぎましょう」
 賛同してシャベルを再び握る兵士達だった。
 作戦を遂行するのも大切であるが、腹ごしらえはもっと大切である。

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2019年6月 8日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 V

第三章 第三皇女
                 V 「共和国同盟の婚姻制度は非常に複雑なのですが……。他国の制度でみれば結婚状態に あると言えます」 「婚姻制度のことは、私も存じております。そうですか、ご夫婦ということですね」 「そう考えていただいて結構です」  アレックスが二人の間柄を結論づけた。 「ということであれば、お休みなられるお部屋もご一緒でよろしいですね」  艦隊内では別室である二人だが、夫婦であることを認めた以上、断る理由もなかった。  インヴィンシブルが首都星へ着くまでの間、三人はそれぞれの国家における風習や、 出来事などについて語り合った。  そして出生についての話題が持ち上がった。 「つかぬことをお聞きいたしますが、提督の瞳ですが……。エメラルド・アイは銀河帝 国皇家にのみに、遺伝的に継承されてきたことをご存知ですか?」 「存じております。それを有するものは、帝国皇族に繋がる血統の証でもあると」 「その通りです。エメラルド・アイは限定遺伝する特殊な例の一つで、瞳をエメラルド に誘導する発色遺伝子をX性染色体に持ち、かつまたその遺伝子を活性化させる遺伝子 をY染色体に持っています。そしてこの両遺伝子が揃ってはじめて、エメラルド・アイ が出現するのです。ゆえに必ず男性のみに遺伝していきます。その出現率は非常にまれ で、血縁同士の婚姻が常識のようになっている皇族においてこそのものなのです。つま り私と提督とは親戚関係にあると言えます」  その言葉は将来にも関わる重大な事実を意味するものであった。  実際にもジュリエッタは、アレックスの人となりを考えると、銀河帝国の祖である ソートガイヤー大公にも似た面影を見出していたのである。その戦闘指揮能力はもちろ んのこと、人を活用させる術にも長けていることなども……。  首都星アルデランが近づいてきた。  さすがに首都星を守る艦艇の数も増えてくる。 「総勢百万隻からなる首都星の防衛を担う統合軍第一艦隊です。銀河帝国摂政にして第 一皇女のエリザベス様の指揮下にあります」  やがてインヴィンシブルは、ゆっくりと首都星アルデランへと降下をはじめた。そし て皇族専用の宇宙港へと着陸態勢に入った。  宇宙港には、物々しい警備体制が敷かれており、空を対空砲が睨み、蟻一匹入れない ように戦車隊や歩兵がぐるりと周囲を取り囲んでいた。  戦争のない平和なはずの首都星における厳重な警備に、タラップを降りてきたアレッ クスも、驚きの声を上げるしかなかった。 「この状況はどういうことですか?」  思わず尋ねるアレックスだが、 「その件に関しましては、摂政の方からお話があると思います」  ジュリエッタ皇女は、即答を避けた。  何やら複雑な事情があるようだ。  一行はインヴィンシブルに横付けされている皇室専用大型ジェットヘリに移乗し、宮 殿へと向かうことになった。  数分後、眼下に広大な敷地を有した豪華な宮殿が見えてきた。 「アルタミラ宮殿です」  立憲君主国制を敷く帝国における政治と軍事の中枢であり、皇族たちの住まいでもあ る。
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2019年6月 7日 (金)

妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の伍

陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪

其の伍 神田美咲  時を少し遡った、小雨降る夜。  解体作業現場を、折しも通りがかった女子高生。  整地された一角がぼんやりと輝いているのに気が付いた。  なんだろう?  と、歩み寄ってみると、土くれの付いた古い壺が顔を出していた。 「壺?」  壺が怪しく輝いて少女の顔を照らす。  やがて壺を取り上げると、何事もなかったように、現場を立ち去っていった。  とある一軒家  門柱に「神田」という文字が彫られた表札が掛かっている。  壺を抱えたまま、その家に入る少女。  少女の名前は、神田美咲。  阿倍野女子高等学校の生徒である。 「お帰りなさい、美咲」  という母親の声にも応答せずに、無言で二階へと上がり自分の部屋へ。  大事そうに抱えていた壺を、そっと机の上に置いた。  そして蓋に手を掛けるとすんなりと壺は開いた。  建設現場ではどうしても開かなかったのに。  中にはキラリと輝く刀子(小刀)が入っていた。  普通なら錆び付いていただろうが、密閉した容器の中で胎盤などの腐敗(好気性菌に よる)が先に進んで、中の酸素を消費してしまって、刀子の酸化が妨げられたのであろ う。  刀子は不気味に輝いており、じっと見つめる美咲の顔を照らす。  やおら刀子を取り出し、刃先を左手首に当てると、躊躇なく切り刻んだ。  ボトボトと流れ出る血を受け止めて、壺はさらに輝きを増してゆく。  やがて壺の中から正体を現わした怪しげな影は、しばらく美咲の周りを回っていたが、 スッと美咲の身体の中に消え行った。  最初の殺人事件が発生したのは、それから三時間後であった。  数日後の夜。  巫女衣装に身を包んだ蘭子が歩いている。  怪しげな気配を感じ取って出てきたというわけだ。  その胸元には御守懐剣「長曾祢虎徹」が収まっており、臨戦態勢万全というところだ。  時折警戒に当たっている刑事に出会うが、 「巫女衣装を着た人物の邪魔をするな」  という井上課長のお達しが出ているらしく、軽く敬礼すると黙って離れてゆく。 *参考 血の契約  突然、胸元の虎徹が微かに震えた。 「つまり魔のものということね」  魔人が封じ込められている虎徹は、魔物に対してのみ感応する。 『蘇我入鹿の怨霊事件』のように、魔人が怨霊を招き寄せる場合もあるし、人に取りつ く場合もある。  魔と霊と人、それぞれに対処できるように体制を整えておかなければならない。  魔には虎徹。  霊には呪符や呪文。  人には合気道などの武道で、自らが戦う。  虎徹を胸元から取り出して手前に捧げ持って、一種の魔物探知レーダーを働かせた。  よく画家が鉛筆を持って片目を瞑り、キャンバスと鉛筆を見比べる仕草を取るアレで ある。  その態勢で、ゆっくりと周囲を探索しながら、反応の強い方角へと歩いていく。
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2019年6月 6日 (木)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 3

冗談ドラゴンクエスト
冒険の書 3 11/27 15:22 勇者「結局……完全に無視されたな」
11/27 15:25 通行人女「さっきから何ぶつぶつ言ってるのよ。あ、ほら。道具屋が見え てきたわ」
11/29 05:52 ナレ1「軒先に薬草と思われる植物の図柄の入った看板が下がっているの が見える。扉を開けて中へ入る二人」
11/29 05:52 道具屋「いらっしゃいませ!」
11/29 05:53 通行人女「客ではありません。ギルドの依頼を受けた者です。荷物の配達 だとか聞きましたが」
11/29 05:58 道具屋「あらあ、早速引き受けてくれる方がいたのね。ついさっき依頼を 出したばかりなのに」
11/29 06:00 勇者「ご安心ください、お嬢さん。美人の依頼は断らないことにしていま す」
11/29 06:02 ナレ1「と言いつつ、ちゃっかりと道具屋の娘の手を取っている勇者であ った。それもそのはず、この道具屋の娘は絶世の美女と言ってもいいくらいの美人だっ たのである。しかもとびきり若かった」
11/29 06:05 通行人女「まったく……遊び人の性格、もろ出しじゃないの! これで本 当に勇者なの?」
11/29 06:08 勇者「だから言ってるだろ。俺は根っからの遊び人なんだってよお。勇者 なんてなりたくてなったんじゃねえやい!」
11/29 06:09 道具屋「あ、あのお……。この方は、遊び人なんですか? それとも勇者 さまなのですか?」
11/29 06:30 ナレ1「いきなり手を取られて困惑しながら、通行人女に向かって尋ねる 道具屋の娘であった」
11/29 06:35 通行人女「城から出てくるのを見ていたしね……。どうやら勇者というの は本当らしいんだが、どうみてもすけべったらしの遊び人そのままね。脈絡もなく襲い 掛かってくるしさあ」
11/29 06:37 道具屋「まあ! 襲われちゃったんですか?」
11/29 06:41 通行人女「いろいろとあってね……。んでもって、こいつには10000Gの貸 しがあって、その返済のためにギルドで働いてもらってるんだよ」
11/29 06:51 勇者「てやんでえ! そんな金、借りた覚えなんかないわい」
11/29 06:52 道具屋「とか言ってますけど?」
11/29 06:56 通行人女「こいつの言うことには耳を傾ける必要はないわよ」
11/29 06:57 勇者「なんだとお!」
11/29 06:58 道具屋「あのお……。どうでもいいんですけど、いい加減手を離していた だけませんか?」
11/29 07:02 ナレ1「そうなのだ。会話の間中もずっと、馴れ馴れしく手を握り締め、 さすったり、なでなでしながら、その柔肌の感触を楽しんでいたのである」
11/29 12:50 通行人女「いい加減にしないか!(と勇者の頭をポカリと叩く)」
11/29 17:47 勇者「痛えなあ!(と頭をさすっている)」
11/29 17:49 通行人女「ところで……そろそろご用件を承りたいのですが?」
11/29 17:49 道具屋「え? あ、ああ。そうね、その通りね」
11/29 17:50 ナレ1「いきなり見知らぬ男に手を握られてしまったのだ。動転してしま っても仕方がないだろう」
11/29 18:00 道具屋「依頼というのは、ここから東へ約28000マイラの所にあるモトス 村にいる姉にこれを届けてほしいのです」
11/29 18:11 ナレ1「と取り出したのは表面に綺麗な細工の施された、一見宝石箱のよ うな小箱であった」
11/29 18:15 勇者「28000マイラだあ!? 最低でも10日はかかるじゃないか。依頼 料は50Gなんだろ?」
11/29 18:18 通行人女「うーん。確かに安すぎるわね」
11/29 18:37 道具屋「いえ、これには訳があるんです。本当の依頼料は7800Gです。こ れはとても大切なものですから、報酬目当てで何でも引き受けるような請負人には任せ られないと思って……。それで50Gという誰も引き受けないような報酬でも請け負っ てくれる方なら誠意で大切に運んでくれるのではないかと考えました」
11/29 18:46 通行人女「なるほどね。確かに報酬が高いと、当然荷物も高額だと推測で きるし、下手すら荷物を持ち逃げされることもあるわよね」
11/29 18:52 勇者「7800Gか……10000Gにはちょっと足りないが、まあ最初の仕事と しては妥当な線だろう」
11/29 18:53 通行人女「おやおや。どうやらやる気になっているようね。いい事だわ、 ちゃんと無事に届けられれば借金を大幅に減らせるわよ」
11/29 18:53 勇者「うるせえ!」
11/29 18:54 道具屋「あの、依頼には条件があるんです」
11/29 18:54 通行人女「条件?」
11/29 18:56 道具屋「非常にデリケートなものですので、キメラの翼やルーラなどの跳 躍魔法などは使わないでください。もちろん飛行船などに乗船して運ぶのも厳禁です」
11/29 18:57 勇者「つまり、28000マイラという距離を地べたを這いずって行けという ことか?」
11/29 18:57 道具屋「そういうことになります」
11/29 19:02 通行人女「それは難儀ね」
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2019年6月 5日 (水)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 2

冗談ドラゴンクエスト
冒険の書 2 11/26 20:06 ギルド「やあ、お客さん、久しぶりじゃないですか。ええと……、そちら のお客さんは、初顔だね」
11/26 20:07 通行人女「こいつが、仕事をしたいそうだ」
11/26 20:08 勇者「俺は、まだやるとは言っていないぞ。それにこいつとはなんだ。俺 にはちゃんとした名前が……」
11/26 20:08 通行人女「そういや、まだ名前を聞いていなかったわね」
11/26 20:09 勇者「勇者だ!」
11/26 20:09 通行人女「ぷっ! 何それ、ふさけてるの?」
11/26 20:10 勇者「ふざける? 勇者という名前の勇者なのだ」
11/26 20:12 ギルド「そんなこと言ってると後が大変なんだがなあ……。わしはギルド という名前になるのか。他大勢というキャストもいるぞ」
11/26 20:13 通行人女「あたしは、通行人女? いやよ、そんな名前は」
11/26 20:13 勇者「いい名前じゃないか」
11/26 20:14 ギルド「……まあ、いい。で、仕事を請ける気はあるのかないのか、はっ きりしてくれ」
11/26 20:14 勇者「楽な内容で、高給な仕事はないか? 突っ立てるだけで1000000G とかな」
11/26 20:15 ギルド「そうだな……隣村まで荷物を運ぶ仕事はどうだ?」
11/26 20:21 勇者「1000000Gか?」
11/26 20:22 ギルド「50Gだ」
11/26 20:23 勇者「ふざけるなよ! 誰がそんなチンケな仕事を引き受けるか!!」
11/26 20:28 通行人女「ふざけてるのは、あなたじゃない。身も知らぬ初対面に重要な 仕事を最初からまかせられると思う? まずは手始めに簡単な仕事からというのが常識 よ。仕事をこなしていくうちに信用がついてきて、大きな仕事を任せられるようになる というものよ」
11/26 20:29 勇者「面倒だな」
11/26 20:29 通行人女「馬鹿言ってんじゃないの!」
11/26 20:30 勇者「しかし、50Gなんてはした金受け取っても何も買えんじゃないか。 ここの武器屋においてあるのは6桁や7桁という馬鹿高い代物ばかりなんだぜ」
11/26 20:31 通行人女「それはここが城下町だからよ。魔王を退治するために必要な最 強の武具が置いてあるのよ」
11/26 20:31 ギルド「荷物を運ぶ隣村に行けば50Gで買える安い武具を売っているよ。 何せ冒険の最初の村だからね」
11/26 20:32 勇者「冒険の最初?」
11/26 20:32 通行人女「そういうことよ。冒険はそこからはじまるのよ」
11/26 20:33 勇者「じゃあ、この城下町はなんなんだ?」
11/26 20:34 通行人女「決まっているじゃない。国王に謁見し、冒険の使命を受けるた めに存在するのよ。あなた、国王から姫の救出を依頼されたでしょう?」
11/26 20:35 勇者「そう言われればそんなこと言われたような気も……そうだ。ところ で姫は美人なのか?」
11/26 20:40 通行人女「姫を救出するために、魔王の居城の場所とかの情報を集め、立 ちはだかるモンスターをなぎ倒して、経験を積んで一人前の冒険者になる必要があるわ。 その時のために必要な強力な武具がここにあるというわけよ」
11/26 20:40 勇者「おい!」
11/26 20:40 通行人女「その仕事請け負います」
11/26 20:41 勇者「こら! 無視するなよ」
11/26 20:42 ギルド「よし決まりだな。依頼主は城下町の南門のそばの道具屋だ。荷物 を受け取って届け先を聞いて、隣村へ向かってくれ」
11/26 20:45 勇者「だから、人の言うことを聞けよ!」
11/26 20:47 通行人女「ほれほれ、依頼を受けに道具屋に行くわよ」
11/26 20:49 ナレ1「と、勇者の背中を押してギルドを出る」
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2019年6月 4日 (火)

冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 1

冗談ドラゴンクエスト
冒険の書 1 11/25 20:17 ナレ1「とある王国。町を出ればモンスターが徘徊し、魔王が支配力を広 げようとしていた。そんな折、一人の若者が国王の前に呼び出された」
11/25 20:24 国王「よくぞ参った。待っておったぞ」
11/25 20:24 勇者「別に来たくて来たわけじゃねえよ。親に引きづられて来ただけだ い」
11/25 20:26 国王「そうそうか。おまえを呼んだのは他でもない。我が国をモンスター 達が襲い掛かり、魔王の元へ姫を連れ去ってしまった。おまえには姫を救い出してもら いたい」
11/25 20:27 勇者「一つ聞きたいのだが、その姫と言うのは若い美人か?」
11/25 20:27 国王「城下には、おまえを手助けしてくれる仲間が待っているはずだ。彼 らと合流し共に魔王討伐に向かってくれ」
11/25 20:28 勇者「おい、聞いてないのかい。国王さんよ。姫は美人かと聞いてるん だ」
11/25 20:29 国王「支度金として100Gをおまえに授けよう。城下町で装備を整えて、 野へ繰り出してモンスターを退治し、腕を磨いて精進し魔王の元へと向かってくれ」
11/25 20:30 勇者「ちょっと待てよ。いまどき100Gで何が買えるってんだよ。姫を 救い出すのだろう? 地下の宝物庫に王家の神剣があるらしいじゃないか。それをく れ」
11/25 20:30 国王「それではしっかりと戦って、国の危機をそして姫を救ってくれ」
11/25 20:30 勇者「おい。いい加減にしろよ。こっちの言い分にも耳を傾けろよ」
11/25 20:32 ナレ1「有無を言わさず100Gを手渡され城外に追い出される勇者であっ た」
11/25 20:32 勇者「まったく……100Gで何が買えるってんだよ」
11/25 20:33 ナレ1「といいつつ武具屋に入る」
11/25 20:34 武具屋「へい、いらっしゃい! 武具屋でやんす」
11/25 20:34 勇者「とにかく見せてくれや」
11/25 20:35 武具屋「これなんかどうどすか? ドラゴンバスター剣1000000Gに、ジ ュラルミン製盾100000G、そして炭素繊維ファイバー兜500000G。どれも使い心地満点 どす」
11/25 20:35 勇者「おい、俺がそんなにGを持っているように見えるか?」
11/25 20:37 武具屋「言ってみただけやねん。いくら持ってんねん」
11/25 20:41 勇者「100G」
11/25 20:42 武具屋「ざけんじゃねえ! そんな貧乏人相手にしてる時間あるか!」
11/25 20:43 ナレ1「と、いきなり放り出される勇者であった」
11/26 19:12 勇者「だから100Gじゃ、何も買えねえと言ったじゃないか。この物価 高だぞ!」
11/26 19:15 通行人女「ねえ、ねえ。お兄さん」
11/26 19:16 勇者「だれだ!」
11/26 19:16 ナレ1「声のした方に振り向くときれいなお姉さんが手招きしている」
11/26 19:17 通行人女「ちょっと、寄ってかない?」
11/26 19:17 勇者「そういえば、仲間が城下にいると言っていたな」
11/26 19:17 通行人女「こっちよ」
11/26 19:18 ナレ1「女に案内されるままに、後ろをついていくとそこは安アパート。 その一室に一緒に入る勇者」
11/26 19:18 通行人女「安アパートだけどいいでしょ?(と、言いながら服を脱いでい く女)」
11/26 19:21 勇者「据え膳食わぬはなんとかと言うからな……」
11/26 19:22 ナレ1「英雄色を好む。血液はすでに下半身に集中していて、脈絡のない 状態なのにも気づかない」
11/26 19:23 勇者「そいじゃ、ご好意に甘えて(と服を脱ぎ、いきなり襲い掛かる)」
11/26 19:23 通行人女「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。あ! あっ、あっ!」
11/26 19:24 ナレ1「女の声など聞こえていない。夢中で女にしゃぶりつき、事を成し 遂げてしまう勇者であった」
11/26 19:25 勇者「ふう……っ。久しぶりだったから、実に良かったぜ」
11/26 19:25 通行人女「な、なにが良かったよ。いきなり襲い掛かって、しかも中出し までして、この責任とってもらうからね」
11/26 19:26 勇者「誘ったのはそっちじゃないか」
11/26 19:26 通行人女「あのねえ……。まあ、いいわ。はいっ(と、手を差し出す)」
11/26 19:27 勇者「なんだよ、その手は?」
11/26 19:28 通行人女「お金に決まっているじゃない。あなた、ただで女が抱けると思 ってたの?」
11/26 19:28 勇者「知るかよ! 勝手に誘っておいて、金をふんだくろうとは、売春婦 にも劣る行為だぞ」
11/26 19:29 通行人女「だから、あたしは売春婦なの!」
11/26 19:29 勇者「なんだよ。それなら最初から言えよ」
11/26 19:30 通行人女「言わなくったって、こういうことは常識じゃない!」
11/26 19:31 勇者「何にしても持ってる金はこれだけだ(と、100Gの金を見せ る)」
11/26 19:31 通行人女「本気なの?」
11/26 19:31 勇者「冗談言っているように見えるか?」
11/26 19:32 通行人女「まったく……とんでもない奴を相手にしてしまったわ。とにか く頂くものは頂くわよ」
11/26 19:32 勇者「100Gでいいのか?」
11/26 19:33 通行人女「冗談言わないでよ。だれが100Gでいいって言ったのよ。10 000G、耳を揃えて支払ってもらうわ」
11/26 19:49 勇者「10000G! あるわけないだろ」
11/26 19:49 通行人女「なければ身体で払ってもらうわ。こら! パンツを脱ぐな。勘 違いしないで!」
11/26 19:50 勇者「こっちの身体じゃないのか?」
11/26 19:50 通行人女「あのねえ……。あんまりこんな話ばかりしてると、18禁にな っちゃうじゃない!」
11/26 19:51 勇者「俺はかまわないぞ」
11/26 19:51 通行人女「もういい! あなたと論議してると頭が痛くなるわ。とにかく 身体で払うってのは、仕事を引き受けてもらうのよ」
11/26 19:52 勇者「どんな仕事だ?」
11/26 19:52 通行人女「ギルドで仕事を斡旋しているわ。そこで依頼を受けて報酬をあ たしが貰うのよ」
11/26 19:53 勇者「なんで俺が働いて、報酬をおまえが貰うんだ?」
11/26 19:53 通行人女「何を言ってんのよ。あなたには、あたしに10000Gの借金があ るんだからね」
11/26 19:54 勇者「いつ、そんな借金ができたんだ?」
11/26 19:54 通行人女「たったいまよ! ふさけないでよね。あたしとしたくせに」
11/26 19:54 勇者「同意の上での行為は強姦罪にならないはずだが」
11/26 19:55 通行人女「もう! 18禁になるって何度言ったらわかるの!」
11/26 19:55 勇者「い、痛い。痛い。痛い」
11/26 19:56 ナレ1「これ以上口論しても無駄と判断し、勇者の耳を引っ張って、ギル ドへと連行する女だった」
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2019年6月 3日 (月)

ハードディスクが壊れて起動できなくなった?

③ ハードディスクが突然壊れて起動できなくなった。

 誰しも、ハードディスクが壊れたという経験があるはず。
 筐体に耳を当てると、ファンとかが回っていて、本体は正常らしい。
 ディスプレイには、

 Reboot and Select proper Boot debice
 or Insert Boot Media in seleted  Boot device and press a key_

 と、これはPCがハードディスクを認識していないという表示。

 原因は、
I、ハードディスクの破損
II、BIOSの設定が狂った(雷サージなどの影響)
 が上げられます。

 Iの場合、当然ハードディスクを購入しなければなりませんが、OSは?
 再インストールディスクがあれば、元の初期状態に戻せますよね。
 でもディスクがなければどうしますか?
 常識として、バックアップとか修復ディスクとか作成しておくのでしょうが。
 それを怠っていたら?
 windows 8.1 までだったら諦めるしかありませんでした。
 でも 認証済み windws10 なら、前回紹介した マイクロソフトツールで、再インス
トールができます。
 途中プロダクトキーの入力を求められますが、「プロダクトキーなし」を選択すれば
良し。
 無事に立ち上がって、マイクロソフト認証されています。

 windws10 においては、
① マイクロソフトアカウントが設定されているハードディスクは、PC本体を取り換
えても、認証は引きつかがれる。
② CPU_64bitに32bitOSがインストールされていても、64bitOSに変更できる。
③ ハードディスクが壊れても、新規購入したハードディスクに無償でインストールで
きる。
 です。


 さて、原因のIIの場合ですが、BIOSを初期化すると治る場合があります。
 電源を入れて、メーカー名が表示されている時に、
【F2】【DELL】キーなどを押してBIOS画面にします。(説明書読む)
 
 BIOS設定画面が表示されたら、以下の手順で初期化します。
 ここではマウスは使用できないので、全てキーボードで操作します。
 
① [→]キーを押して、横並びメニューにある「EXIT」を選びます。
② [↓]キーを押して、縦並びメニューにある[Load Setup Defaults]を選び、
 [Enter]キーを押します。
③ 「Load Default Configuration now?」と表示されるので、
 「YES」を選び、[Enter]キーを押します。
④ [↓]キーを押して、縦並びメニューにある[Exit Saving Changes]を選び、
 [Enter]キーを押します。
⑤ 「Save Configuration Changes and exit now?」 と表示されるので、
 YES」を選び、[Enter]キーを押します。

 これで治らなければ、ハードディスク交換か、修理を依頼しましょう(;'∀')
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2019年6月 2日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 新型モビルスーツを奪還せよ II

 新型モビルスーツを奪回せよ
                 II  バイモアール基地に隣接されたカサンドラ訓練所。  その全貌を見渡せる小高い丘の上に、身を隠すようにして崖縁から様子を伺っている 者達がいる。  搾取された最新鋭のモビルスーツ奪回するために潜入している特殊工作部隊である。  その一人が手にした双眼鏡の視界には、訓練所内で行き来する士官候補生達の動きを 捉えていた。  水飲み場で顔を洗い、水を飲んでいる生徒がいる。  小脇に出席簿を抱えた教官が声を掛ける。 「アイクとジャンはどうした?」  体育教練に出なかった二人を探し回っている風であった。 「さあ……。どこかで昼寝してるんじゃないですか」 「またか、どうしようもない奴らだな」 「なんすかねえ。あのランドール提督の真似してるんじゃないすかね。提督も体育教練 をよくサボっていたっていうじゃないすか」 「馬鹿もん! 提督は、学力も運動神経も人並みはずれた能力を持っていたんだぞ。た だそれを前面に出したくなくて、人知れず『能ある鷹は爪を隠す』をやっていたんだ。 しかしトライトン提督や士官学校の先輩であるガードナー提督は、その内面から溢れる 才能を見抜いてランドール提督を重要なるポストに抜擢したんだ。ランドール提督はそ の期待に応えた」  陶酔したような表情を浮かべて、ランドール提督を賞賛する教官だったが、 「あの……ランドール提督は敵になったのでは……」  という生徒の言葉に、気を取り戻して軽く咳払いしながら、 「とにかく、二人を見かけたら私のところに来るように伝えろ」  罰が悪そうに立ち去る教官であった。  総督軍にとっては敵将となったとはいえ、英雄と称えられる数々の功績を打ち立てた ランドール提督を真に敵視する者は、生徒はもちろんのこと教官の間でも誰一人として いなかったのである。  小高い丘の上。  特殊工作部隊のいる場所から少し離れた所に、空を覆いつくすように広々と枝を伸ば している巨木がある。  木漏れ日が差し込むその根元で惰眠をむさぼっている二つの人影があった。  養成所の訓練生であるアイクとジャンであった。  大きな欠伸をして目を覚ますアイク、その動きにジャンも目を覚ました。 「こんなにいい天気の日に体育教練など野暮ってもんだな」 「格闘技でもあるまいし、全自動のプログラムが動かしてくれるんだ。体育教練などや っても無駄じゃないか」  青い空に流れる雲を目で追いながら、アイクがそう呟いたときだった。 「ほう……。たいした自信だな」  突然女性の声がしたかと思うと、仰いでいた空が黒い影で遮られた。  それは人の影だった。  明るい所に目が慣れていたせいと、逆光のせいでその素顔を確認できなかったが、そ の体格からしても女性に間違いない。  しかし、顔面に突きつけられたのは自動小銃の銃口。 「そのまま動くな。でないと頭に大きな穴が開くことになる」  身動きできなかった。  周囲で物音がしているところをみると、他にも数人いるようだ。  寝転がったままの状態で、身体を調べられている。  おそらくジャンも同じ境遇だろう。 「武器は持っていないようです」 「よし、縛って木の根元にくくり付けろ」 「了解!」  その人物が銃を降ろして後ずさりしたかと思うと、数人がかりで縛られた。 「立て!」  そして引っ立てられるように巨木の根っこにくくりつけられた。  何がなんだか判らないうちに……。  そんな感じだった。 「隊長、暗号文が入電しています」  下から上がってきた兵士が伝えてきた。 「判った、今行く。そいつらから目を離すな。監視を一人付けておけ」 「了解」  逃げられて特殊部隊の存在を、訓練所に連絡されて困る。任務完了までは縛っておく に限る。  隊長と呼ばれた女性士官は下へ降りていって、岩陰に設営されたテントに潜り込んだ。
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2019年6月 1日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第三章 第三皇女 IV

第三章 第三皇女
                 IV  貴賓室に入室したアレックスとジュリエッタ皇女。  応接椅子に対面して座った。その周囲を侍女及びネルソン提督が待機している。 「我が艦隊の危機を救って頂いたこと、全将兵に代わりまして、ここで改めてお礼を申 し上げます」  言いながら軽く会釈する姿は愛らしく微笑ましかった。 「提督が中立地帯を越えて、我が領内に入ったことは、国際救助ということで問題はな いと思いますので、お気遣いのないように。それはせておき、提督のご来訪の目的は他 にもあるかと思うのですが、いかがなものでしょうか」  さすがに艦隊を指揮できる洞察力の深い皇女だと感心するアレックスだった。 「皇女のご推察の通りです。我が祖国のために戦い、現在解放戦線として戦い続けてい る連邦軍が、次なる目標として銀河帝国を据えていることを、ご警戒申し上げるために 参上しました」 「連邦軍が我が艦隊を襲ったことを考えれば、十分ありうることでしょう」 「それともう一つ」  と、一端言葉を止めてから、口調を改めて話し出すアレックス。 「単刀直入に申し上げますと、我が解放軍への援助と共同戦線の協定を結びたいと思っ ております」 「援助と共同戦線ですか……」  深い思慮に入る皇女に、ネルソン提督が何やら耳打ちしている。 「その件に関しましては、ここでは結論を出すことはできません。もし宜しければ、提 督には帝国首都星アルデランへご足労願いたいと思います」 「判りました。首都星へ参りましょう」  皇女は軽く頷いて、側に控えているネルソン提督に合図を送った。 「それでは提督には、このインヴィンシブルで首都星へお送りいたします。ご配下の艦 隊には最寄の軍事ステーションにて、一時駐留をお願いいたします。ご納得いただけま すか?」  戦艦が中立地帯を越えただけでも一大事なのに、ましてや首都星まで連れていくわけ にはいかないだろう。 「結構です。一人同行させたい者がいるのですが、よろしいですか?」 「いいでしょう。お連れくさい」  アレックスが同行させたのは、パトリシア・ウィンザーだった。単身で乗り込むこと となった自身の補佐役及び相談役として、彼女が最適任だと判断したのだ。  首都星へと向かうインヴィンシブル艦内において、アレックスはパトリシアを皇女に 紹介した。 「我が解放軍の総参謀長を務めています、パトリシア・ウィンザー大佐です」  すると目を丸くして皇女は聞きなおした。 「総参謀長? 女性の身で軍の重職をなさっていらっしゃるのですか?」 「その通りです。志願兵制度を敷いている共和国同盟には男女の区別がありません。能 力さえあれば、いくらでも上の階級へ上がれます。もっとも妊娠・出産・育児を担う女 性には宇宙環境は厳しく、実質上結婚を機に一時離職しますが、育児が終われば地上勤 務に復職します」  パトリシアが共和国同盟の実情を説明した。  その間にも、アレックスの側にピタリと寄り添って、仲睦まじい雰囲気が漂っていた。  それが判るのか、ジュリエッタ皇女は問いただした。 「ところでお二人は、ずいぶんと親しい間柄のように伺えるのですが」
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