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2019年4月25日 (木)

性転換倶楽部/特務捜査官レディー 遺言状公開(R15+指定)

特務捜査官レディー(R15+指定) (響子そして/サイドストーリー)
(五十四)遺言状公開 「ひろしは……いや、響子だったな……。響子は、私を許してくれるだろうか?」  京一郎氏は、母親殺しに至った孫のひろしに対して、祖父として何もしてやれなか ったことを後悔していた。実の娘である弘子を殺されたことと、手に掛けたのが孫の ひろしということで、人間不信に陥ってしまっていたのである。 「磯部さんの気持ちは判ります。響子さんだって、自分のしたこととして反省をすれ、 祖父であるあなたを恨む気持ちなどないでしょう。双方共に許しあい手を取り合えば 気持ちは通じるはずです。血の繋がった肉親ですからね」 「あなたにそういってもらえると少しは気持ちも治まります。ありがとう」 「どういたしまして」 「それでは、響子を迎えに行くことにしましょう」  ということで、磯部氏は出かけていった。  屋敷内に残されたわたし。 「さて、わたしも屋敷内を見回ってみるか……」  健児を迎えて、想定されるすべての懸案に対して、どう対処すべきか?  逃走ルートはもちろんのことだが、健児のことだ拳銃を隠し持っている可能性は大 である。  銃撃戦になった場合のこと、メイドに扮した女性警察官を人質にすることもありう る。  あらゆる面で、屋敷内での行動指針を考え直してみる。 「それにしても広いわね……」  つまり隠れる場所がいくらでもあるということになる。  遺言状の公開は大広間で行う予定である。  問題はすべて大広間で決着させるのが得策である。  事が起きて、大広間から逃げ出されては、屋敷内に不案内な捜査員や女性警察官に は不利益となる。  何とかして大広間の中で、健児をあばいて検挙するしかないだろう。 「うまくいくといいけど……」  計画は綿密に立てられた。  必ず健児はぼろを出すはずである。  やがて磯部氏が響子さんを連れて戻ってきた。  車寄せに降り立った磯部氏と響子さんの前にメイド達が全員勢ぞろいしてお出迎え する。 「お帰りなさいませ!!」  一斉に挨拶をするメイド達。  響子さんの後ろで、もう一人の女性がびっくりしていた。  誰だろうか?  予定にはない客人のようだった。  計画に支障が出なければいいがと思い悩む。  執事が一歩前に出る。 「お嬢さま、お帰りなさいませ」  全員女性警察官にすり替わっているのだから、メイド達のことを響子さんが知って いるわけがないが、この執事だけは顔馴染みのはずだ。 「お嬢さまだって……」  女性が響子さんに囁いている。 「そちらの方は?」  執事が尋ねると響子さんが答えた。 「わたしの親友の里美よ。同じ部屋で一緒のベッドに寝るから」  そうか、例の性転換三人組の一人なのね。  名前だけは聞いていた。 「かしこまりました」 「わたしのお部屋は?」 「はい。弘子様がお使いになられていたお部屋でございます」  引き続き執事が受け答えしている。  メイドには話しかける権利はなかった。  相手から話しかけられない限り無駄口は厳禁である。 「紹介しておこう。響子専属のメイドの斎藤真樹くんだ」  磯部氏がわたしを紹介する。 「斎藤真樹です。よろしくお願いします。ご用がございましたら、何なりとお気軽に お申しつけくださいませ」  とメイドよろしくうやうやしく頭を下げる。 「こちらこそ、よろしく」 「響子、公開遺言状の発表は午後十時だ。ちょっとそれまでやる事があるのでな、済 まぬが夕食は里美さんと二人で食べてくれ。それまで自由にしていてくれ」 「わかったわ」  そういうと執事と一緒に奥の方に消えていった。  他のメイド達もそれぞれの持ち場へと戻っていく。  残されたのは響子と里美、そしてわたしの三人だけである。 「里美に、屋敷の案内するから、しばらく下がっていていいわ」  響子がわたしに命じた。 「かしこまりました、ではごゆっくりどうぞ」  下がっていろと言われて、それを鵜呑みにしてしまってはメイド失格である。  わたしは響子さんの専属メイドである。  主人の身の回りの世話をするのが仕事であり、万が一に備えていなければならない。  目の前からは下がるが、少し離れた所から見守っていなければならなかった。  響子さんが、里美さんを案内している間にも遠めに監視を続けることにする。  やがて夕食も過ぎ、午後九時が近づいてとうとう遺言公開の時間となった。  次々と到着する親類縁者たち。  響子さんの専属であるわたしを除いた他のメイド達が出迎えに出ている。  自分の部屋でくつろぐ響子さんと里美さん。 「ぞろぞろ集まってきたみたい」  窓から少しカーテンを開けて覗いている響子さんと里美さんだった。  遺言公開の場に出ない里美さんはネグリジェに着替えていた。 「お嬢さま、旦那様がお呼びでございます」  そうこうするうちに、別のメイドが知らせにきた。 「いよいよね」 「頑張ってね。お姉さん」  何を頑張るのかは判らないが……。  里美さんを残して部屋を出て、響子さんを大広間へと案内する。  わたしと別のメイドの後について、長い廊下を歩いていく。  大広間の大きな扉の前で一旦立ち止まって、 「少々、お待ち下さいませ」  軽く会釈してから、その扉を少しだけ開けて入って行く。 「お嬢さまを、ご案内して参りました」 「よし、通してくれ」 「かしこまりました」  指示に従って、大きな扉をもう一人のメイドと共に両開きにしていく。
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