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2019年2月18日 (月)

性転換倶楽部/特務捜査官レディー 取り調べ(R15+指定)

特務捜査官レディー(R15+指定)
(響子そして/サイドストーリー)

(二十三)取り調べ  レディースホテルの覚醒剤取引事件の仲買人の取調べがはじまった。  留置所において仲買い人と対面するのであるが、逮捕された当時の女装したままで、 なおかつ女性言葉を使うので、取締官もやりにくそうだった。そこでわたしが駆り出 された。  他の男性取締官に席を外してもらって二人きりで相対することにした。  まともに付き合っていても喋ることはないだろうと思う。  わたしは搦め手から攻めていこうと思った。 「ねえ、女装って楽しい?」 「何よ、急に」 「わたしにもね、女装が好きな人がいてね。よくお喋りするんだけど、女装する人に も何種類かあるそうね。気分転換に単に女装を楽しむ人と、女性の心を持っていて女 性になりたいと思っている人、MTFっていうそうね。あなたはどっちかしら?」 「それがどうしたっていうのよ。どっちでもいいでしょ」 「そういう風に女性言葉で話し続けているところみると、あなたは後者ね」 「勝手に思っていればいいわ」  と、あさっての方を向いてしまう彼女だった。  うん。  なかなか難しいわね。  どんな話題を持ってくれば、乗ってくるかしら。  とにかく話にならなければどうにもならない。  その横顔を見ながら、その化粧の仕方の下手くそさを思う。  女装している人にとって、何が一番難しいかというとやはり化粧であろう。  できれば綺麗になりたいと思っているだろうし、かと言ってなかなか上手くできな いものである。このわたしだって化粧をはじめたた頃は、母につきっきりで、実際に 化粧品を使って教えてもらったものだが、そうそう思うとおりにならなかった。  初心の頃に有りがちなのは、クリームとかを塗りすぎて、ついつい厚塗りしてしま って、仮面のようになってしまうことである。厚化粧になって何かするとひび割れを 起こしたりする。  この彼女も、そんな初心者のようであった。 「ところで化粧って難しいでしょう?」 「下手くそっていいたいのでしょう」 「そうね。女性のわたしからみると、確かに下手ね。はっきり言うわ」 「ふん。どうでもいいでしょ」 「ねえ。教えてあげましょうか?」 「な……」 「お化粧ってね。雑誌とか読んでの自分勝手流じゃ、なかなか上手にならないのよね。 プロなり美容師さんにちゃっと、化粧道具を使って習わないとね。まあ、わたしだっ てプロじゃないけど、それなりに勉強しているから教えてあげられるわよ」 「そんなことして、どうなるってんのよ」 「綺麗になりたくないの?」  彼女が一番気にしているところから、じわじわと攻め立てるわたし。  化粧が下手だと言われそうとうの劣等感に陥っているはずだ。そこへ化粧の仕方を 教えてあげると言われれば、多少なりとも心を動かされるはずだ。 「そんな化粧じゃ、注目されて女装者だとばれちゃうわよ。上手に化粧すると、誰が みても女性としか見えない自然なお顔になれるものよ」 「そうは言っても……」  彼女の気持ちがだいぶぐらついてきたようだ。  もう一押しよ。 「ね、ね。教えてあげるわ。ちょっと待ってね。今、化粧道具を持ってくるから」  彼女を残して、一旦取調室を退室する。  そとで待機していた同僚が話しかけてくる。 「真樹ちゃん。どう? 上手く言ってる?」 「うーん。今はじまったばかりという感じです。ちょっと化粧道具を取ってきます」 「化粧道具? 化粧直しするの?」 「まあ、まかせてください。中へは入らないでくださいね。せっかくの手筈が狂って しまいますから」 「あ、ああ。真樹ちゃんがそういうなら……」  それから女性用留置室へ行って、女性被留置者のために用意してある化粧道具を借 りてくる。化粧道具を意外と持っていない被留置者も多く、接見室での接見・差入の 際に化粧できるように用意してある。  留置場における社会復帰のための矯正の一環であり、出入り業者から化粧水程度の 化粧品は購入できる。
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