« 性転換倶楽部/特務捜査官レディー 逃亡(R15+指定) | トップページ | 性転換倶楽部/特務捜査官レディー 蘇生手術(R15+指定) »

2018年12月20日 (木)

性転換倶楽部/響子そして ロミオとジュリエット

響子そして(覚醒剤に翻弄される少年の物語)R15+指定
この物語には、覚醒剤・暴力団・売春などの虐待シーンが登場します

(四)ロミオとジュリエット  芸術の秋。  少年刑務所内において、毎年春と秋に行われる恒例の慰問会が開催されることにな った。各種イベントや出店などが目白押しだ。  実行委員長は、所内の顔である明人だ。  わたしは明人に頼んで、その演目に舞台劇「ロミオとジュリエット」を入れてもら った。演劇が好きだったのでどうしてもやりたかったのである。  もちろん、ジュリエットはわたしが演じる。劇団に所属し娼婦役を演じていたので、 容易いことであった。問題は監督をはじめとする他の役者や道具係りを集めることだ が、演劇好きな少年達を探し出して、わたしがお願いすれば、みんな快く参加してく れた。にわか劇団の誕生だ。  舞台衣装は、作業所の縫製科で職業訓練をしている少年達に依頼して製作してもら った。もちろんわたしもそれに入って裁断やミシン掛けして手伝った。演じる舞台や 小道具は、木工作業所の少年達。舞台背景は美術科、  慰問会に際しては、看守側も通常の作業時間を減らして、劇団の練習や必要備品製 作のための時間を作ってくれた。  慰問会の日が迫り、所内では調達できない、照明器具や音響機器、特殊美術に必要 な器材を、明人が特別許可を得て外部から搬入された。  やがて所内の一角に舞台作りがはじまる。大工や鳶の職業を受けている少年が、組 み上げていく。人手が足りないので、劇団員以外の少年達も声を掛けて手伝ってもら う。断る少年はいない。怪我したら大変と、ねじ釘一本持たせてもらえない。わたし は傍で、組み上がっていくのを眺めているだけで済んでいた。  舞台稽古は一日しかない。当日の所内作業を休ませてもらって、朝から舞台衣装を 着込んでの稽古。  やがて本番の日が来た。  わたしは貴婦人の着るドレスで着飾り、ジュリエットを完璧に演じた。  ステージの真ん中でスポットライトを浴び、先に死んでしまったロミオの後を追っ て、毒薬を飲んで自殺する演技を披露する。 「おお! ロミオ、ロミオ。わたしを残してどうして先に死んでしまわれたの? い っそわたしも……。ここに、まだ毒薬が残っているわ。これを飲んで、あなたの元へ まいります……」  クライマックス、精一杯の声量を会場に響かせて、死への道を高らかに演じて死ん でいく。そしてエンド。  割れんばかりの拍手喝采だった。  アンコールのステージに立ち、スポットライトを浴びるわたし。  わたしはまさしくヒロインだった。演劇を続けてきた甲斐があった。  こうして悲劇「ロミオとジュリエット」は、大成功した。
ポチッとよろしく!
11

« 性転換倶楽部/特務捜査官レディー 逃亡(R15+指定) | トップページ | 性転換倶楽部/特務捜査官レディー 蘇生手術(R15+指定) »

性転換・女性化」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 性転換倶楽部/特務捜査官レディー 逃亡(R15+指定) | トップページ | 性転換倶楽部/特務捜査官レディー 蘇生手術(R15+指定) »