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2018年12月 3日 (月)

性転換倶楽部/ある日突然に III 組織と麻薬と売春と

女性化短編小説集/ある日突然に III

(五)組織と麻薬と売春と  何とか柿崎を駐車場まで運び、車に乗せることができた。 「さてと……。君達は、ここから帰りなさい」 「ええ! どうしてですか?」 「そうですよ。最後まで手伝わせてください」 「ここまでやったのに、それはないですよ」  三人娘が口々に叫んでいる。 「だめだ! これ以上関わると、君達を組織に入れなければならなくなる。そうなれ ば二度と組織から抜け出せないし、結婚もできなくなるぞ」 「それは困るわ! あたし抜ける」  由香里が即座に答えた。息子の英二と婚約しているので当然であろう。 「組織員となれば、まず最初に強制的に麻薬を打たれる。薬の効果と禁断症状を自ら の身体で体験させるためだ。組織と麻薬は切っても切れない関係だからな。さらに女 性の場合は、性行為も任務として命じられるんだ」 「ひどい話しですね」 「セックスは、女性の商売道具であり、武器でもある。売春は先史時代から綿々と続 く、もっとも古い女性の職業だし、風俗営業店が繁盛しているのも道理だ。情報を得 るなり味方にしたいなら、まず女を抱かせろというのは、昔から使われる常套手段だ からな」 「ほんとに道具としてしか扱われていないんですね……。わかりました。妹達をそん な組織に入れたくありません。おとなしく、ここは引き下がりましょう。いいわね、 みんな」  響子が言った。長女として面倒見がよく、思いやりとやさしさがあるので、妹達を 危険な目にあわせるわけにはいかないと判断したようだ。何かにつけても三人のまと め役となっており、彼女が決めたことには、他の二人も従うことが多いようだ。特に、 一緒に暮らし、女性としてのイロハを教えてもらった里美は、本当の姉のように慕っ ているから、言うことを良く聞く。 「しようがないわね。響子さんが、そう言うんじゃ」 「うむ、そうしてくれ。君達に性別再判定手術を施して、第二の人生を歩ませた意味 がなくなるからな」 「さあ、そういうわけだから、みんな戻るわよ。車に乗って頂戴」 「はーい」  響子の車に乗り込む三人。 「先生、結果報告だけは、後で教えてくださいね」 「ああ、わかってるさ」 「それじゃ、失礼します」  一礼して車を発進させる響子。  やがて車は夜の闇の彼方に消えて見えなくなる。 「さて、こっちも行くとするか……」  追跡車に乗り込み発車させる。
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