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2018年9月 3日 (月)

性転換倶楽部/ドラキュラ X (九)目の前で

(八)目の前で

 次の瞬間だった。
 全身が急激に痙攣を起こし始めた。
 それは子宮から膣へ、そして彼の中へと逆流していく。
「な、なんだ!」
 彼が驚きの声をあげる。
「うわあ! これは!」
 慌てて身体を引き抜こうとするが、ぴったりと接着したように離れなかった。
 何かが彼の中へと流入していく。
 そしてついに気絶してしまった。
「あ、あなた!」
 わたしは何が起こったかしばらくは判らなかった。

 こ、これは……。
 あの時と同じだ。
 それに気づいたのは、彼の身体が輝き始めて変貌していくのを目の当たりにした時
だった。

 彼の身体が小さくなっていく。
 立派だった胸板が細くなり、その胸が膨らみ始めた。
 そして股間にあるものも小さくなってやがて消えてしまい、そこには別のものが形
成されつつあった。
 数分後には女性器がそこに現れたのである。

 一時間としないうちに、彼は完全な女性に生まれ変わってしまったのである。

 そうか……。
 わたしもこんな風に変身してしまったんだ。
 それ以前にあの女性もそうだったのだろう。
 はじめて駐在所に現れたときに、男に見える女に見えるかを尋ねた。
「や、やっぱり……そうなんですね。女になってしまったんですね」
 とか言っていてものな。
 なんとなく判ってきた。
 そうなのだ。
 これはいわば、一種のドラキュラなのではないだろうか?
 誰がその最初の女性(それとも男性か)だかは判らないが、交わった男性を女性に
変身させてしまう能力を身に着けてしまうらしい。
 ドラキュラが血を求めるように、その女性はやがて男性を追い求めて彷徨い、次な
る犠牲者となる男性と交わってこれを女性化する。
 エイズのような一種のウィルスが原因だろうか。
 性的接触によって感染し、相手を女性化させてしまう。
 だがあまりにも変身が急激過ぎる。
 ウィルスならもっとゆるやかに変身するだろう。
 魔法か呪いかだろうか。
 科学万能の世の中では笑われそうであるが、ではこの状態を説明してくれと言いた
い。
 なんにしてもドラキュラだ。

 さて問題は、女性に変身してしまった彼のことだ。
 その責任はすべてわたしにある。
 あの女性のようにとんずらするわけにはいかない。
 警察学校では席を並べ、共に町の平安のために働こうと誓い合った同僚なのだ。
 それに女性になってしまったわたしを、手厚く世話してくれた恩人でもあるし、真
剣に結婚を考えた相手でもある。放っておくわけにはいかない。
 自分の変わり果てた姿に困惑し自殺でもされたら生涯怨まれるだろう。
 そうなった状況を自らの経験をもって説明し納得させる責任があるというものであ
ろう。
 ともかく目が覚めるのを待とう。
ポチッとよろしく!
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