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2018年9月19日 (水)

性転換倶楽部/静香の一日(五)プロポーズ

 静香の一日

(五)プロポーズ  再び喫茶店にもどる。  俊彦がポケットに手を差し入れながら、 「実は……。受け取ってもらいたいものがあるんだ」  と切り出した。  それがエンゲージリングだと言う事は知っているが、 「あら、何かしら」  とぼけた表情で尋ねてみる。 (やっと、決心したか)  小包を差し出し、その蓋を開けて中の指輪を示した。 「指輪?」 「け、結婚してくれないか?」  言った!  ついにプロポーズした!!  しかしすぐに答えては配慮が足りない。 「ん……」  じっくり考える素振りを見せて、やがて尋ねる。 「浮気しない?」  まあ、俊彦が浮気するような男ではないのは良く知っているが、静香として一応は 尋ねておくべきだと思った。 「し、しません!」 「絶対に?」 「絶対です」 「そう……」  さらに悩んでいる素振り。  そして切り出すのだ。 「いいわ。結婚してあげる」 「ほ、本当に?」 「ええ、本当よ。その指輪を」  と、そっと左手を差し出した。 「え? あ、ああ……」  俊彦は指輪を取り出して、その左手の薬指にはめる。  緊張して手が震えている。  ピッタリだった。  そりゃそうだろう。  前もってサイズを聞き出して教えてやったのだから。  薬指にはまった指輪を手をかざして見つめてみる。  細くて白い指先に、小さなダイヤが輝いていた。  婚約指輪としては決して高価なものではないが、これでも安月給の俊彦がこの日の ために、飲み会の誘いを断って貯金をし、半年の給料分を注ぎ込んだのである。精一 杯の真心といったところである。  思い起こしてみれば、ここまでに至るには結構苦労したのだ。  俊彦は結構奥手なところがある。  自ら進んで女性と交際しようとはしなかった。  それだからとピンクサロンとか誘って、女性との経験を与えてやったのだが。  それでもなかなか交際できるような女性には恵まれなかった。  しようがないということで……。  妹の静香を紹介してやったのだ。  デートとかもこちらでセッティングしてやったものだった。  それで、どうやら一目惚れしてしまったらしい。  ある日突然に、 「静香さんと結婚させてくれ」  と告白したのだった。  そして今日の日を迎えた。 「場所を変えない?」  計画の第一段は無事に済んだ。  次は第二段である。  本当ならここからホテルへ誘い込んで……。  と行きたいが、この雪だ。  俊彦の車のタイヤはノーマルだし、タイヤチェーンも積んでいなかったはずだ。  下手すりゃ、帰るに帰れなくなって、ホテルに缶詰状態になってしまう。 「あなたの家、見てみたいわ」  俊彦はアパートの一人住まいである。  家族とかの心配をする必要はない。 「この雪だし、帰れなくなるよ。タイヤチェーン持ってないんだ」 「明日は日曜日じゃない。休みなんでしょう?」 「そりゃそうだけど……」  静香の言葉の意味をしばらく考えているみたいだった。  明確にいえば、今夜は泊まっていくわ。  と言っているのである。  これが判らないほどの馬鹿ではないだろう。 「一人暮らしだろう? 恥ずかしいくらいに、散らかっているんだ」 「気にしないわ。男の人ならしようがないじゃない。結婚しようという男性の独身時 代の状況を知っておくのも、今後の参考になるでしょう?」 「そ、そうかな……」
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